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キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

白黒はっきりした世界に住んでいる自閉症児

2008-02-28 08:45:29 | 自閉症アメリカ教育事情

昨日は、息子のピアノのレッスンの日でした。毎回、一人でバスにのって、大学の音楽学部に通っています。

ところが昨日は、いつものバス賃の30セントじゃなくて、60セント欲しいと言ってきたので、理由を聞いてみると、前回お金をなくしてしまってバスで払えなかったらから、その分も合わせて払うということでした。

エライ!と親ばかかもしれないけど、息子の正義感に感激してしまいました。言われてするんじゃなくて、自分で考えて行動したことに、息子の成長を感じます。

自閉症児は、一般的にうそがつけなかったり、きまりを破ることに極端な恐れを感じたりするそうです。うちの息子はうそは結構平気でつくけどね・・・きまりを破るのはとても嫌なみたいです。そういう白黒はっきりした特徴が、プラスに働くこともあるんですね。柔軟さには欠けているけど、いいところがどんどん伸びていったらって願っています。

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知的障害女性を自爆テロに利用にショック&自閉症児の息子の将来を憂慮

2008-02-02 15:11:54 | 自閉症アメリカ教育事情

今日のニュース,イラクのバグダッドで、知的障害女性二人が、自爆テロに利用され、約70人が死亡した事件にかなりショックを受けてしまいました。

自閉症という障害を抱えている子どもの親として、こういう事件を耳にすると、心が痛みます。そして、自爆テロという行為を、英雄化しているその背後の宗教や教理に怒りと同時に深い悲しみを覚えます。

話は変わりますが、今日は久しぶりに、自閉症の息子の将来を思って、夫婦共に胸を痛めた日でした。夜子どもが寝静まった後、オットが泣きはらした目で、息子が寝る前に語ったことを話してくれました。

「ボクは中学に入ったら(この夏より)、友達たくさんできるから、携帯電話ないと困るんだ。そして、友達んちに遊びにいったら、きっとソーダー飲まなきゃいけないから、今から練習しないとね。」

息子は、今現在友達が一人もいないんです。「一匹狼」っていい風にとってくれる人もいるんですが、人との付き合いがわからなかったり、ぎこちないため、孤独で過ごしているみたいです。

友達いっぱいの楽しい中学生活を想像していると思うと、親としては不憫で、たまらなくなってしまいます。そういう息子に、オットは「お父さんが、一番の友達だからね」と励ましたそうです。愛情ある言葉です。

以前、自閉症の学会に参加した時、ヨーロッパのアスペルガの青年が、チャットを通して、他のアスペルガの人たちと交流したり、親交を深めている様子を実演で見せてもらいました。職場や私生活での悩み、同じ障害を持つ人だと、わかりあえる部分が多いのでしょう。

いつか、息子もそういうチャットに参加したり、ブロガーとしてデビューしても、と思うのですが、まだ若いだけに、心配です。親として、今何ができるか、考えていきたいです。

しばらくは最近購入した、Temple GrandinのDevelping Talentsの本を読んで、情報収集に努めてみるつもりです。

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時々登校拒否になる自閉症のわが子

2008-01-09 10:53:42 | 自閉症アメリカ教育事情
お休みの後の学期の始まりは、少し大変なんです。

息子は、お休みが終わったことを悲しみ、学校に行くのを嫌がります。行けば行ったで、なんとかなるんだけど。。

これでも昔に比べてずいぶん良くなりました。以前は、学校が始まる1週間前くらいから、行きたくないって、泣き出していたんです。ホームスクールにして欲しいとただをこねられたこともありました。高校卒業するまで、何年学校に行かなきゃ行けないか計算して、その年月の長さを悲しんでいたものです。

今ではそこまで極端なことはなくなったけど、やはり学校が始まる前の数日は、くらーい表情です。私もそんなに楽しんで小学校行ってたわけじゃないんで、なんとなく気持ちわかるかな。。。

仲いい友達がいれば、学校に行くのも楽しみにもなるんだけど。。。息子は皆に嫌われていないけど、そんなに人気のあるわけでもない、影のような存在なんだと思います。自閉症児を抱える親としては、嫌われていたりいじめられたりしないだけ、感謝しなくちゃって思っているけど、やっぱりいつか友達ができたら嬉しいですよね。

そういう息子を元気付けるために、今日はカレーライスを作りました。息子の大好物です。そして、3年半前に日本に里帰りした時の東京ディズニーランドのビデオを見て、気持ちを取り直していたみたいです。そういう楽しいことがいつかまた待っているかと思うと、気持ちも明るくなるみたいです。
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自閉症児ってもしかしてクイズが得意?

2007-12-25 15:37:23 | 自閉症アメリカ教育事情
クリスマス・プレゼントにAre You Smarter Than a 5th Grader? (5年生より賢いですか?)というボードゲームを買いました。

アメリカの小学校の教科書に出ている内容の質問に応えていかなきゃならないんです。わあ、まいってしまいました。全然わかんナインです。キリマンジャロはどの大陸にあるのか?インシュリンは体のどの器官から出ているのか?Stars and stripes foreverを作曲したのは誰なのか?お手上げですー!

ところが、5年生の息子は知識の記憶がいいのか、答えがマシンガンのようにどんどん出てくるんです。すごーい!まあ、習ったことばかりなんだけど、よく覚えているのにびっくり仰天です。

もしかして、才能があるのかも。。と親ばかかもしれないのですが、思ってしまいました。自閉症児ってある特定の事柄についての記憶が極端にいいこともあるって聞いてたけど、息子の隠れた才能が発見できて、私たちもプレゼントをもらった気分です。
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ごっこ遊びが大好きな自閉症児もいるんです

2007-12-18 09:31:10 | 自閉症アメリカ教育事情
11歳の自閉症の息子は、最近「飛行機ごっこ」に凝っているんです。

彼はフライト・アテンダントとパイロットのダブルキャストで、食事や飲み物を運んでくれたり、機内アナウンスで天候の様子や到着時間などを教えてくれるんです。「あと10分でロンドンのヒースロー空港に到着です。現地の天候は晴れ。気圧は。。。。」

これもPCソフト「flight simulator」の影響なんでしょうかねえ。機内アナウンスの台詞は、びっくりするくらい本物っぽいんですよ。

途中マッサージやお灸もしてくれたり、映画はお好みのものを何でも上映してくれるそうです。サービス満点の旅客機です。

一般的に、自閉症児はごっこ遊びが苦手らしいです。相手の視点で物事を見る目や、コミュニケーションのやりとりが難しいからなんでしょうね。

うちの場合、私が幼児教育専門ということもあり、息子が小さい頃から意図的にごっこ遊びを取り入れてきました。「バースディーパーティごっこ」は、息子が3歳の頃、約半年くらい続いたんです。小道具や設定をどんどん膨らませていって、いろいろなバージョンのバースディパーティをして、とても楽しかったです。

カラフルな粘土や積み木でケーキづくり
家にあるおもちゃを箱に詰めて、プレゼントごっこ
プレゼントを売るお店屋さんごっこ
ぬいぐるみのお客さんを交えてパーティ
パースディ会場のデコレーションづくり

今となれば、懐かしいです。飛行機ごっこも、さらに発展していくと、楽しいだろうなあ....。この年齢になれば、息子のアイディアにお任せです。
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アメリカ人になりたい息子

2007-12-05 07:22:32 | 自閉症アメリカ教育事情
 今朝、11歳の息子は鏡を見ながら、髪の毛を金髪に、せめて茶色に染めたい、と言い出しました。正真正銘のアメリカ人になりたいそうです。

 そして、ママが日本人じゃなくて、アメリカ人だったらなあ、と愚痴をこぼし始めました。これは、今までにもあったことです。自閉症を持っているだけでも、人と違うのに、日本人のアイデンティティまで抱え込めないということらしいのです。

 それを聞いてた9歳の娘は、「私は半分日本人でよかったと思っているよ~。友達だって私から日本語習いたいっていってる」とほっとする言葉をいってくれました。母親の気持ちを少し軽くしようという娘なりの思いやりです。

 学校で、アメリカ至上主義を教えられているとは思いませんが、大多数の子どもが白人系の学校では、子どもたちや先生の意識も偏ってくるのでしょう。アジア系の子どもたちは、いくら勉学に優れているといっても、見た目に小柄だったり、英語が第二ヶ国語だったりすると、どうしてもDifference (違い)ではなくDeficit(欠陥)という視点で見られてしまうのかもしれません。子どもはそういう感覚に敏感です。

 アメリカ人のオットと結婚している私は、これまで2度ほどアメリカで「おめでとう」と言われたことがありました。最初は、移民権を取ろうと苦労しているベトナム人のご夫婦。伴侶ということでほぼ自動的に移民権をもらえた私がうらやましかったのでしょう。それからオットの従兄弟からも、アメリカ人と結婚できてラッキーだったねと言われました。これは、アメリカNo 1のニュアンスが漂うコメントです。こういう人ばかりだと私も落ち込むのですが、今のところ少数派です。

 息子が今すぐ、日本人のアイデンティティを受け入れるようになれるとは思いませんが、成長とともにBiracial childとして生まれたことのプラス面を発見していって欲しいです。
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自閉症児のこだわりとのつきあい

2007-11-13 07:25:54 | 自閉症アメリカ教育事情
 自閉症の特徴の一つに、「執着」「こだわり」があります。うちの息子の場合は、今「飛行機」に夢中で、会話の内容はそればかりなんです。

 私たちが興味を持っていようがいまいが、いろいろな飛行機の型や種類、ある都市から都市への飛行時間、機体の設備、等についてどんどん質問の洪水です。1日に同じ質問が何度も繰り返されるので、答える方も疲れちゃって、いい加減な応答になってきます。

 その度に、親として自己嫌悪に陥ります。なんで、もう少し親切に応じてあげられないんだろう....これはジレンマですね。毎日同じような内容の会話が連続するので、くたびれてしまいます。でも子どもの好奇心の芽を育ててあげられない自分に歯がゆさを感じてしまいます。

 今息子は、飛行機のシュミレーションのPCゲームにはまって、飛行機の操縦の仕方を自学しているんです。飛行機を全米あちこちの都市に飛ばして、架空の旅行を楽しんでいるんです。夢があっていいなって思うんだけど、現実逃避なのかな??わからないことは、インターネットで調べてダウンロードして、その向学心には親も脱帽!です。

 好きなことや得意なことは伸ばしてあげたいんですが、行き過ぎた時、そればっかりになってしまった時には、心配ですね。そういうこともあって、今日の午後〔祝日で学校はお休み)は興味の矛先をかえ、今から息子の大好物のチョコレートチップクッキーを一緒に焼こう!って誘いました。食べ物でツルことが得意な私です。
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孫から学びました

2007-10-17 20:20:29 | 自閉症アメリカ教育事情
読書の秋ですね。
孫の自閉症を知ったときから私の読書の分野が広がりました。
11冊の読書ノートから抜粋した関連の本です。
教えられ、励まされた本に感謝です。

「合言葉はノー・プロブレム」阿部よしこ著
 (自閉症の子らカナディアン・ロッキーへ)
「わが子ノア」ジョシュ・クリーンフェルド著・米谷ふみ子訳
 (自閉症児を育てた父の手記)
「過越しの祭」米谷ふみ子著
「自閉症だったわたしへ」ドナウイリアムス著
            河野万里子著
「わたしは息子から世界を学んだ」桐生由美子著
おばあちゃんの孫育ち」門野晴子著
関連の本を探していらっしゃる方の参考になればうれしいです。

最近読んだ本で心に残ったことばを書き添えます。
 「障害を持っている人は私が受け取ったかもしれない障害の遺伝子を私に代わって受け取ってくれた人です。障害を持った人が快適にすごせるように私たちはできるかぎりのことをしなければならないと思うのです」(柳澤桂子いのちのことばより)
 
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IEP と心理学者との面談

2007-10-16 04:50:06 | 自閉症アメリカ教育事情
 先週は、引越し先の新しい学校で、息子のIEP(個別教育計画)のミーティング。

 IEP はほぼ年に1度の割合で行われているが、親がリクエストしたり、学校側が必要と判断した場合は、臨時で召集してもらうことも可能。息子の場合、私たち以外には、担任教員、特殊教育教員、言語療法士、カウンセラー、そして校長か教頭が加わるが、時には、地区の自閉症専門家やケースワーカーなどの人に頼んで参加してもらったこともある。

 引越しの多い私たちは、これまでいろいろな学校でIEPを経験してきたが、今回はちょっとオドロキ。スタッフの間がギクシャクしていると言おうか、意見が相反して、親としてどう意見を出していったらいいのか、今回は迷ってしまった。自分の子どもの利益を優先するのが親の義務であるが、後からオットと首をかしげて、なんだったんだろうね~?と腑に落ちないような感触。

 その次の日は、息子を連れて心理学者のところへ。前に住んでいた地域には、自閉症専門のクリニックやリサーチセンターがあったが、そういう機関のない小さい町では、まず専門家探しから開始。

 この日のアポですごく気になったのが、息子の多動な振る舞い。小さかった頃はそんなに目立たなかったが、体が大きくなるにつれ、その行動の場違いさを目のあたりに見せられてしまう。

 心理学者の先生の部屋に入るなりに、飾ってあるものに触りだしたり、ソファーのあちこちに座ったり。しばらくすると、その先生の隣に突然座りだし、親の私をはらはらさせてしまう。

 こういう新しい場所に行ったり、新しい人に出会うのが嬉しいらしいが、体が必要以上に反応してしまうみたいで、飛び跳ねているような応答の仕方。訓練次第で改善されるんだろうかと不安になってしまう。

 人の目が気になってしまう、私の受け入れの器が小さいからなのかも。傍目では、障害児に見えない息子は、「お行儀の悪い子」に見られてしまう。同時に、私たち親は、「しつけのできない親」に見られる。これは、軽度の障害児を抱える親たちの共通の悩み。以前、子どもの服に、「ボクは自閉症です」というような内容のラベルを貼るといった対処の仕方を聞いたことがある。しかし息子は、障害児に見られたくないので、これがまた、事をややこしくしてしまう。

 一人立ちさせたい、というのが私とオットの息子への願いであるが、それに向けての道のりが、まだまだ長いというのが実感。
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「妹、売ります!」

2007-10-10 04:54:45 | 自閉症アメリカ教育事情
 


 Sister 4(for) Sale、日本語に直すと、「妹売ります~」。

 これは、息子のお気に入りのTシャツの1つ。お店には、これ以外にも、「兄貴、売ります」とか「ボクの犬が宿題食べたんです」っていうような、兄弟げんかや言い訳の種になるようなジョークのシャツが売っているのです。

 イラストの妹のびっくりしている姿がまたウケるらしくて、どこに着ていっても、みんなに「I love your shirt!」ってホメられるのです。娘はかんかんに怒ってるけど~。

 みんなにcool(かっこいい!)って言われてみたい年頃の息子。以前は、自閉症の息子がそんなこと思ってるなんて、気づかずにいたんだけど・・成長するにつれ、そういう複雑な思いが入り混じってくるのかな?だんだん親の評価より、友達の評価が気になる年頃。うまく思春期を迎えてくれますように~。
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自閉症の診断

2007-10-05 04:05:32 | 自閉症アメリカ教育事情
 私の院のアドバイザーに、自閉症の職業訓練のことを話してたら、彼女のオットの弟さんは、53才になって初めて、高機能自閉症と診断されたとか。

 こういう人は、かなり多いそう。自閉症という障害があまり知れ渡ってなかった時代には、どこか違う風変わりな人、人づきあいの下手な人という受け皿があったのかもしれない。

 しかしこの人は、職業は持つものの、独立して暮らすことが難しいらしく、年老いた母親との二人暮し。家族は、もっと早く分かってたら一人立ちできたのかも、と後悔する。

 昨日紹介したJerry Newportはレインマンの映画を見て、自分がアスベルガであることを知り、初めて診断してもらったそう。それから、アスベルガの人たちのサポートグループをカリフォルニアのロングビーチでスタートし、そこで将来の伴侶Maryに出会う。そのラブストーリーは、2005年に"Mozart and the Whale" (モーツアルトとくじら)というタイトルで映画化。http://www.mozart-kujira.jp/ 私は彼の講演の方が面白いように思ったけど、こういう風にして、世の中の人に分かってもらえるのはいい事。

 うちの息子の場合も、自閉症の診断にはなかなか時間がかかった。まずバイリンガルの環境で育った子どもの場合には、言葉の遅れと言語環境の相関関係を排除してからじゃないと、正式に診断できないとか。

 それから、アメリカの現在の医療制度の中では、入っている保険によって、どんな専門家に見てもらえるかどうか、左右されてしまう。息子が3歳の時、その発達の遅れが気になった私たちは、まず小児科のお医者さんに専門家を紹介してもらおうと思ったが、その専門家(心理学者)とアポを取るには1年待たなければと言われてしまう。3歳児の発達の中で、1年間とはあまりにも長すぎるのでは??とショック。

 いろいろなことがあった中で、息子は5歳の時にPDD(広汎性発達障害)と医療機関で診断され、それ以来、さまざまな医療、福祉、教育機関のお世話になり、受けた恩恵は計りきれない。10年前生まれてたら、20年前に生まれてたら・・・って考えると、息子にとって、今みたいに普通学級で授業を受けるなんて夢だったに違いない。

 診断には、家族の側の心理的な痛み(自分のせいでこうなってしまったのか?これから一体どうなるの?)が伴う。私たちも随分お互いを責め合う夫婦喧嘩をしたり、将来を絶望して悲しんだりもしてきた。けれども、前に進めたのは、サポートしてくださったいろいろな人たちとの出会いがあったおかげ。
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自閉症の息子の将来

2007-10-04 05:11:13 | 自閉症アメリカ教育事情
 先週は初めて、この地区の障害児の親のための情報提供の会に参加。たまたま学校主催の会と地域コミュニティ主催の会があって、両方ともに顔を出す。一緒に連れていった我がコドモたちは、美味しいクッキーがただで沢山食べれて超満足!しかもYMCAのお姉さんたちが面倒見てくれたので、親も安心してセミナーに出席。

 最初の会は、子どもの通う学区の特殊教育やスペシャリスト(言語療法士など)の先生たちとの顔合わせの会で、小中高の校長先生やスクールカウンセラーも加わり、親としては頼もしい限り。子どもを目にかけ、気にかけ、理解してくれる人が複数いる環境の中では、うちの子も伸び伸びとやってけそう。

 次の会は、障害児が高校を卒業し、その後社会でどうやって生活していくか、その移行を援助することを目的としたセミナー。小学校5年生(11歳)以上の障害児の親を対象とした会で、その位の年齢から親は準備すべきだと教えられる。

 たとえば、障害児の子どもが18歳になった時、親が後見人となって、財産の管理、結婚や仕事などの決断に関与する権利を持つかどうか、考えていかなければならないそう。また政府からの金銭の補助(ソーシャルセキュリティ)や医療保険等も受けられるかどうかということも、もし自立して職業を持つことが不可能な場合は考慮が必要。それから、そういう子どものために残す親の遺言や貯蓄についても考えなければならないそう!なんか遠い話のようだけど、今から心構えしなければならないらしい。
 
 私たちのように高年齢で「親」になった者にとっては、うーん、遺言なんて先の話じゃないのかも。うまく自立して職業を持ってくれたらいいんだけど、それも親や学校のサポート次第で決まってくるようなカンジ。もちろん本人次第だけど。

 私たち夫婦は、何度か自閉症のセミナーやワークショップ、学会に参加してきて、Temple Grandin, Jerry Newport, Tony Atwood, Steven Gutsteinなどの自閉症を持つ人やその治療にあたる人のお話を聞いてきました。Temple GrandinやJerry Newportなど、自閉症を持ち苦労しながらも、その体験を本にしたり世界各地で講演している前向きな姿を見ると、親としては大きなエネルギーをもらったような気持ち。しかもこの人たちは、愛すべきキャラクターを持っているっていうか、みんなを引き込んでしまうようなパーソナリティで、息子もそんな風に育ってくれたらって思うのです。

 息子の人生も1つのかけがえのない本。成長とともに、authorshipは息子に移っていきます。自分の人生を、息子自身いとおしく思えるようなバックアップをしてあげたいです。

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自閉症児の悩み

2007-09-25 13:47:54 | 自閉症アメリカ教育事情
「僕はみんなとおんなじになれるよう、一生懸命がんばっているんだよ」
11歳になったばかりの軽度の自閉症の息子の言葉。なんだかとてもいじらしくなって、思わずほろりとしてしまったが、そんな風に息子は必要以上に肩の荷を張って毎日生活している。
「僕、自閉症に生まれたくなかった。みんなとおなじように生まれたかった」これも息子の言葉。どんな慰めや励ましの言葉も、そういう息子には素通りしてしまう。これも成長の一つの節として見守るしかないのかと思ってしまう。
そういう息子に強く生きて欲しいと思い、私は必要以上にスパルタママをやってしまう。数年前、カウンセラーに「お子さんを守るより、自立させるように育ててあげないと。いつまでも親は一緒にいられないんだから」と言われた時はぐさりときたが、妙に納得してしまう。
それ以来、障害を意識せずに厳しいママを演じ続けてきた(というか本来の私の性格なのかも)。
特にピアノの練習を見てあげる時なんかは、私は鬼そのもの。時々涙を浮かべる息子にお構いなしに、できるまで何度もやらせてしまう。何でもすぐに自信をなくしてしまう息子に、1つでも自信を持てるものを身につけてあげたいと思っているから。
 
今日はそういう息子に嬉しいニュース。先週行った標準テストで、全ての科目で平均以上の点数。しかも、息子の通っている学区は全米100に入る程、かなりレベルが高い。こんなことは息子の人生で初めてのことで、それを知った息子の笑顔が輝いていた。選択式のテストだったから、まぐれだったのかな?勘がいいのかな?とも思ったけど、やっぱり息子ががんばったんだ~。
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息子の誕生日

2006-08-15 11:01:55 | 自閉症アメリカ教育事情
 数日前、息子は10歳になった。二桁台の年齢への大きな転換を迎えたせいか、親目からは体も一回り大きく見え、心も昔以上に複雑に成長したように見える。
 去年の息子の誕生日は、腑に落ちない一日になってしまった。その半年前にある自閉症で名の知れたジャーナルに息子のことを縦断的にまとめた論文を投稿したが、不採択の知らせをもらったのが、偶然にも息子の誕生日だった。3人のレビューアーの判断は、不採択、修正または不採択、採択と大きく分かれてしまったが、結果的にエディターが出した答えは不採択だった。がくんと落ち込んだ私は、レビューアーのコメントを斜め読みにしかできないくらいに悲しかった。息子は、投稿前から自分のことが出版されるかもしれないと、心待ちにしていたので、その夢をかなえてあげることができない自分の無力さを痛感した。
 先日、久しぶりにレビューアーのコメントやエディターからの手紙を読み直してみた。時間がたったこともあって、内容が好意的、前向きに読み取れたのもあり、もう一度トライしてみようという気持ちになった。今度は、違うジャーナルへの投稿になるが、挑戦する過程が大切だということを肝に銘じて、気長にやっていこう。
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