ドーナツ畑の風に吹かれて

おかわり自由のコーヒーを飲みながら、廻る季節をながめて、おもったこと。

財布の中に千円しかなくてあせる。

2006-03-28 01:12:58 | 日記
 昨日は初の店舗勤務。完璧に放任された研修のトラウマがあって、ちょっとビクビクしてたんだけど、いい人ばかりでみんな優しくしてくれた。とてもよかった。お店自体もとてもいい店で、あんなにシステムがしっかりしてて、社員とアルバイトがうまく機能して働いている店は始めてみたよ。研修も含め、書店はこれが5店舗目だけれどもさ。たぶん、超キレ者とうわさの店長のしわざだろうな。というわけで、とてもいい店に配属されたなーとおもう反面、隙がなさすぎてこわいというか、取り付く島がないというか。まあ、しばらくはニコニコ様子をみよう。有能になりたいなぁ。

 今日は休みだったので、ぼーっとしてたらあっという間に午前中がおわり、午後にはようやく部屋の片付けに着手。本のダンボールを半分あけた。あとダンボールが2個だ。そして、今日実家であらたにダンボール2個分本を詰めてきた。実家にはまだ本棚1個分の本が手付かずで残っている。どうしたらいいんだろう。この部屋には、スペースはまだあるのだけど入れ物がないので本がうまく収納できない。本棚がすごくほしい。でも、本格的にお金がないから、当分ダンボールの順列組み合わせでがんばるしかないようだ。お金がほしい。お金が……。初任給までの一ヶ月、貯金を切りくずして乗り切らなければならない。あんなにあった貯金があっという間に消えていくなぁ。でもまあ、あまりにもお金を使わない人生は悲しすぎるとおもい、趣味で始めた「一人暮らし」であるのだから、せいぜい楽しもう。お金のやりくりとかも、なんか修行のうちだとおもえば。
 実家を恋しく思う反面、一人暮らしは非常に快適。手をのばせば必要なものが全部あるという環境はとてもいい。ユニットバスはおそろしくせまいが、慣れればどうってことはないのだった。作りたい料理がいろいろあったり、読みたい本があったり、目先の小さなやりたいことははたくさんあって、少ない自分の時間を順番に割り当てている感じ。だけど、相変わらず、大きな人生の目標はない。油断するとうっかり死にたくなるので注意が必要。毎日は楽しいし、仕事もたぶん悪くない感じなんだろうけど、根本的に、生きている意味がつかめない。目先の楽しみでごまかしごまかし、どうにかやっていくしかないんだろうけど。

 久々に「魔女の宅急便」を見たら、なんだかいろいろ考えてしまった。耳すまはともかく、魔女宅にまで心をわしづかみにされるとは。生きていると、何を見てもなにかを思い出す状態になってくるものなのかな。

卒業式。

2006-03-26 01:05:52 | 日記
 学位記だけもらって、あとのセレモニーはさぼった。
 大学周辺には卒業式人間がうようよ。入学式ほどではないにしろ(入学式はサークルの勧誘人間でごったがえしている)。そんな中でなんだかとてつもなくいたたまれない気持ちになってしまったのだった。自分が、学校にきちんと所属できてなかったことを思い知らされるような。自分の存在の中途半端さを思い出してしまうような。卒業式というのは基本的に苦手だ。学校になじむのが苦手なのと同じように。ただ、逃げることだけを考えた。高校の時も、そうだったな。袴人間たちの中で、つまらんスーツを着て出かけていったのは、そういういたたまれなさが根底にどうしようもなくわだかまっていたから。
 サークルの部室に逃げ込むと、同期のKさまが。ほっとする。しばらくいると、続々ほかの人々もやってきた。卒業式だというのに居場所のない、友達いないいない同盟のみなさん。部室でだらだらと、他愛のない話をする。後輩が買ってくれたケーキを食べる。いつもの風景。これがいつもじゃなくなるのだな、と思うと、やっと卒業の感慨がわく。大学をはなれるのはちっともさみしくないが、サークルからはなれるのはさみしい。みんながいる、わたしがいることも許されている場所がなくなるのはさみしい。もう二度と戻れない場所がまた一つ。生きているとどんどんそんな場所が増えるな。
 残った人間でちょっとよさげな地中海料理のお店へ。とても普通。とてもいつも通り。だけど、次はいつ会うんだろうなぁ。さみしい。とてもさみしい。こんな風にさみしくなるために、前に進むんだろうかね。

 明日からいよいよ店舗勤務。動揺しすぎてどうしていいのかわからない。
 

琥珀色の向い風

2006-03-24 00:59:58 | 日記
 実家への帰り道はとてもへんな気分。一人暮らしは終了して、実家に戻ってきたのだ、という気分になる。心の帰る場所はいまだ実家の方。でも、軽い気持ちで一人暮らしを始めたけれど、考えてみればもう二度と、実家に暮らすことはないのだな(子供抱えて出戻る、とかなったらまた別だけど)。もう二度と、家族と暮らすことは、ないのだな。わたしの中の「普通」は、家族で暮らすことから、一人で暮らすこと、あるいは、自分であたらしく作った家族と暮らすこと、に、シフトしていくのだな。
 おばあちゃんが亡くなった時にもおもったこと。家族の形が変わっていく。家族は、不変なものだと、何の疑いもなく思っていたことに気づいた。そんなことを信じていることの方が、不自然だったのだ。お母さんだって、自分の家を離れてここに来たのだ。これがオリジナルの家族だと、おもっているのはわたしだけだったのだろう。本当になんにもうたがってなかった。
 わたしは、もう戻れない場所に、きてしまったのだ。それが日に日に身にしみこんでくる。どんなに大事なものでも、それを永遠に保っては生きられないのだね。そうやって人間は死ぬまで生きるのだね。なんで、いろんなものを取りこぼしながら、手放しながら、前へ前へ時間は進んで行っちゃうんだろう。いつまでも、あの家の子供のままでいたかった。なんで外の世界へ出て、働かなきゃならないんだろう。そのうち自分が親にならなきゃならないんだろう。先のことを考えるととてもこわい。どんなにがんばったって、死に向けて定速で移動し続けているだけなんじゃないのかと、おもうから。いつから、未来の分量より過去の分量が多くなるのだろう。自分の親が死ぬなんて、そんな日が本当に来るんだろうか。
 死ぬまで生きることにどれだけの意味があるんだろう。毎日会社になんて、特に行きたいとは思わないのに。一度社会に出てしまったら、あとはもう、自分で自分の食い扶持を稼ぎ続けるしかない。終わりがないんだ。受験とか、学校とか見たいに、「あとちょっとの我慢!」というわけにはいかないんだ。だってもう戻れないんだもの。ここにいるしかないんだもの。
 死ぬのがこわい、わけではない。ただ前へ前へ進み続けるしかないことが悲しくてしょうがない。無力だとおもう。ただ死の引力にしたがって生きるしかない。とてもとても切ない。

部屋が寒い。

2006-03-22 00:19:10 | 日記
 一人暮らしはおもったよりも順調。もっとてんやわんやするかとおもったけど、そんなに問題なく毎日会社に行けてるし。まあ、会社に行っている間に自動的に食料が補充されてるというようなシステムのおかげだとはおもうけど……。それにしても、家にいる時間があまりないからなかなか部屋が片付かない。本が読みたいけどぜんぶダンボールの中だ。ダンボールハウス……! 早くどうにかしたい。なんとなく座って落ち着く場所がイマイチ定まらないから、荷物が一通り片付いたらソファか、せめて大きめのクッションがほしいなぁ。

 今週いっぱいは本部の集団研修。受ければ受けるほどこの会社大丈夫なのか? と心配になってくる。早く店勤務になって、そんなこと考えられない毎日になりたい。
 昨日やっと配属が決まって、極端な遠くじゃなくて一安心なのだけど、東京一のおしゃれタウンで私服勤務なんて、どんないじめだろう。エプロンつけて作業することも考慮しなきゃいけないから、どんな服着ればいいのかさっぱりわからない。仕事の不安がふっとぶくらい服が不安だー!

 実家恋しい。今すぐ帰りたい、というよりは、わたしの人生の中で、実家で暮らす時期は終わってしまったんだなぁ、ということが悲しい。もう戻れないのだなぁ。
 時間は前へ前へと進んでいって、二度と同じ時間はめぐり合わせないのだなとおもうと切なくなってしまうのさ。
 定期で行ける実家だから、ホームシックにはならなそう。

ワールズエンド。

2006-03-16 00:15:16 | 日記
 新居ムニダ。
 あれよあれよという間に移住。部屋もちょっと部屋っぽくなってきた。二晩は引越し手伝いもかねて奴が泊まっておったので、今日が始めての一人の夜。キーボードの音が妙に響く。
 ネット環境がまだぜんぜん整ってないので、かなり不便。でも、パソコンつけてみたら勝手に野良電波をキャッチしたので、こっそりな。内緒でな。

 友人と行った尾道&しまなみ海道&宮島(お散歩大臣旅ごろも編)は、とてもよかった。尾道は実写版ジブリみたいな街で、思う存分迷子になってきたさ。遠近感が狂う世界の中みたいな。瀬戸内海は海なのに狭くて、とっても安心感。しまなみ海道をサイクリングしながら、ものすごく懐かしいような気持ちになった。帰りたい場所、というような。橋の上から見下ろした海面に吸い込まれそうで、「魚がおうちにすればいいのよ!」と叫んで、指輪を投げ捨てたい衝動にかられた。友人は携帯電話を投げたくなったらしいけど。
 高校の友人たちと飲んで歌って、久々に憧れのあの子の声を聞いて。サークルの最後の稽古で「うまくなったねぇ」と先生にほめられて。愛子さまと同じ日にねずみ狩りに行って、今日は中学の友たちとジブリ美術館を超堪能。悔いはないさ。
 明日から社会人だ。

蟲師の夜空がきれいで泣く。

2006-03-06 01:44:34 | 日記
 あいかわらず蟲師大フィーバー。今回「天辺の糸」見て、うまれて初めて「きれいだから」泣いた。きれいなもの見ても涙って出るのね。「東京タワー(江國の方」の透くんみたい。
 なんか、あんなに夜空をきれいに描くアニメは初めて見た。アニメどころか、実写でも、他のどんなメディアでも、無理なんジャマイカ。絶句した。見てる途中で酔っ払い父さんが帰宅して、連れてきてくれた人に平謝りしたりと激しく興ざめだったけれども、それでもその3分後に泣けたというのは、相当なものなんじゃないだろうか。

 学生の日々も残りわずか。この最後の時間に、旅行行ってネズミ狩りに行ってジブリ美術館に行ってドラえもんの映画を見るなんて、なんか幸せ密度が濃すぎて死にそうだけど、ラストスパートのつもり。いい思い出があれば生きていける、が合言葉だからね。旅行は、明日から2泊。尾道としまなみ海道と宮島を堪能してくる。この旅行先選びの絶妙さは、なんかもうわたしの大学生活を物語っているといっても過言ではないね。微妙さが命。微妙すぎて、パック旅行が一つも見当たらないあたりが神々しい。広島県は、新幹線で行くか飛行機で行くかも、非常に微妙なラインだ。微妙づくし。
 伊勢とか熊野とか出雲とかが他の候補地としてあがってもいた。なんか、そっち方面にそそられるんだよなぁ。

 なんかわたし、幸せみたい。
 ウエディングドレスに見とれるようになった。テレビで狭小住宅やってると、真剣に見てしまう。友達の結婚が決まったことと無関係でもないだろうけど。先のことを考えるのも悪くない、とおもえるようになった。