私たちに万が一のことがあった時に、自閉症の息子が困って生活しないために、遺言やお金を残してある、というようなことを説明すると、「だいじょうぶ、私がちゃんと面倒見る!」との嬉しい言葉。
「ケンカばっかりしているけど、大丈夫なの?」と聞くと、「たまにはケンカをすると思うけど、ちゃんと世話してあげるから」との返事。娘の考える世話は、おままごと感覚なのかもしれないけど、それでも障害者の兄を持つことを重荷と考えず、前向きにとらえてくれていることは嬉しい。
学校で、Life listと称し、生涯でやってみたいことの32のリストをタイプして作成した息子。面白いと思ったのは。。
大きい夢を持つのは、頼もしい~。幾つぐらい、叶うんだろう??
感謝祭には旅行にでかけてしまった私たちは、10日おくれで感謝祭のディナーを準備することにする。
息子ははりきって、メニューを作る。Microsoft Office Publisherを使って、手作りメニューを作ってみる。
息子が考えたのは、下記のメニュー。時には妹からアイディアをもらったりインターネットで調べたりして、自家製レストランのできあがり。
Appetizers
Salad (with choice of dressing)
Green bean salad (no dressing) $2.50
Standard salad $2.50
Vegetarian delight $2.50
Choice of dressings: ranch, fat free ranch, 1,000 islands, Japanese dressing, French dressing
Soups
Soup of the day $4.50
Chefs choice price $4.50
Italian vetetable soup $4.50
Zuppa Toscana price $4.50
Spinach Bouillabaisse $4.50
La soupe a L'oignon $4.50
Main Course
Standard thanksgiving meal: Turkey, mashpotatoes, turkey stuffing, cranberries, $8.99
Vegetarian thanksgiving meal:Ham, sweetpotatoes, vegetarian stuffing, canberries, $8.99
Desserts
Vanilla ice cream $2.50
Pumpkin pie $3.50
Fruit and cheese $2.50
Apple pie $3.50
Pie sample (2 of each) $5.00
Beverages
Wines and beers
Buganda (red wine) $3.50
Semilollon Chardonnay (white wine) $3.50
Zinfandel (red wine) $3.50
Bush light $2.50
Other beverages
Coffee $1.50
Tea $ 1.50
Orange juice $1.50
びっくりしたのは、値段のつけ方がうまい!日ごろから、レストランのメニューに注意を払っていることがわかる。
メニューは4ページに渡っているが、最後のページが飲み物になっているところや、前菜でスタートするなど、レストランの基本をマスターしているところがスバラシイ。
でも笑ってしまったのは、サウザントアイランドドレッシングが1000アイランドになっていたり、ベジタリアンのメニューにハムが入っていたり、そういうところが子どもらしい。ベジタリアンのメニューはわざわざ私のために作ってくれる。
スープの欄に出ていた、フランス料理っぽいスープは、インターネットで調べたらしい。ゼンゼン意味はわからないけど、高級レストランらしくするために付け足したそう~。
そういうこともあって、楽しい感謝祭。
高機能自閉症の息子のここ数年間の癖は、親と腕を組んだり、肩に手を回したりすることだけど、身長がだんだん高くなるたびに、私たちの方に違和感が湧いてくる。
12歳で現在身長が約158センチの息子は、私と歩いていても、オットと歩いていても恋人同士に見えないこともない。
最近オットは、こういう風にして歩いていると周りの冷たい視線をひしひしと感じるらしい。若い男の子をたぶらかしているゲイのおじさんに見えるのではと心配する。ハーフの息子とオットとは親子に見えにくいので余計そうなのかも。
私も息子が腕を組もうとすると、思わず手を振りのけてしまう。愛情の表現なので、拒否してかわいそうと思うんだけど、やっぱり違和感を感じてしまう。そういう社会常識みたいなもの、教えていてもつい無意識で行動してしまうらしい。
前にも述べたが、自閉症児は「ほどほど」という曖昧な加減が分かり難いので、完ぺき主義に陥りやすい。
息子のはなしによると、昨日の算数の試験の点数が、100点満点中75点(C-)だったらしい。これまでずっとAばかりの点数をとってきた息子としてはショックでクラスでずっと泣き続けたそう!そういえば、泣きはらした目をしている。
この算数のクラスでは、C以下の点数がついた場合、やり直しができるそうで、その結果全問正解だと、80点(B-)として成績表にのるらしい。人生には、うまくいかない時もあることを体験し、小さな挫折体験がプラスに働くような援助をしてあげたいんだけど、ナカナカ難しい。
息子は6歳頃から、オーバーリアクションといおうか、物事がうまくいかない時には、「死んでやる」というように徹底的に落ち込む傾向があった。ちょっと叱っただけでも、人生に疲れてしまった......、というような反応の仕方だったので、専門家に相談したこともある。
アバウトに生きることが難しい自閉症の人たちは、どのように対処しているのだろうか?
昨日、息子がなんやらコンピューターでタイプしている様子。見てみると、掲示板に書きこんでいる様子。
4週間前に自分のおこづかいをためてAmazon.comで買った、Roller Coaster Tycoon 3 Soakedがうまく機能しないので、質問をオンライン・フォーラムで作成して、回答を募っているらしい。
えーっ、そんなことしていたなんて、とショックと同時にその能力にもびっくり。結構回答が集まっているそうだけど、殆どはある1人の人とのメールのやりとりらしい。
返事を書いている人たちは、息子が12歳になったばかり、ということは夢にも思っていないに違いない。親としてちゃんと目を配らせていないと、すごく危険な気がする。
アメリカでは、小学校高学年くらいからEmailのアカウントを与えて、友達や先生とのやりとりをすることもあるが、それ以外の人からメールがこないかどうか、管理することも大切。
うちの場合は、Cybersitterをいれ、ポルノやギャンブル、暴力のサイトが見れないようにしているが、Eメールの場合は、どうするんだろう??そして今回のオンライン・フォーラムなどは、親にとっては思いもかけない落とし穴。
便利な世の中になるにつれ、親の仕事も思いがけないところで増えそう!
木曜日には、午前は息子をカウンセリングにつれていき、夜は学区の特殊教育の親へのミーティングに出席。
ミーティングには、学区長、特殊教育のディレクター、スクールカウンセラー、高校長などが集まり、親は10人程度。いつも思うが、親の出席は非常に少ない。皆忙しいのもあるだろうし、学校の代表の人たちと合うのはなんとなく気を引ける人もいるだろう。
障害児のオリンピックへの参加の招待、YMCAによる障害児のためのプログラム、親へのサポートプログラムの紹介、などが主なテーマ。こういう会に出席すると、情報がいろいろもらえるし、関係者に顔を覚えてもらえるので、いざ何かあった時にきっと役に立つと思っている。
来週は、このカウンティの障害者のための様々な行政機関のワークショップが開催される。障害児が成人になった時の、保証人や遺言、保険、職業訓練、キャリアの選択などについて、専門家より話を聞くことになっている。
子どもが義務教育の間は、いろいろなサービスを受けることができるが、それ以降の年齢では親があらかじめ主体的にリサーチし、関係機関に問い合わせていかないと、サービスを受けることが難しいということらしい。たとえば障害者のためのグループホームなどは、かなりのWaiting listらしい。
英国のある研究では、高度の自閉症の人たちでも、ひとりぐらしすることが難しいと報告されている。私たちの場合、息子が独立できるか、私たちと同居するか、その選択範囲がまだ不明であるが、早くより心構えが必要と思っている。
自閉症児には、完ぺき主義者が多いと聞いたことがあるが、うちの息子もその傾向あり。ほどほどという曖昧さを把握するのが苦手だから、とどこかで聞いたような気がする。
サックスフォーンを始めて2日目。学校でうまく弾けなかったのが悔しい(悲しい?)からと、毎日重いサックスフォーンを持ち運びし,家で練習する。30分間、息切れ切れになりながら、音階を練習する息子の姿が頼もしいような痛々しいような。。。
私も同じ立場だったら、そうするかもしれない。周りの生徒たちに比べてうまく弾けないと、皆に悪いような気持がするだろうし、プライドも傷つけられるし、練習してうまくなりたい、と思うに違いない。
そういう小さな試練が、中学生活では断続的に起こっているみたいで、息子は心身共に憔悴。今日は、社会の授業で風船をふくらませなければならなかったらしく、前の晩から、「ボクちゃんとふけるかな?」と心配して眠れなかった息子。友達に頼んだら?と提案してみたが、恥ずかしいのかプライドが傷つけられるのか、トラブルになると思うのか、そうはしたくないらしい。
疲れきっている息子の姿を見ながら、自分の仕事を減らし、もう少し親身になってサポートしてあげたいと、親として思う。
アメリカでは、子どもがどのような質の特殊教育を受けられるかどうかは、親の出方次第だということを、経験から学んできた。
熱心(Involved)な親という印象を最初に与えることで、学校側もそれに応じようとできるだけ教育資源を提供してくれる。
もちろん、学校や教育者への心からの感謝を忘れずに、あまり押し付けがましくならないように、学校側の出方を読みながら動いていかないと、嫌われることもある。
息子の中学生活が始まる前に、特殊教育の先生とメールでアポをとって、息子と3人でミーティングを持った。息子が学校が始まることに不安感を持っていることを伝え、かつIEPがきちんと息子のカリキュラムに繰り込まれることを再確認したい、というような意思を伝えると、快く応じてくれた。
とても親切な先生で、息子からの質問にすべて丁寧に答えてくださっただけでなく、校舎を一緒にまわり、一人ひとりの先生に息子を紹介してくれる。さらに、朝登校した時に自分の居場所がなかった場合には、いつでも自分の部屋を使っていいわよ、とまで言ってくれる。
たまに学校任せにしておくと、子どもがどのような特殊教育のサービスを受けているのか、まったく分からないことも多い。そういう経験もあって、適度に学校に顔を出し、先生たちとコミュニケートすることは大切だと感じている。息子への利益だけでなく、私自身もいろいろな人たちにサポートされて、親として育てられていることを実感する。
今日は2週間ぶりに、息子を心理学者とのアポに連れて行く
隔週に1度の割合で、隣の市(同じく州立大学町)のクリニックへ。このEducational and Psychological Servicesは州立大学付属機関で、息子をカウンセリングしてくれる先生も時々大学で授業を担当しているとか。専門は、アスペルガの人たちの職業訓練らしい。
親(私かオット)との面接が10-15分、そして息子との面接が30分といった具合。今回はそろそろ思春期にさしかかった息子の変化などを中心に話してみる。私が博士号を取ったばかりと息子から聞いたようで、最初の時間は私の将来計画についての質問が中心。やはりカウンセラーは、聞き上手で、うなずいて何でも聞いてもらえるとついつい自分のことをしゃべりまくってしまう。。。
去年引越しし適応に時間がかかってしまった娘も、このクリニックで長らくお世話に。ストレスや不安などの患者を専門にしている先生に娘はカウンセリング(というか、一緒にゲームしたりクラフトして遊ぶらしい)してもらっている。先生いわく、娘は自閉症の息子の影響もあり、Boundary(境界線)がはっきりしていないらしい。そういうことで、娘と息子を変わりばんこにカウンセリングに連れていく生活。
保険が適応され、1回につき10ドルの自己負担なのがせめてもの救い。。。もし全額自分たちが払わなければならないような状況だったら、親の方がストレスでカウンセリングが必要になりそう!!!