1974年 アメリカ
チャールトン・ヘストン、嫁さんと大喧嘩した勢いで意中の若きシングルマザーとついにベッドイン。
そしてこのまま単身赴任して、角を出した妻から逃げて、赴任先にシングルマザー母子を呼び寄せて、ラブラブ生活を愉しもうかと目論んでいるところに、大地震が来るのである。
バカモン、睡眠薬自殺を企てるほど苦しんでいる妻に向き合わず、手近な若い女に逃げるとはけしからぬぞ。
それでも彼はまず、社長でもある恩義ある嫁の父を助けに、会社ビルに戻るのであった。
ガラスが降る、壁が崩れる、天井が落ちる、エレベーターが落下する。
高層ビルと災害の取り合わせはいつだってデンジャラス。
たいてい消火ホースにぶら下がって避難することになるんだが、これがまた最後に切れるんだな。
そしてチャールトン・ヘストン、身体を張って義父を助けた後、カノジョを探しに行くんである、意識不明の義父を抱えた嫁さんをほっぽって。
「デニス(シンママの名前)を探しに行く!」
と嫁さんに宣言して。
これはヒドい、踏んだり蹴ったりの嫁エバ・ガードナーに同情する。
余震が来て、残ったビルが次々倒れ、地下に人々が閉じ込められてしまう。
チャールトン・ヘストンはこのビルの設計者だったんで、排水溝から入って地下に閉じ込められた人々とカノジョを助けに行くんである。
地下にはカノジョと一緒に失意の嫁もおりました……で、嫁の目の前で不倫カップルがヒシと抱き合う……極限状態でそんな光景を見るはめになるエバ・ガードナーがまったく気の毒すぎる。
排水溝から地上に出る梯子に人々が殺到する。
「女性が先だ!」
とチャールトン・ヘストン、カノジョを登らせる。
嫁さんにも手を貸して梯子に上らせようとするが、嫁さんは彼の手を「サワンナ!」とばかりに振り払って自力で梯子を上っていく。
そこへ決壊したダムの水が怒涛のように排水溝に押し寄せて、パニックになった人々が我先に梯子に飛びつき、嫁は梯子から落とされて濁流にのまれてしまう。
切れ切れの悲鳴とともに浮き沈みしながら流されていく嫁。
地表には無事脱出できたカノジョが彼を待っている。
流れていく嫁とカノジョを交互に眺め惑乱する彼の表情……。
カノジョの顔を絶望的な表情で見て、彼は妻が流された濁流に飛び込む。
一度は妻を確保するが、勢いを増した流れに妻は飲み込まれてしまい……。
とうとう彼は再び地表にその姿を見せることはなかった。
涙を流しながら、カノジョはふらふらと瓦礫の中を歩いていくのだった。
かろうじて、後味が少しマシになった。
嫁さん水死でカノジョと再婚、社長の義父と邪魔な嫁が死んで会社と遺産はそっくり彼のもの……そんな考えも浮かんだはず。
どういう心境で妻を救いに濁流に飛び込んだのかわからないけど、ここで妻を見捨てては、当時の観客の正義感を逆なでしたに違いない。
今なら妻が死んで愛し合うふたりが抱き合ってハッピーエンドになるんかな?
今のアメリカの倫理観はどうなのか知らんけど。
……大地震より不倫の行く末のほうが気になる妙な映画でした。
チャールトン・ヘストン、嫁さんと大喧嘩した勢いで意中の若きシングルマザーとついにベッドイン。
そしてこのまま単身赴任して、角を出した妻から逃げて、赴任先にシングルマザー母子を呼び寄せて、ラブラブ生活を愉しもうかと目論んでいるところに、大地震が来るのである。
バカモン、睡眠薬自殺を企てるほど苦しんでいる妻に向き合わず、手近な若い女に逃げるとはけしからぬぞ。
それでも彼はまず、社長でもある恩義ある嫁の父を助けに、会社ビルに戻るのであった。
ガラスが降る、壁が崩れる、天井が落ちる、エレベーターが落下する。
高層ビルと災害の取り合わせはいつだってデンジャラス。
たいてい消火ホースにぶら下がって避難することになるんだが、これがまた最後に切れるんだな。
そしてチャールトン・ヘストン、身体を張って義父を助けた後、カノジョを探しに行くんである、意識不明の義父を抱えた嫁さんをほっぽって。
「デニス(シンママの名前)を探しに行く!」
と嫁さんに宣言して。
これはヒドい、踏んだり蹴ったりの嫁エバ・ガードナーに同情する。
余震が来て、残ったビルが次々倒れ、地下に人々が閉じ込められてしまう。
チャールトン・ヘストンはこのビルの設計者だったんで、排水溝から入って地下に閉じ込められた人々とカノジョを助けに行くんである。
地下にはカノジョと一緒に失意の嫁もおりました……で、嫁の目の前で不倫カップルがヒシと抱き合う……極限状態でそんな光景を見るはめになるエバ・ガードナーがまったく気の毒すぎる。
排水溝から地上に出る梯子に人々が殺到する。
「女性が先だ!」
とチャールトン・ヘストン、カノジョを登らせる。
嫁さんにも手を貸して梯子に上らせようとするが、嫁さんは彼の手を「サワンナ!」とばかりに振り払って自力で梯子を上っていく。
そこへ決壊したダムの水が怒涛のように排水溝に押し寄せて、パニックになった人々が我先に梯子に飛びつき、嫁は梯子から落とされて濁流にのまれてしまう。
切れ切れの悲鳴とともに浮き沈みしながら流されていく嫁。
地表には無事脱出できたカノジョが彼を待っている。
流れていく嫁とカノジョを交互に眺め惑乱する彼の表情……。
カノジョの顔を絶望的な表情で見て、彼は妻が流された濁流に飛び込む。
一度は妻を確保するが、勢いを増した流れに妻は飲み込まれてしまい……。
とうとう彼は再び地表にその姿を見せることはなかった。
涙を流しながら、カノジョはふらふらと瓦礫の中を歩いていくのだった。
かろうじて、後味が少しマシになった。
嫁さん水死でカノジョと再婚、社長の義父と邪魔な嫁が死んで会社と遺産はそっくり彼のもの……そんな考えも浮かんだはず。
どういう心境で妻を救いに濁流に飛び込んだのかわからないけど、ここで妻を見捨てては、当時の観客の正義感を逆なでしたに違いない。
今なら妻が死んで愛し合うふたりが抱き合ってハッピーエンドになるんかな?
今のアメリカの倫理観はどうなのか知らんけど。
……大地震より不倫の行く末のほうが気になる妙な映画でした。
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