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読書日記です。っていうほど読書量が多いわけではないけれど。。。

フランクル 夜と霧

2013-12-14 | 評論

フランクの心理学では、

「あなたの内側に何かを探し求めないでください」

「あなたの心の内側をのぞき込まにでください」と言います。

そして、次のように問うていくように促すのです。

「この人生から、あなたは何をすることを求められているのでしょうか。」

「この人生で、あなたに与えられている意味、使命はなんでしょうか」

「あなたのことを必要としている誰か、あなたのことを必要としている何かが、この世界にはあるはずです。その誰かや何かに目をむけましょう」

「その誰かや何かのために、あなたができることには何があるでしょうか」

 

フランクル『夜と霧』 2013年3月 (100分 de 名著)
諸富 祥彦
NHK出版

 

  少し前にアマゾンのページで、死ぬまでに読むべき本100冊

 (だったかどうか全く自身がないのですが)というような特集があり、

 自分が読んだ本が何冊くらいあるかなぁと思いながらつらつら見ておりますと、

 「夜と霧」という(恥ずかしながら)全く聞いたことのなかった作品名があり、

 ホロコーストを経験したユダヤ人心理学者の著作だということで、

 さっそく図書館に申し込んだところ、届いたのが本書でした。

 「夜と霧」ではなくて、その解説本で、なんだ・・・・とすこしがっかりしましたが、

 とりあえず読みやすそうなので、読み始めると

 1時間ほどで一気に読めてしまいました。

 そして、「夜と霧」を読む前に、こちらを読んでよかったと思っております。

 (といっても、「夜と霧」はまだ読んでないのですが)

 フランクルの作品に大きな影響を受けたたという著者のプロフィールをみますと

 明治大学文学部教授にして、教育学博士、臨床心理士、

 「時代の精神と戦うカウンセラー」とありました。

 私は、本の中の人物の心の弱さには寛容でいられても、

 現実の世界で、自分の周囲の苦しんでいる人に対しては、

 ”自分のようなものには理解できない”といつも距離を置いているし、

 どこかで、弱虫って思っているような、卑怯者です。

 その裏返しで、自分が悩んだ時も人に相談するという発想がなくて、

 カウンセラーという職業にも酷く懐疑的だったのですが、認識が変わりました。

 若いころは、結構自分自身の事で、ウジウジ悩んだりしてましたが、

 年を重ねるにつけ、悩みを抱えるのが面倒になってきて、

 できるだけ悩まない、苦しまない道を選ぶことが、スマートな生き方だと

 思っていた節があります。

 そして、50歳を超えた今振り返ってみると、 随分薄っぺらら人生だったと

 気づいたのですが、若いころに、この本(「夜と霧」のほうですが)に出合っていたら、

 悩みから逃げるのではなく、もう一つ上のレベルに引き上げて、

 人のために悩むということができていただろうに・・・。

 そういう意味で、もし悩みの多かった高校生の頃に戻って、

 著者のようなカウンセラーの人にあっていたとすれば、

 人生変わっていたかもしれないのだなぁと思いました。

 ちなみに、私の旦那は、悩むことが趣味じゃないのと思うほど、

 悩みの多い人ですが、一緒に悩むという訓練ができていない私の

 ある意味、突き放した、冷たいアドバイスでも、ありがたいと言ってくれる人です。

 そして、そのことでまた自分は、別に救いが必要だと思っていたわけではないのに、

 救われているのだと思います。

 「人生は決してあなたには絶望しない」

 というフランクルの言葉通り、わたしにも人生はこんな役目を与えてくれたんだなぁ

 なんて思ったりして・・・。

 ”愛”ってやっぱり地球を救いますね。

 (「夜と霧」はその悩み多き旦那(日本語が読めない豪州人)と一緒に読めたらいいな

 ということで、英語版を入手したのですが、さてさて読み切ることができるでしょうか)

 



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