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青年へ愛なき冬木日曇る 佐藤鬼房

2018年01月10日 | 俳句
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佐藤鬼房
青年へ愛なき冬木日曇る
冬木立の並木を青年が歩いている。曇天の寒さがこの青年の孤独感をいっそう強調している。そうこの青年は愛に飢えている。そう思えるのは作句者自らがこの青年と重なっているからに他ならない。閑話休題。今年は戌年、冬の公園には犬を散歩させる人が疎らに見える。雑種なんぞ見渡らない。輝く犬種がちょろちょろと歩いている。亡きポンチは雑種と言うかオンリーワンの命であった。こよなく愛し愛されて育った私の青年の日々に重なる。:角川『合本・俳句歳時記』(1990年12月15日版)所載。

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