本が好き 悪口言うのもちょっと好き

読書日記です。っていうほど読書量が多いわけではないけれど。。。

愉しい非電化 エコライフ&スローライフのための 藤村靖之

2011-07-02 | その他
愉しい非電化―エコライフ&スローライフのための
藤村靖之(工学博士、非電化工房主宰) 著
洋泉社

 

 この本、ほんと愉しいです。

 もちろん、この本を手にしたきっかけは、福島第一原発の事故に端を発する、電力不足があったからで、自分なりにちょっと深刻な気持ちで読み始めたのですが、とにかく、科学音痴で、仕組みについては良くわからない私も、なんだかワクワクしてしまいました。

 高度成長期を境に、「便利さ」、「快適さ」が求められるようになった電化製品は、現在ではマイコン制御で、自動化が進んでいる。この先にある(あった)のは、オール電化で、人間が何も考えなくても、安心で安全な生活環境を提供してくれるという世界・・・。

 だけど、少し考えてみれば、矛盾だらけ。

 軽いホコリを吸うだけなのに、1000Wの掃除機。(1秒間に1gのホコリなら、100、000m 運んじゃう仕事率の道具です)

 リモコンで操作するために、使ってなくても待機電力を使うテレビをはじめとする製品。待機電力だけで年間家庭消費電力の10%。(一応、関電のホームページによると、夏ではエアコンのために電気使用量が多く分母が大きくなるためか、4%となっています)

 昔に比べてスーパーの営業時間は伸びているのに、増大する家庭用冷蔵庫。

 などなど・・・。

 著者は、発明家なので、こういう矛盾を解決するために、いろんな非電化製品を考案されています。

 非電化冷蔵庫、非電化空調住宅、非電化除湿機に、ソーラークッカーなど・・・。

 自然の力できちんと動く。

 だから、きっと自然科学や、物理が生活実感として感じられるようになるから、自然への親しみ度が高まりそうな気がします。

 しかも読んでいていいなぁって思うのは、誰でも作れるから、壊れても直せるっていうところです。

 もちろん、誰でもと言ったって、不器用な私には難しい気もしますが、それでも、教えてもらえばできそう。

 今の、電気製品、特に電子制御のものは、故障して修理に出しても、買った方が安いですよって言われるものが多いし、新しく買いなおしたら新しい機能がついてたりで性能が良くなってるし、、物を大切に使うという気持ちが育たないですよね。

 それでも、『エコ』という言葉には、どこか胡散臭いものを感じて反発する人も多い。

 だから、著者の藤村氏がおっしゃるように、電気に代表される今の快適・便利を否定するのではなく、『愉しい方を選ぶ』、っていうことは、とても素敵なコンセプトだと思います。

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