政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

太田農水相個人に判断をゆだねる問題か?

2008-08-27 16:50:17 | 福田康夫
太田農水相の事務所費問題
太田に合理的な説明ができるとは、全国民が思っていない。

説明責任果たすべきだ 農水相事務所費問題で麻生幹事長 (産経ニュース 8/26)

臨時国会召集を目前に発覚した太田誠一農水相の事務所費問題を受けて、自民党の麻生太郎幹事長は26日午前、役員会後の記者会見で「個人事務所(の問題)なので説明責任は政治家個人に問われている」と述べ、太田氏自らが説明責任を果たすべきだとの考えを示した。


麻生の立場では『個人の問題』におさえたいのは、まあ理解できないでもない。
しかし、福田となるとそうはいかないだろう。
自民党総裁としてなら、『こっちの勝手でしょ』と言うのもいい。自民党という政党がそんな政党だというだけのことだ。後は法律違反があるかないか、という問題が残るだけだ。
ところが内閣総理大臣という立場となると話は変わる。
内閣総理大臣は実質、国の最高指揮権を持つ者。
国務大臣は国の省庁の責任者。
どちらも公人中の公人。

首相VS記者団 (毎日jp 8/26)
◇太田農相事務所費

Q 太田農相の政治団体が政策秘書の自宅を事務所として2000万円以上の事務所費を計上していました。本人は問題ないといっていますが、総理はどう説明責任を求めますか。

A それはあの、太田大臣の政治活動の問題ですから、太田大臣が一政治家としてね、きちんと説明をすべきであると、それに尽きます。

Q 太田大臣は領収書の公開もできればしたい、と言っていますが。それも必要だと?

A それは必要があらばね。そういうこともされるのは太田大臣の判断として、あるのではないでしょうか。

(そして臨時国会、アフガニスタンと話が進み、再び)

Q 太田大臣の件ですが…

(秘書官がさえぎり終了)

2008年8月26日


自民党総裁が自民党議員に対して言う言葉なら許せないこともないが、内閣総理大臣が国務大臣に対していう言葉としてはもってのほかだ。
一代議士と国務大臣とでは公的性格の度合いがまるで違う。
その認識があるからこそいわゆる『身体検査』の必要性が巷間言われているのだろう。
福田が太田の『身体検査』をしたかどうかは分からないが、そういうことをやっているらしいというのは、いまでは一般庶民の間でも常識になっている。
大臣というのは、一般代議士よりはるかに高いモラルが要求される。
それを『大臣個人の判断』にゆだねる、という福田の姿勢は内閣総理大臣のとるべき態度ではあるまい。
『太田大臣の政治活動の問題』『一政治家として』、『太田大臣の判断』というような言い方をしているところをみると、福田の頭の中には、大臣と一代議士を区別する認識はないようだ。
しかし大臣の椅子の重さを考えれば、福田は内閣の主催者として福田自身が先頭にたって、自身の任命した大臣の疑惑を晴らさなければならないのだが……。
総理大臣には国務大臣に対して任命責任もあるが、監督責任もあるんじゃないか?

国民は誰一人、政治家の良識などは信じていない。
太田が自主的に国民が納得するような説明をするなどと信じているのは、福田や麻生の他にはいないだろう。

思えば、この国はお粗末な内閣を持ってしまったものだ。




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