矛盾した表題だ。
時の流れ自体が速度だからな。
極寒の今の時期、一時でも早く冬が過ぎるのを望むし、極楽の夏は一日でも多く過ごしたいと思う。
去年の今頃のことが昨日のように思えるほどに一年は早く感じる歳になった。
それって、死に近づくにつれて、記憶の重要性が小さくなっているのだと思う。
死んでしまえば記憶がなくなるわけだから、死に近づくにつれてこの世に未練を残さないようにできているのだと思う。
未練は記憶の断片、記憶になんの理由も価値もないとも思う。
生きることは記憶を消しながら、今この時を楽しむことが最も有意義なことで、過去も未来も自分に負担を仮せるだけのろくでもないことのように思える。
記憶をたどれば、楽しことよりも苦痛の方が大きく残っているし、未来に夢を抱くほどに自分を追い詰めることになる。
もう一度思う、今だけのために生きることが有意義なんだ。