やんまの気まぐれ・一句拝借!

俳句喫茶店<つぶやく堂>へご来店ください。

春の雲別れし後に浮かぶ名よ 龍澤清

2017年03月31日 | 俳句
238
龍澤清
春の雲別れし後に浮かぶ名よ
ぽっかりと春の雲が浮いている。ぽんと後ろから肩を叩かれる。懐かしい旧友の顔である。やあやあと一頻り旧交を温める。温めながらもその御人の名前が出てこない。そうかご子息は海外勤務で令嬢が孫を三人も作ったのか。ええと名前は。でも当人は不整脈で病院通いと言う。名前?。どちら様もご同様な事情なんだなと頷いてやがて又何時か会いましょうと別れる。白い雲の下に少し丸背になった友を見送る。あいつも昔は悪だったと思い出した瞬間、あいつの名前が浮かんだ。消化不良が解決した気分である。これで良しこれも順調に加齢している証拠なのだ。:俳誌「百鳥」(2016年6月号)所載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿