醤油庫日誌

やかんの映画ドラマ感想文。

ある公爵夫人の物語

2018年11月05日 | 【あ行】タイトル
2008年 英仏伊
デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナの伝記映画。
シンプルイズベスト。
登場人物はヒロインと母親、夫、親友のちに夫の愛人、自分の愛人の基本五人で、その愛憎を史実をベースにさらっと描いたもの。
さらっと描いたところがいいんである。
こんなん微に入り細に入り描かれたらドロドロすぎて大変だ。
不愛想な夫に男児を産めとプレッシャーをかけられ、そのくせ夫は好色で浮気三昧。
しまいに妻の親友に手を出し、屋敷に引き入れてしまう。
……妻妾同居とは鬼畜だな。
王様に準じる公爵様だから常人の倫理の外なんだな。
公爵家の朝食は当主、愛人、公爵夫人が同じテーブルについて摂るんである。
結婚式や晩餐会舞踏会、公爵は公式の席にも夫人と愛人を連れて出席したという……お貴族様は相当な神経をしてないと務まらないようで。
たとえ公爵夫人でも、夫と対等に話し合うこともできず、妾の同居を止めさせることもできない。
この無力感が堪らなく辛い。

もう数年したら、のちにメル卿の妻になるキャロがこのデヴォンシャー公爵家に引き取られる。
そしてメルバーン子爵の次男ウィリアムと出会い、恋に落ちる。
十年後のジョージアナと公爵、愛人、祖母のレディ・スペンサーが揃って若い彼らの結婚式に出席すると思うと感慨深い。

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