ドーナツ畑の風に吹かれて

おかわり自由のコーヒーを飲みながら、廻る季節をながめて、おもったこと。

卒業式。

2006-03-26 01:05:52 | 日記
 学位記だけもらって、あとのセレモニーはさぼった。
 大学周辺には卒業式人間がうようよ。入学式ほどではないにしろ(入学式はサークルの勧誘人間でごったがえしている)。そんな中でなんだかとてつもなくいたたまれない気持ちになってしまったのだった。自分が、学校にきちんと所属できてなかったことを思い知らされるような。自分の存在の中途半端さを思い出してしまうような。卒業式というのは基本的に苦手だ。学校になじむのが苦手なのと同じように。ただ、逃げることだけを考えた。高校の時も、そうだったな。袴人間たちの中で、つまらんスーツを着て出かけていったのは、そういういたたまれなさが根底にどうしようもなくわだかまっていたから。
 サークルの部室に逃げ込むと、同期のKさまが。ほっとする。しばらくいると、続々ほかの人々もやってきた。卒業式だというのに居場所のない、友達いないいない同盟のみなさん。部室でだらだらと、他愛のない話をする。後輩が買ってくれたケーキを食べる。いつもの風景。これがいつもじゃなくなるのだな、と思うと、やっと卒業の感慨がわく。大学をはなれるのはちっともさみしくないが、サークルからはなれるのはさみしい。みんながいる、わたしがいることも許されている場所がなくなるのはさみしい。もう二度と戻れない場所がまた一つ。生きているとどんどんそんな場所が増えるな。
 残った人間でちょっとよさげな地中海料理のお店へ。とても普通。とてもいつも通り。だけど、次はいつ会うんだろうなぁ。さみしい。とてもさみしい。こんな風にさみしくなるために、前に進むんだろうかね。

 明日からいよいよ店舗勤務。動揺しすぎてどうしていいのかわからない。