今日の出来事

どこへでも風の吹くままに。 http://www.geocities.jp/syanagio/index.html

平台がお待ちかね

2009-03-31 | 
「平台がお待ちかね」(創元クライム・クラブ)
大崎梢
東京創元社 (2008/06)

 中規模出版社の新人営業マンの日常と、ささやかな謎を巡る短編集です。主人公の井辻君は、大好きな小説の1シーンをジオラマで再現することをこよなく愛する平凡な若者。前任の優秀な営業マンに引け目を感じながらも、日々奮闘しているところが、なかなか味があっていいです。
 彼の出くわす「謎」はといえば、馴染みの諸店員さんの元気がないとか、地方の書店が閉店したわけだとか、書店の平台の本の位置がなぜか変わっているとか、事件性は小さいものばかり。でも、本好きならではの推理・知識で解決に至る道筋が、なかなかいい感じです。一種の業界物で、営業の仕事の内容や書店と出版社の関係も興味深いです。
 これは、癖になるシリーズですね。次も読んでみよう。


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