最後の授業 ぼくの命があるうちに ランディ パウシュ,ジェフリー ザスロー ランダムハウス講談社 このアイテムの詳細を見る |
ランディは、”ヴァーチャルリアリティー技術の第一人者”、カーネギーメロン大学の名物教授。最後の授業は、本当に最後である必要はなく、自分の最後の授業だとしたら何を話すかというテーマで講義をするというもので、アメリカの大学で流行っているらしい。しかし、ランディの場合はすい臓がんの再発で余命数ヶ月と宣告された身で、本当の意味での最後の授業になった。自分に何が語れるか考えた末に、『子供のころからの夢を本当に実現するために』というテーマでしたが、大変な話題となったその講義の続きとしてこの本がのこされました。
YouTubeで、実際の講義の様子は最初から最後まで見ることができます。最初YouTubeで見ようとしたのですが、途中でちょっと飽きてしまったのです。で、本で読んでみることにしたのですが、私には、それで正解でした。読み終わったらやはり、実際のランディの授業が聞きたくなって、今度は途中であきることなく一気に最後までみてしまい、2度感動することができましたから。
ランディの書いたものを読んでいると、以前読んだ”ローバー、火星を駆ける”の作者、スティーブ・スクワイヤーズを思い出しました。彼は、やはりアメリカの科学者で、火星にローバを着陸させるプロジェクトのリーダです。このプロジェクトは彼自身の夢で、それを実現させたわけですが、同じ匂いがしました。
端的な言い方をすれば、超ポジティブ。楽観的というのではなく、自分自身の能力を大らかに肯定している人独特の匂いです。そう、自信に満ちている。でも、3人の子供を残して逝かねばならない身で、いくらポジティブになろうとしてもどうしても落ち込んでしまうのは、人間としてあたりまえで、それを本の方ではではより感じられるので動画の時のように途中で飽きずに彼を受け入れやすくなったのかもしれません。
大学で彼が教授から言われた言葉、
「ランディ、君がとても傲慢だと思われていることは、実に悲しい。そのせいで、君が人生で達成できるはずのことが制限されてしまうだからね」
そう、きっと彼はすごく頭がよかったせいでやはり周囲を見下さずにはいられないいやなやつだったんですよね。でも、そういわれた時に、ポジティブだったからこそ、その批判を受け入れる事ができたんですよね。僻っぽい私なら自分への批判を直接言われるたりなんかすると、逆上して、その後相当落ち込むでしょうねぇ。
でも、彼はその批判を素直に受け入れ、仲間の大切さを知ることができた。だからこそ、卒業するときにその同じ教授から、大学院に行って人を教える立場になれと勧められたんですよねぇ。
引用したい言葉はいっぱいありますが、自分の中で発酵するのをもう少し待ってみようと思います。やはり最後に自分が本当に残したい言葉を選んで語ったものですから、きっと忘れたころにふっと熟して落ちてきそうな気がします。
とにかく、若い人、家に引きこもっている人なんかに、ちょっと読んで、見て、ほしいなと思う話でした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます