キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

引越しと巣作り

2007-12-30 09:37:43 | アメリカ便り

オットは、今の就職先が決まるまで、全米あちこちで面接を受けました。Iowa, Missouri, Arizona, Wisconsin, Georgia, Washington DC, Washington... そして最終的に決まったのはワシントン州です。

オットが面接に招待されるたびに、私がその州や市について徹底的にインターネットで調べまくったんです。教育の質、犯罪率、人種の構成、不動産の値段、ショッピング、交通の便。。。集めた情報と費やした時間を考えると、論文一本でも書けたんじゃないかって後悔しています(笑)。

よく訪れたサイトは、
http://www.bestplaces.net/col/ 
http://www.realtor.com/

そして、それぞれの市のChamber of Commerce のサイトです。

時間は無駄にしてしまったけど、ずいぶんアメリカの地理と不動産に詳しくなったったんじゃないかという気がします。そして、いくら位お給料をもらえれば、どの市ではどういうレベルでの生活が可能なのかまで、計算できるようになりました(笑)。アドバイザーには、大事な時間を無駄にして何しているんだって怒られそうだけど。。(笑)

ある本に、女性には巣作りの本能があるようなことが書いてありましたが、家を買うという段階になると、やはりどうしてもエネルギーと時間はそっちの方にいってしまいます。。。。やっぱり、どの地域に住んだら子どもの教育にとってプラスとか、安全とか、気になりますよね。そして予算内で収めようと思うと、多大な労力を使わないと家を決めるのが難しいんです。

巣作りをこの夏終えたので(笑)、来年からは子育てと本業の方に集中しなきゃいけないですよね。
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アメリカで子育てしながら、博士号取得を目指している人のために:その2

2007-12-30 05:16:33 | 博士課程で学んで
今もそうなんですが、院生として母国語じゃない言語で勉強するとなると、時間が非常にかかります。私の能力が足りないからかもしれないんですけど、学術論文を批判的に読まなければならない場合など、1つの論文に10時間以上もかかることもあるし、集中力にも限界があり時々ブレイクをとらないと続きません。

レポートやペーパーでは、やはりネイティブに添削をしてもらった方が、インストラクターの人にはグラマーの間違いに気をとられずに読んでもらえます。アメリカ人の学生でも、ペーパーを書く能力に非常に差があるので、留学生にそれ程高い英語の水準を期待していない教員もいるのですが、人さまざまです。

ある時、オットに添削してもらったファイナルペーパーに、ちゃんとネイティブの人に見てもらってから提出してくださいという、コメントが書いてありました。オットは一応修士号を持っているのですが、学術論文の細かな規約やスタイルにあまり慣れていないため、見落としたところが多かったのでしょう。ということで、ネイティブであれば誰でも、というわけにはいかないようです。

最初に戻るのですが、母国語でない言語で勉強するとなると、このように手間隙がかかるので、時間をうまく管理しないと家族にしわ寄せがきます。基本的には、夫婦の関係がしっかりしていれば、うまく乗り越えられるのですが、私たちの場合のような長期戦だと忍耐にも限界が出てきます。

博士課程の過程や、アシスタントプロフェッサーで終身雇用を得る最初の5年間などには、離婚する確立も高くなります。しかも、大学院はお金がかかるし、生活レベルを落とさないとやっていけない人が殆どです。そして私たちの場合、それだけでなく、障害児の子どもを持つ、という離婚のリスク条件も抱えているので、気をつけないと家庭破壊を招きかねないのです。

このような環境だと、一つひとつのことをよく選択していかないと、夫婦関係にヒビが入ってしまうのです。私の場合、たとえば学会などは、行きたくても金銭的にかなり家族に負担になってしまうし、その間子どもを見てくれるベビーシッターなどのことも考えると、我慢するようにしました。ということで、私のVita(履歴書)の学会発表のリストは、他の人に比べて短いんです。また院の仲間との飲み会やミーティングなどはなるべく遠慮し、その分何人かの人と仲良くなり、時々家に夕食に招いたりなどして、家族ぐるみのつきあいをしました。

今でも何を優先順位にしたらと、ずいぶん迷うことがあります。幸いアドバイザーが子育て経験者で、私が自分の子どもの教育を大切に思う気持ちに共感し、応援してくれたので、ここまでやってこれたような気がします。





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