『しびれるくらいに面白い!』というコピーに惹かれて、買って読みました。これは、誇大広告ではありませんでした。ほんとおもしろかったぁ。
東大大学院で講師をつとめる著者が、ニューヨークで日本人の高校生に行った脳の講義が本になったものです。結構話題になっていたようなのですが、全然知りませんでした。
人間の脳って、想像していたのと全然違いました。
意識と無意識の違いについて、はじめは、両者の中間的なものの存在は認めるけれども、かなり大きな違いがあると思っていたのです。しかし、本書を読んで、両者のボーダラインがかなり揺らぎましたねぇ。というより、無意識の存在がこんなに大きかったとはと、本当にビックリしました。自分の意思で決めていると思っていたことが、急にゆらぎますよ~。
そういう、わかってきたことを、わかってきた結果を講義するのではなく、どんな実験を通じてそういうことがわかってきたかということが書かれています。様々な研究論文を引き合いに出されていて、それらを読んだときの著者自身のワクワク感が伝わってくるし、とてもわかりやすい。
私がびっくりしたのは、人間の目はデジタルカメラにたとえれば、100万画素程度だということ。100万画素のカメラでとったものをリアルサイズで印刷すればそれはそれは粒子が粗いですよね。でも人間の目にはきれいに見えているのは何故か。それは脳が情報を勝手に補っているから。これが結構、無責任に補っているのですねぇ。錯覚なんかが生まれるわけですよ。
記憶についても、脳の神経線維の仕組みやアルツハイマーについての親切な説明を通じて、認識を新たにしました。また言葉と脳の関係も意外。言葉が感情を生むんですねぇ。
いやいや、語りだせばきりがありません。とにかくしびれるほど面白かったです。