キキ便り

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格差社会を考える本「You want fries with that?」を読む

2009-02-04 05:34:09 | 映画・本・テレビなどを語る
最近、アドバイザーのメールのやりとりで、「貧困」をテーマにしたクラスの話になる。このPoverty(貧困)をめぐる社会問題を扱った授業を久々に教えるアドバイザーは、経済関係の論文や資料を沢山読んで準備しなきゃならないから、大変なのよ~とのふともらす。

私は最近たまたま、ホワイトカラーとして広告会社の管理職でバリバリに働いていた人が、ストレスゆえに仕事をやめ、いわゆる最低賃金職を転々とした経験を面白おかしく描いた本「You want fries with that?: A white-collar burnout experiences life at minimum wage」を読んでいたので、その話題になる。ちなみに、この本のタイトル(You want fried with that?)は、マクドナルドなどのハンバーガー店で、店員がお客に尋ねる決まり文句。

ピザ配達、アイスクリーム屋の店員、土木工事、ERのアシスタントなどの仕事を経験し、いかにそれらの仕事がきついわりには、収入が極端に少なく、周りから粗末に扱われる大変な仕事であるかを知り、またもとの仕事に戻るという実話。

これと似たような本で、ベストセラーになったNickel and Dimedというドキュメンタリーがある。私は、大学院時代に「子どもと家族政策」のクラスで課題図書として読んだ本だが、ジャーナリストが、最低賃金といわれる仕事ーウォルマートの店員、ホテルのメイドなどを体験し、いかに報われない仕事であり、貧困から抜け出すのが大変なものなのかを、自らの生々しい体験をもとに訴えている。

最近ではそれ以外に、How Starbucks Saved My Life: A Son of Privilege Learns to Live Like Everyone Elseという本も出ている。名門大学卒のアメリカンドリームを絵に描いたようなエリートが、ある日仕事が首になり、また私生活でもどん底に陥った本人が、その後スターバックスで仕事を得て、どのような体験をし何を学んだかをリポートした本。

不安定な経済状態の中では、何が起こっても不思議じゃない今日この頃。格差社会が問題になっている日本人にも、ぜひ参考になりそうなこれらの本。
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