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綿虫や底見えてゐる島の井戸 中村遙

2019年03月27日 | 俳句
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中村 遙
綿虫や底見えてゐる島の井戸
島の井戸は浅い。底近くに綿虫が見えている。海水に近い真水がこの島では貴重である。閑話休題。戦時中「疎開」での田舎暮らし。足下の素掘りの井戸に墜落してしまった。泳ぎも知らぬ年齢でじっとしていたのが怪我の功名溺れずに済んだ。生活用水だったのでやがて村人に発見され助かった。その丸い空間から見えた青空が今も忘れられない。あの東京空襲の直後の事であった。水は命の水である。:俳誌「角川・俳句」(2019年3月号)所載。
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