000146
満田春日
冬の霧寄生木のなほみどりなる
冬の早朝に霧が辺りを覆った。景色が霧の灰色一色となった中に寄生木(やどりぎ)だけが緑色に浮いている。人という社会的存在は社会の中の居場所によって色を変えて生きていゆく。思えば自己を他人にすがって生きてきた自分とはなんだったのだろう。人の世の人の情けが自分を養ってきたのか。いやいや確かに自分の居場所をここに見つけて自分らしく生きてきたはずである。自分が自分色にきっと見えていたはずである。霧が晴れても自分は自分色である。:俳誌「はるもにあ」(2020年1月号)所載。
<いらっしゃいませー俳句喫茶店・つぶやく堂ーへどうぞお入りください>
満田春日
冬の霧寄生木のなほみどりなる
冬の早朝に霧が辺りを覆った。景色が霧の灰色一色となった中に寄生木(やどりぎ)だけが緑色に浮いている。人という社会的存在は社会の中の居場所によって色を変えて生きていゆく。思えば自己を他人にすがって生きてきた自分とはなんだったのだろう。人の世の人の情けが自分を養ってきたのか。いやいや確かに自分の居場所をここに見つけて自分らしく生きてきたはずである。自分が自分色にきっと見えていたはずである。霧が晴れても自分は自分色である。:俳誌「はるもにあ」(2020年1月号)所載。
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