【毒母もいるし、そうじゃない母親もいる】
前回(→・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その4。)の続きです。
依存症は否認の病だと言われている。
アルコール依存症を筆頭に、あらゆる依存症患者は
「自分は違う」
「たいしたことない」
と認めない。
その人にとっての激的な体験をし、
「もうダメなんだ、自分が変わらなくちゃどうにもならないんだ」
とどん底まで落ちて
「変わりたい、この依存症を治したい、マシにしたい」
と心から強く思う=底つきを得てはじめて依存症回復のスタートラインに立てたと言える。
江美さんの依存症…彼氏のお世話依存症からのレター先生(笑)依存症を回復させるためにも、底つきは必須イベント…。
底つきまに至るために…そう、江美さんの“なりたい自分”になるために底つきが必要であり、引き寄せのステップなのだとスピリチュアル的に解釈可能な道のりなのです。
でもそれはレターのおかげじゃないからね、しつこいけど。
江美さんはお母さんの愛(長い間部屋を綺麗にして待っていてくれた、“ただいま”でしょうと言ってくれた)に触れて
「変わりたい」
と思ったからこそ、あの“なりたい自分”を思い描いたのだから。
雪さん編(太陽くん編でもある)のテーマとは逆で、実は江美さん編においては母親は愛のシンボルだし良い方向へ娘を導いてくれているんですよね。
雪母(愛さん)は毒親で江美母は違うから…。
萌ちゃんのお母さんも愛のシンボルであり、萌ちゃんがダメ恋愛依存→楓依存から抜け出す支えとなった。
萌母のわかりやすい善っぷり・味方ぶりとは違い、江美母の愛はわかりにくいけれど一番現実的な母の愛なのかも。
というわけで、江美を底つきさせることができたのもまたお母さんでした。
やり方はよくなかったけど、これがないと江美は底つきできない。
【お母さんの態度と少ない言葉に想像させるもの】
幸子さんとタケちゃんの間で板ばさみ・ちえママに嫌われたかも(これは江美の被害妄想だが)、でじわじわ弱ってきた江美ですが、これだけじゃ足りない。
お母さんが本気で向き合ってくれたことでガラガラガラーッと破壊がすすむすすむ。
夜遅くまで待っていたお母さんは
「あんたなんで帰ってきたの?
(中略)
あんたは自分のことしか考えない。
周りの人間を見ようともしない、理解しようとも思わない。
(中略)
母さんは施設に入るから。
あんたは今までどおり好きに生きなさい」
と一方的に告げます。
(中略したところもいいから、ぜひ単行本12巻で読んでね)
これでガクーンと落ち込んでしまい、下心がわかりきってて好きでもないのにケチ男(岩ちゃん)とベッドを共にする、騙されたとわかる、幸子も仕事も失いそう…とサクサク落下し、底つきに至る。
ケチ男はどうでもいいから、お母さんの話。
私ねー、この場面に来るまでの江美母の描写ほんとうに見事だなとワクワクしました。
私は江美母の言ってることが真実だとは思わない。
でも全てに、彼女が苦しんできた夫との家庭生活が見える。
そしてそれを江美に最後の最後で八つ当たりしていると思います。
「あんたは自分のことしか考えない。
周りの人間を見ようともしない、理解しようとも思わない」
これってぜったいに江美父=お母さんの夫なんですよ。
彼女は自分を省みない典型的日本のお父さんな夫に絶望していた。
これは彼女が夫に長年言ってやりたかった言葉なのですよ。
でも話が通じないし、田舎のこの世代に離婚なんて御法度だろうし、ただただ耐えるしかない。
自分が娘(江美)をずっと待っていたなら自分の家でもあるんだからたまに帰省させたっていいのに、それをしない。
絶望からの無気力なんでしょうけどね。
それがもう当たり前で、そういう前提で娘の行動を見て解釈するから、
「もういい、私が出て行く」
なんだろうな。
江美が帰ってきてからも、江美は夫と違って話せば聞いてくれる人なはずなのに…。
実際こんなこと(母の「今までどおり好きに生きなさい」)言われて泣いていたじゃないですか。
「お母さん(妻)に興味ない」
ような人は泣かないよ、
「お前が施設入るって、俺の飯や洗濯はどうするんだよ!!」
とかってキレて自分のことしか考えず、ぜーんぶお前が悪い!ってなるのが人の気持ちがわからない人。
だから私としては、この江美さんへのたった1回のお母さんからの話し合い=というか本音言い投げ、は
「夫の恨みを娘にぶつけんじゃないよ」
と考えるものなんだけど…でもこの八つ当たりが最大の贈り物になるんだよねー。
ここからの底付きだから。
っていう解釈で読み直すとまた感じが違う場面だと思うので、ぜひ読み返してみてほしいところです。
【真下へ落ちていく、底へと】
さあ、ここからはドン底へのジェットコースター。
レターのことは単独記事でまた言いたい放題したいと思っていますが、なんで江美がこんなに弱くて被害妄想なのっていうのはレターに弱らされているからに他なりません。
ちえママに勧誘を断れたのも、未来ちゃんにお客さんのセクハラを受け入れないでって言われたのも、江美自身の攻撃なんかじゃありません。
ちえママは
「菜々美ちゃんがいいこなのはわかってる」
と言ってくれているし、未来ちゃんだって
「困ったことがあったらなんでも言ってください」
とまできちんと言葉にしてくれている。
でも弱って思考をめちゃくちゃに癖づけされた江美には甘い褒め言葉以外全て攻撃に受け取ってしまうんだよなー。
実際にストレスやカルトやスピ・霊感商法の被害にあってる人はこんなもんじゃないですけどね。
もっともっとヤバい精神状態になるものだ…まあでもをのさん(作者)の書きたいのはそこじゃないので、ライトにライトに描いています。
多分この界隈のことはあっさりとしか調べてないだろうし。
話を戻して。
・お母さんに私はあきれられて、見捨てられた
↓
・ママも未来ちゃんも私を嫌ってるかも
↓
・幸子にタケちゃんのことバレたら、幸子も失うかも
↓
・誰か助けてよ…レター先生は運命の男が助けてくれるって言ったのに…
という流れで、今まではあしらえていたケチ男(岩ちゃん)のやっすーい誘導に乗っかっちゃってベッドを共にする、と(笑)。
いやーケチ男好きじゃないから書くのもバカバカしいけれど、本当に全てがせこくてダサいよね。
タダでセック○したいだけで悪びれないこのダサさ。
ケイオニウスさま(『テルマエロマエ』)を見習いたまえと言いたくなっちゃいます(笑)。
なんだけど、ケチ男がチープでダメダメだからこそ江美は再び“なりたい自分ノート”に本音を書き出すのです。
「誰が私を責められるの」
とカリカリノートに本音書きまくるところ。
大事な場面よ~さりげないけども!
実はここでレターの
「笑いましょう」
の洗脳が解けているの気づきました?
辛い時幸せになりたくて、無理やりレターの教えを守って
「笑顔、笑顔…」
と笑っていたエミーがここで作り笑顔をやめている。
むかつくけどケチ男の仕事も大事だったのか…むかつきますが。
…。
さて、単行本13巻に入れたところで、今回はここまで!
おそらく次でラストになるかな。
ここまで読んでくださってありがとうございます
ラストまで頑張ります!
続きを書きましたー。
↓
・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その6。
前回(→・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その4。)の続きです。
依存症は否認の病だと言われている。
アルコール依存症を筆頭に、あらゆる依存症患者は
「自分は違う」
「たいしたことない」
と認めない。
その人にとっての激的な体験をし、
「もうダメなんだ、自分が変わらなくちゃどうにもならないんだ」
とどん底まで落ちて
「変わりたい、この依存症を治したい、マシにしたい」
と心から強く思う=底つきを得てはじめて依存症回復のスタートラインに立てたと言える。
江美さんの依存症…彼氏のお世話依存症からのレター先生(笑)依存症を回復させるためにも、底つきは必須イベント…。
底つきまに至るために…そう、江美さんの“なりたい自分”になるために底つきが必要であり、引き寄せのステップなのだとスピリチュアル的に解釈可能な道のりなのです。
でもそれはレターのおかげじゃないからね、しつこいけど。
江美さんはお母さんの愛(長い間部屋を綺麗にして待っていてくれた、“ただいま”でしょうと言ってくれた)に触れて
「変わりたい」
と思ったからこそ、あの“なりたい自分”を思い描いたのだから。
雪さん編(太陽くん編でもある)のテーマとは逆で、実は江美さん編においては母親は愛のシンボルだし良い方向へ娘を導いてくれているんですよね。
雪母(愛さん)は毒親で江美母は違うから…。
萌ちゃんのお母さんも愛のシンボルであり、萌ちゃんがダメ恋愛依存→楓依存から抜け出す支えとなった。
萌母のわかりやすい善っぷり・味方ぶりとは違い、江美母の愛はわかりにくいけれど一番現実的な母の愛なのかも。
というわけで、江美を底つきさせることができたのもまたお母さんでした。
やり方はよくなかったけど、これがないと江美は底つきできない。
【お母さんの態度と少ない言葉に想像させるもの】
幸子さんとタケちゃんの間で板ばさみ・ちえママに嫌われたかも(これは江美の被害妄想だが)、でじわじわ弱ってきた江美ですが、これだけじゃ足りない。
お母さんが本気で向き合ってくれたことでガラガラガラーッと破壊がすすむすすむ。
夜遅くまで待っていたお母さんは
「あんたなんで帰ってきたの?
(中略)
あんたは自分のことしか考えない。
周りの人間を見ようともしない、理解しようとも思わない。
(中略)
母さんは施設に入るから。
あんたは今までどおり好きに生きなさい」
と一方的に告げます。
(中略したところもいいから、ぜひ単行本12巻で読んでね)
これでガクーンと落ち込んでしまい、下心がわかりきってて好きでもないのにケチ男(岩ちゃん)とベッドを共にする、騙されたとわかる、幸子も仕事も失いそう…とサクサク落下し、底つきに至る。
ケチ男はどうでもいいから、お母さんの話。
私ねー、この場面に来るまでの江美母の描写ほんとうに見事だなとワクワクしました。
私は江美母の言ってることが真実だとは思わない。
でも全てに、彼女が苦しんできた夫との家庭生活が見える。
そしてそれを江美に最後の最後で八つ当たりしていると思います。
「あんたは自分のことしか考えない。
周りの人間を見ようともしない、理解しようとも思わない」
これってぜったいに江美父=お母さんの夫なんですよ。
彼女は自分を省みない典型的日本のお父さんな夫に絶望していた。
これは彼女が夫に長年言ってやりたかった言葉なのですよ。
でも話が通じないし、田舎のこの世代に離婚なんて御法度だろうし、ただただ耐えるしかない。
自分が娘(江美)をずっと待っていたなら自分の家でもあるんだからたまに帰省させたっていいのに、それをしない。
絶望からの無気力なんでしょうけどね。
それがもう当たり前で、そういう前提で娘の行動を見て解釈するから、
「もういい、私が出て行く」
なんだろうな。
江美が帰ってきてからも、江美は夫と違って話せば聞いてくれる人なはずなのに…。
実際こんなこと(母の「今までどおり好きに生きなさい」)言われて泣いていたじゃないですか。
「お母さん(妻)に興味ない」
ような人は泣かないよ、
「お前が施設入るって、俺の飯や洗濯はどうするんだよ!!」
とかってキレて自分のことしか考えず、ぜーんぶお前が悪い!ってなるのが人の気持ちがわからない人。
だから私としては、この江美さんへのたった1回のお母さんからの話し合い=というか本音言い投げ、は
「夫の恨みを娘にぶつけんじゃないよ」
と考えるものなんだけど…でもこの八つ当たりが最大の贈り物になるんだよねー。
ここからの底付きだから。
っていう解釈で読み直すとまた感じが違う場面だと思うので、ぜひ読み返してみてほしいところです。
【真下へ落ちていく、底へと】
さあ、ここからはドン底へのジェットコースター。
レターのことは単独記事でまた言いたい放題したいと思っていますが、なんで江美がこんなに弱くて被害妄想なのっていうのはレターに弱らされているからに他なりません。
ちえママに勧誘を断れたのも、未来ちゃんにお客さんのセクハラを受け入れないでって言われたのも、江美自身の攻撃なんかじゃありません。
ちえママは
「菜々美ちゃんがいいこなのはわかってる」
と言ってくれているし、未来ちゃんだって
「困ったことがあったらなんでも言ってください」
とまできちんと言葉にしてくれている。
でも弱って思考をめちゃくちゃに癖づけされた江美には甘い褒め言葉以外全て攻撃に受け取ってしまうんだよなー。
実際にストレスやカルトやスピ・霊感商法の被害にあってる人はこんなもんじゃないですけどね。
もっともっとヤバい精神状態になるものだ…まあでもをのさん(作者)の書きたいのはそこじゃないので、ライトにライトに描いています。
多分この界隈のことはあっさりとしか調べてないだろうし。
話を戻して。
・お母さんに私はあきれられて、見捨てられた
↓
・ママも未来ちゃんも私を嫌ってるかも
↓
・幸子にタケちゃんのことバレたら、幸子も失うかも
↓
・誰か助けてよ…レター先生は運命の男が助けてくれるって言ったのに…
という流れで、今まではあしらえていたケチ男(岩ちゃん)のやっすーい誘導に乗っかっちゃってベッドを共にする、と(笑)。
いやーケチ男好きじゃないから書くのもバカバカしいけれど、本当に全てがせこくてダサいよね。
タダでセック○したいだけで悪びれないこのダサさ。
ケイオニウスさま(『テルマエロマエ』)を見習いたまえと言いたくなっちゃいます(笑)。
なんだけど、ケチ男がチープでダメダメだからこそ江美は再び“なりたい自分ノート”に本音を書き出すのです。
「誰が私を責められるの」
とカリカリノートに本音書きまくるところ。
大事な場面よ~さりげないけども!
実はここでレターの
「笑いましょう」
の洗脳が解けているの気づきました?
辛い時幸せになりたくて、無理やりレターの教えを守って
「笑顔、笑顔…」
と笑っていたエミーがここで作り笑顔をやめている。
むかつくけどケチ男の仕事も大事だったのか…むかつきますが。
…。
さて、単行本13巻に入れたところで、今回はここまで!
おそらく次でラストになるかな。
ここまで読んでくださってありがとうございます

ラストまで頑張ります!
続きを書きましたー。
↓
・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その6。