スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

未成年飲酒が減っているワケ

2007-06-11 06:23:46 | スウェーデン・その他の社会
スウェーデンの高校生のうち、男の子では約50%が、女の子では約40%が、1ヶ月のうちに1回は飲酒をしている、という調査結果が出ている。(ちなみに飲酒が許されるのは18歳以上、ただ自分でお酒を購入できるのは20歳以上)

ずいぶん大きな数字だが、他のヨーロッパ諸国と比べると比較的低く、しかも以前と比べても低下する傾向にあるのだとか。

低下傾向の大きな原因は、テレビゲームやパソコンの普及のために、お酒を飲んで騒いだり、カッコつけたりする以外の楽しみができたためだという。以前だったら、時間を持て余した未成年が夕方から晩にかけて街中でたむろしてお酒を飲んだり、親が出張や旅行で出かけている隙を狙って、友達を呼んで飲酒つきのパーティーをする(いわゆるföräldrafri fest)というのが“クール”だった。今では、パソコンに向かって黙々とゲームをしたり、チャットをしたりという楽しみも新たに加わった、というわけだ。

テレビゲームやパソコンといえば、スウェーデンでも依存症が問題になっている。親としては、子供が黙々とテレビやパソコンに向かうよりも、スポーツやもっと有意義なことに打ち込んで欲しいと願うもの。それと同時に、もちろん親に隠れて酒を飲んでもらいたくはない。

だから、親の一番の願いが叶えられるのは難しいとしても、テレビゲームやパソコンの普及のおかげで未成年飲酒が徐々に減る傾向にある、という一つの事実は、まぁ、プラスに評価してもいいニュースなのかもしれない。