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阪神忌天幕の灯は野外ミサ​ 小路紫峡

2020年01月17日 | 俳句
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小路紫峡
​阪神忌天幕の灯は野外ミサ

平成七年(一九九五)年一月十七日未明にマグニチュード7.2の大地震が神戸市・淡路島を襲った。今、その時の死者を弔らってミサが行われている。野外に張られた天幕が寒風に揺れて立ち尽くす人々を心身共に冷たくしている。わが住居では福島沖の地震の余震だろうか震度三とか四の揺れは常時ある。玄関には非常時様の防災鞄がおいてある。自治会も防災自衛組織を立ち上げた。炊き出し用の発電機大型炊飯設備も備えた。しかし想定外の天災は忘れた頃にやって来る。人知が果たして及ぶのだろうか。人はただ静かに祈る事あるのみ。忘れたくとも忘れられない天災が有る。:雄山閣「新版・俳句歳時記」(2012年6月30日版)所載。