スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

STAR WARS エピソード3 の封切

2005-05-26 08:00:59 | コラム
先週の木曜日に封切されたスターウォーズ・エピソード3を友人と見に行く。

スウェーデンでは外国の映画はもちろん吹き替えなしで、オリジナルの映像にスウェーデン語の字幕が加わるだけなのに、スターウォーズの始めで、テーマ曲と共にあらすじが文字となって流れていくところとタイトル文字では、なぜかスウェーデン語にすべて置き換わっていて、ちょっとビックリ。

このエピソード3の内容はご存知の通り、新シリーズの2作と、旧シリーズの3作をうまく結びつけるもの。主人公が闇の世界に誘惑されていき、銀河系の共和国が帝国になっていく様子を描く。他の5作を見ていれば、その間に足りないものが何か知っているわけで、この新作のあらすじ自体は簡単に想像がついてしまう。で、分かりきっているストーリーが新作の中でちゃんと描かれているのか、製作者が描き忘れたところがないのか、確認するために見ているようなものなので、ハラハラどきどきなんてのは全然ない。どうでもいいことだけど、出てくる宇宙人も旧作に出てくるものばかり。

冒頭は空中戦から始まるけれど、20年以上前に作られた旧シリーズとはぜんぜん違い、コンピューター・グラフィックだらけで、なんだかアニメを見ているよう。クローン兵士とロボットが戦う集団戦のシーンはスピード感があって面白かったけど、その他は、レーザー刀によるチャンバラごっこが永遠に続く。後半半分は、悲劇。製作スタッフが旧シリーズにいかに繋げようとしたのか、苦労だけは垣間見れる。なんで「皇帝」は顔がしわくちゃの老人なのか、ダースベーダはなぜマスクをかぶっているのか、がここで解明されるのだ! ていうか、マニアでもない限り、そんなことが判ってもどうってことはないのだけど。

日本語で見たときは気づかなかったけれど、緑の老人「ヨーダ」はいつもわざと倒置法を使って英語をしゃべっているんだね。”Many mistakes I have made”とか、”Help him you should now”とか。でも、スウェーデン語ではこのような倒置を普段の日常会話で常に使っているから、字幕としてスウェーデン語に訳したところで、全然違和感がなくて、本来の効果が出せていないことに気づいた。日本語の字幕ではどう訳されているのだろう。

このブログに何回か登場したEthan(アメリカからの客員研究員)は、このスターウォーズの新作は「反ブッシュ的」と興味深々だったけど、これは映画の中ではあからさまなので、別に深く考えなくても分かることだった。まあ、批判される当の本人のやることのほうが、もっとあからさまですが。そんな意味合いも映画に込めるとは、タイミング的に面白い。