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秋の雲立志伝みな家を捨つ 上田五千石

2016年09月02日 | 俳句
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上田五千石
秋の雲立志伝みな家を捨つ

青雲の志を持って青年は羽ばたたく。そうした青春の思いが今はほろ苦い。身内に滾る熱き思いに処世の事など一切頭に浮かばない。ただ只管に夢を見て夢に突き進んだ。エネルギーに満ちた時節、やって砕けろと事に当たって突き進んだ雲の峰。立志伝には誇らしげに家を捨て、裸一貫で飛び出した心意気が協調される。そしてああして為る様になってその夏が終わる。あの時の青年は夢考えもしなかった家を持ち妻を得て子を生している。それが夢の辿り着いた姿だった。それで良いそれしか無い。そういえば小生の持ち家ローンもやっと終った。『田園』(1968)所収。:やんま記


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