今日の出来事

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「禁断のパンダ」を読んだ

2011-01-19 | 
「禁断のパンダ」拓未司:宝島社 (2008/1/11)



 第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作で、グルメ物の本格ミステリという触れ込み。「和菓子のアン」の坂木司と同じ「司」だし(←全然関係ないか)、読んでみようかなと手に取りました。
 ・・・・・後味が悪い。確かに洋食の天才シェフや、若手の料理人がメインに登場し、(多分美味しいだろうと思われる)料理の描写が緻密なので、「グルメ」かもしれません。こてこてのナニワの刑事コンビに、いわくありげな外人神父、舞台はおしゃれな神戸、と、お膳立てはベタなほど揃っています。でも、ミステリ部分とグルメ部分は乖離している気がする。しかも落としどころがカニバリズムですか?
 ミステリ仕立てのグルメ小説にしては結末があまりに陰惨だし、グルメ風味のミステリにしては動機に共感できる部分が(私には)なくて説得力にかけます。表紙の軽快な絵も内容と不一致かなあ。
 このミス受賞作と聞いて期待したけど、本作は私の趣味には合いませんでした。残念。


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