いやはやなんともおもしろいお芝居でございました。
NINAGAWA 十二夜 博多座
「NINAGAWA」という冠が示すとおり、蜷川幸雄さんが演出をてがけ
シェイクスピアの戯曲が原作という歌舞伎狂言です。
私のシェイクスピア原体験は、魔女3人が
「きれいはきたない きたないはきれい」とつぶやきながら始まる
あの『マクベス』なのですが、どうもこのお芝居の印象がよろしくなく
ずーっとシェイクスピア劇はきらいっ!って思ってたんです。
修飾語をちんたらちんたら並べたてたせりふがくどいんじゃあ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/goo.gif)
って。
ところがところが蜷川さん演出のシェイクスピア劇
『間違いの喜劇』を観てから、シェイクスピアアレルギーは治っちゃったのです。
今回もその蜷川演出のシェイクスピア戯曲。
しかも演じるのは菊五郎劇団ですよ、あーた!
という期待と
いつもの聞きなれた
下座音楽ではなく
洋風な楽器の音とかが演出で入っちゃったらどうなんだろう?
(実はスーパー歌舞伎のときは、ちょっとヤだったのよね、音が)
とか、そもそもちゃんと「歌舞伎」なのか?
歌舞伎役者が歌舞伎の扮装してシェイクスピアやってるなんてことになってないだろうか?
という不安とが入り混じる、不思議な気持ち。
ほんとは後半、23日のチケットを取っているのだけれど
どうにも待ちきれなくて、一人で初日に行ってきちゃいました。
開演直後。。。ド肝を抜かれました。
いや~、すごい!
幻想的な美しい舞台と音楽に、ほぅ~これがNINAGAWA歌舞伎かぁ
なあんて客観的に感心していたのもつかの間
次の嵐の海の場面では、菊ちゃんの早替りもあり
いよいよ何かが始まるぞ的なワクワク感とで
もう、ぐーっ、ぐーーっ、ぐぅぅぅぅってお芝居の中に引きずり込まれちゃいました。
台詞を聞いていると、
やっぱりシェイクスピアらしく修飾語満載な言い回しなのですが
違和感なし。
まあ考えると、黙阿弥の台詞回しもそんなところがあるしね。
気がかりだった音や舞台装置も、確かに従来の歌舞伎のものとは違うけど
自然に受け入れられました。
いやぁこれは紛れもなく「歌舞伎」ですよ。うん。認定。
主役の菊ちゃんの美しさ、瑞々しさは言うまでもなく
まわりを固める役者さん皆さんがすばらしい!
さすが菊五郎劇団。
2月の花形歌舞伎のときは若手の華やかさやパワーはあったけど
私はちょっと物足りなかったの。
今月は役者も揃ってるし、芝居自体もすばらしいし。
こんなお芝居を博多で観れるなんて観劇…いや感激ですよ!
昨日の舞台は幕が引かれてからも、しばらく拍手が鳴り止みませんでした。
普通、歌舞伎ではカーテンコールはやらないので
お芝居の幕が引かれるとみんなバタバタと帰りはじめるのですが
昨日、博多座にいたお客さんは「まだまだ役者さんに拍手を送りたい」って
そんな気持ちだったのではないかしら。
生まれて初めて「歌舞伎でカーテンコール」を体験できるかと思ったけど…
残念ながらその夢はかないませんでした。
でも、それくらいすばらしいお芝居を博多で観れることなんて
そうそうないですよ。
これ読んでちょっとでも気になった方は
ぜひぜひ博多座まで足を運んでくださいな。
チケットもまだ取れるみたいですよ。
詳細はこちら>>
博多座
ということで、久しぶりにスゴイ芝居に出会えて興奮気味のyama_fumiでした。
あー、はやく23日にならないかな~。
そしてこの勢いだと、来月の歌舞伎座でも観てそうな気がする^^;
まあ、そんなに何度も何度も観たいって思えるお芝居に出会えることはそうないので
なんとか時間を作って観れるようにしようっと。
ところで、、、
亀ちゃん演じる腰元が、意地悪そうな表情をしたときに
ショージ歌江姉さんにちょっと似てる気がしちゃったんですが…^^;
いやいや、私、亀ちゃんも大好きですよー、もちろん!