エネルギー革命 メタンハイドレート (家族で読める family book series 003) (家族で読めるfamily book series―たちまちわかる最新時事解説) | |
松本 良 著 | |
飛鳥新社 |
今も、原発事故が続いていて、やはり一番気になることです。
残念ながら、化学も物理も数学も、とにかく理系が苦手な私には、原子力のなんたるかもわからないのが、悔しい。
それでも、原発がいるのかいらないのかを少しでも考えるための延長線上に、エネルギー問題があるということくらいはわかる。
日本が世界を敵に回してしまった、昭和の戦争のときだって、やはり石油問題が大きかったのだし。
ということで、少し前から気になっていた、メタンハイドレードについての本を図書館で見つけて読んでみました。
なんといっても、家族で読めるシリーズということで、理系音痴の私にも読めそうだし、93ページの本で、字も行間も大きいというのは、ハードルが低い。
ということで読んでみました。
もちろん、私レベルでさっと読んでわかるというわけにはいきませんが、それでも、なんとか、ベーシックな知識は得ることができました。
超要約すると
・メタンハイドレードは天然ガスの氷
・日本周辺の海底にたくさん眠っていると期待できる十分な証拠がある
・日本は、この研究に2001年から毎年40億円程度の国家予算を割り当てて、世界のトップを走っており、2018年に商業生産をめざしている
・メタンガスは、燃やしたときに出るCO2は、石油や石炭よりは少ないが、ガスそのものの地球温暖化係数はCO2の23倍
・掘り出したときに、海底を不安定化する可能性もあり、CO2、地球温暖化ガス問題と併せて環境問題への取り組みは重要である
という感じでしょうか。
著者の専門は地質学(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教授)。中でも「堆積学」という分野で研究をされていて、海底掘削物の分析をしている中でメタンハイドレードと出会ったのだそうです。
ということで、エネルギーの専門家ではありませんが、タイトルからわかるように、メタンハイドレードに大きな夢を描いておられることは間違いありません。
しかし、すごい!と興奮する反面、メタンハイドレードを掘り出すことにより、海底での地滑りなどを発生させる危険があり、そうなると津波を引き起こす可能性があるという指摘は、この時期だけに、うーんと唸ってしまいました。
それに、このメタンハイドレードは、プレートの境界あたりに多くあるようだし・・・。
本の帯には、”日本のまわりは宝の山 悲願の自国資源が実用化される日”というコピーが付いていますが、もしこのことを、たとえば今回の被災地の方々に説明したら、どう思うでしょうか。
大きな禍のもとは、自然の大きな宝の山ということでしょうか。
どちらにしても、日本が資源大国になる日は、簡単には来ないようです・・・。
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