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心臓外科医-僕が医療現場をあえて世間にさらけ出す理由

2008-08-15 | その他
心臓外科医―僕が医療現場をあえて世間にさらけ出す理由
南淵 明宏
講談社

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 この前に読んだインド伝承医療(アユール・ヴェーダ)について書かれた”生命礼賛”では、西洋医学の限界について考えさせられた後、西洋医学的な方法の最先端の現場である心臓外科手術や医師をめぐる状況を読んで、またまた、うーんと考えさせられてしまいました。

 

 

 著者は、奈良県立医大卒業の医師。大学病院や国立循環器病センターを経て、このままでは心臓外科医としての十分な手術経験が詰めないと、自ら日本を飛び出してオーストラリア、シンガポールでトレーニングを積んだ後、日本に戻られて、現在神奈川県の大和成和病院心臓病センター長として、日々患者に向き合ってガンガン手術をされているようです。

 

 

 世界に向けても、患者に向けても開かれていない医師の世界を本当に辛口でテンポよく書かれていてあっという間に読めてしまいます。

 

 

 心筋梗塞や狭心症はとてもよく聞く言葉なのに、臨床外科手術の十分な経験を積んだ医師が不足している?産婦人科や小児科では医師が足りないのに、心臓外科では医師余り? と、信じられないような現実。そして、臨床をガンガンやる医師より、論文を沢山書いた人が教授になる?

 

 

 大学病院改革があって、日本の医療現場も少しは変わったかもしれませんが、これは患者もよくよく勉強しないといけないなぁ・・・と思いました。

 

 

 私自身昨年、初期の子宮ガン手術を受けましたが、その時には、インターネットで病気や経験者の情報を調べまくりました。しかし病院や医師個人の成績や評判などはほとんど得られませんでした。私が最初に診察してもらったのは地域の中規模病院で、担当医自身がインターネットでホームページを個人的に開設し、情報を開示されていたのでそれを信用することにしましたが、いくら珍しくない手術でも決心するまでにいろいろ悩みました。知り合いからは大きな病院に行けと何度も言われましたが、本書を読んでみると、やはり大病院は怖い。

 

 この本を読んで、もし自分が心臓外科手術をうけることになったら南淵先生に執刀してもらいたいなぁという気持ちにはなりましたね。ただ、本書の中で先生は、オーストラリアの医療現場をとてもすばらしいものと評価されておりましたが、旦那(オーストラリア人)の知り合いで、病院で事務方として長く働いておられた方は、”もしも、この国の病院の現実をしったら、恐ろしくて病院に行けなくなるよ”と言っておられたようで、そういう意味では、どんな国にも問題はあり、逆に日本の医療の現場でもすばらしいと評価されることもあるんじゃないかな・・・という希望的観測ではありますが、感想ももちました。

 



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