ドーナツ畑の風に吹かれて

おかわり自由のコーヒーを飲みながら、廻る季節をながめて、おもったこと。

イン・ハー・シューズ

2005-12-02 02:51:30 | 映画三昧
 映画の感想はその日のうちに。
 今日は映画サービスデーだったので、ゼミの帰りにちょろっと見てきた。時間がかなりギリギリで、どうにかすべりこみセーフ。新宿三丁目って、新宿駅から歩くと案外遠いぜ。

 タイトル見ると、一見よくある自分探し系っぽいんだけど、実はそんな感じじゃなくてけっこう奥が深いのだー、というようなレビューを読んだから見に行ったんだけど、たしかにこれは自分探しじゃない。自分に自信のないエリートの姉と、容姿しか取り柄のない無職の妹は、今の自分以外のなににもなれないんだよね。だから探したって無駄無駄。ということが当たり前、みたいな雰囲気。それでもどうにか生きてくしかない。後半には姉妹の祖母もからんできて、女たちの物語になる。
 自分探しじゃないなら、この物語はなんなんだろうなぁ。自分壊し、という言葉を使ってるレビューがあったけど、そうでもないような気がする。はっきりいって大したストーリーがあるわけじゃないんだよね。何かが劇的に解決するわけでもない。でも、人生っていうのはこんなもんなんじゃないかな。いいもんじゃないけど、悪いもんでもない。後半に出てくる老人ホームの、出来すぎてるくらいの明るさに、わたしはなんだか切なくなった。
 泣ける映画との評判も聞いたが、わかりやすい泣き所はない。けど、わたしもなんだか脈絡のない部分でふいに泣きたい気持ちになったりした。泣きそう、ではなく、泣きたい気持ち。不思議。
 出てる役者がみんなハマってて、見てて違和感がなくてよかった。ところどころ笑える場面もあって、全体として、全部が全部楽しいってわけでもないけど、決して暗くもない。良作だとおもう。
 女ならきっとそれなりにおもしろいだろう。ただ、こういう女の生き方映画は、男が見ておもしろいのかな? わたしの隣に座ってたカップルの男は寝てたっぽい。

Always 三丁目の夕日

2005-12-02 02:41:16 | 映画三昧
 映画の記録はきちんとしておこう、という試み。
 月曜日に、お父さんとお母さんと三人で見に行った。

 昭和ブームの火付け役がクレしんの劇場版っていうのは本当だろうか? まあ、この前ビデオで見たけど、確かにおもしろかった。
 で、この映画。とてもよかった。一つ一つのエピソードの連続性とか、役者の配置の仕方とか、現代人が今一番飢えていると思われる「人間味」にあふれている。一応懐かしさが売りなんだろうけど、昭和33年が懐かしいはずないわたしが見ても充分おもしろかったし、見終わった後、どっかの子供たちが「オレ超泣いたよー」「超よかったー」とかいう会話をしてて笑った。こんなに全年齢対象な映画は始めてだ。
 人と人とのつながりがまだ当たり前だった時代なんだね。もちろん、映画の中とか我々の記憶の中では存分に美化されちゃってて、実際にはいいことばっかりじゃなかったんだろうけど(映画の中にもたまにちらっと暗い影が差すような場面がある)。こういう時代には、通学路で子供が殺されたりしないんだろうなぁ、とおもった。
 人とのつながりが当たり前ってことは、自分がここにいていい理由なんて考えなくてもよかったわけで、自分探しなんてことも必要なかったんだろうなぁ(逆に言えば、そんなことしたくても出来なかったってことかもしれない)。わたしはそれをちょっとうらやましいとおもったし、いくつかの場面で、ぽろっと泣いてしまった。感動とも違うんだけど、なんだか、泣けた。

 一番の目当ては吉岡くんだったんだけど、いい仕事してたわー。そして、堤真一もいつも通り、頑固な役やらせるとほんとにかわいいなこの人は。

気がつけば……

2005-12-02 02:24:46 | 映画三昧
 九月から放置してたわ……。しょうがないから、一応見たという事実だけ記録しておこう。今度からすぐに感想書くようにしないとな……。

○メゾン・ド・ヒミコ
○チャーリーとチョコレート工場
○シンデレラマン
○四月の雪
○春の雪

 メジャーなのばっかり見たけど、はずれはほとんどなかった(「四月の雪」は作品としてはグダグダだったけど、ヨンペがおもしろかったのでいいと思う。ヨンペのPVだと思えばサイコー)。
 シンデレラマンと春の雪で泣いた。
 メゾン・ド・ヒミコは、ホモの老人ホームという素材がなんかあざとい感じがして、どうも。こんな素材、どう料理したっておもしろくならないわけないじゃないかと。そのわりに、工夫が足りなかったような。これはもっとおもしろくできたはずだとおもう。いや、充分おもしろかったっちゃーおもしろかったんだけど。
 チャーリーとチョコレート工場最高。トラウマになるくらいインパクトある。歌覚えたい。

原作つき映画は……

2005-09-14 01:17:46 | 映画三昧
 映画もなかなか見れない。というか、見たい時期には見たい映画がなく、見たい映画が大発生した今、見に行く隙がなかなかない。かなしい。
 かなり前に見た映画がまじっている。


○姑獲鳥の夏
 原作つき映画は、原作知らなきゃ無理だよなぁ、とおもう。原作つき映画をみるたび毎回おもう。ダイジェストみたいになっちまう。まあ、イメージ映像としてはがんばってるかもしれないけれど。相手が京極堂じゃ、2時間の映画にするにはボリュームがなぁ。あの膨大な京極堂の知識量をぐわっと脳に注入される感じが楽しいのではないのかしらね。映画ではそういう感じがちっともせんで残念。まあ、役者の人たちはだいぶよかったとおもう。


○劇場版鋼の錬金術師 シャンバラを征く者
 サークルの萌え仲間たちと行く。あの原作からこんなパラレルなストーリーをつくりあげたことはとてもすごいとおもう。つまらなくて能のない焼き増しよりよっぽどいい。アニメ版、まとまりあったし、多少説教くさかったが、まあなかなかよかったとおもう。腐女子への配慮を忘れない感じがなんともいえない。大佐ー。


○NANA
 やっぱり原作つき映画は以下略。マンガをそのまま移しているから、起承転結がいくつもあって、続けて見るのは疲れる。やっぱり映画全体として大きな起承転結が必要だとおもった。マンガと映画の違いを感じる。あと、もうちょっと原作のイメージに近くて、もうちょっと演技のうまい役者さんがいてくれたら、とおもった。ナナは歌はうまいが、セリフしゃべらせるとしょっちゅう声が裏返るし、ヤスとシンちゃんは、セーラームーンの実写版みたいだ……。そんな中では、成宮くんと玉鉄がかがやいて見えた。
 あと、幸子がイメージぴったりだったのが個人的にはツボ。

お父さんはつよい

2005-07-31 15:20:23 | 映画三昧
 最近、大作ばっかり見ている気がする。親にくっついて映画を見に行く率が高いということもあるかな(在宅プチニートだから家族といる時間が多い。高校さぼりまくってた時期を思い出す)。
 あと、ミニシアター系は、一度情報収集を怠ると今なにやってるのかわからないから見に行かない、ということになる。一度見に行くとそこの予告で知ったやつを見に行って、さらにそこの予告で知ったやつを見に行って……という幸せな散財スパイラルに陥るわけだけれども。


○スター・ウォーズ エピソード3(二回目)
 六本木ヒルズで妹と見てきた。妹もわたしと同じく親にスターウォーズ脳を作られたので、ある意味身の回りで一番スター・ウォーズの話が合う人間である。六本木ヒルズは、キャラメルポップコーンの香りがただよい、未来的な内装で、とてもディズニーランドのトゥモローランド的だった(いうなればスターツアーズ)。
 二回目となると、前半の説明的な部分はやや眠い。が、冒頭の宇宙船のシーンと、後半のアナキン君が暗黒メンになったあたりからはやっぱりすごい。アナキン君とオビワンの心理描写はとてもがんばっているとおもう。役者の演技もとてもいい。ヘイデン君は何もしなくても目力だけで存在感あるし、ユアンはいい演技してるとおもった。存在感も、演技力も、どっちも役者にとっては欠かせないことだよね。
 できれば吹き替え版も見たいなぁ。


○皇帝ペンギン
 フランス語でしゃべるペンギンドキュメント。わざわざ吹き替えの注意書きがないユナイテッド・シネマとしまえんまで行ったのに、吹き替え上映だった。超ショック。フランス語がききたかった。
 皇帝ペンギンは産卵のために20日間かけて南極の内陸まで並んで歩く。そして、120日間絶食で卵を守る。ペンギンはすごい。こんなにすごいことしているのに、容姿を見ているとちっともすごくない。ただの、足の短い変な鳥だ。それが地平線の向こうまで一列に並んで歩いている姿はなんかもうすごい。笑うしかない。そんな、笑うしかない姿でよちよち一生懸命歩いて、絶食して子供を守るなんて壮絶なことをやりとげる。このギャップがたまらない。けれども、彼らは別にわざとギャップを作ってやろうとしてるわけじゃない。どう考えても歩くのに不適切な足をそれでも一歩ずつ踏みしめて歩くことも、絶食することも、やつらにとっては当たり前のこと。そこに意図的なものが何一つないから、感動的なのだ。
 人間がそんなペンギンをフィルムにおさめようとすると、やたらと荘厳な音楽を鳴らしてみたり、思わせぶりな撮り方をしてみたり、セリフをしゃべらせてみたり、装飾的になりすぎる。「ディープブルー」や「WATARIDORI」を見た時もそうだけど、動物とか自然といったものは、はっきりいって存在しているという事実だけですごいので、その上にかぶさる人間の作為が全部邪魔くさい。NHK的に、淡々としたナレーションつけるくらいのテンションがちょうどいい。
 それにしても、そうやって人間が勝手な演出効果ねらって余計なものあれこれつけくわえてすら、ペンギンはすばらしい。なんでだろうと考えてみると、それは多分、ペンギンはそれらすべてを当たり前だとおもっているからだ。ことさらに悲劇ぶろうとも喜劇ぶろうともしない。そういう無自覚さの中に本当のおかしみとか本当のかなしみとかが宿るんじゃないかな。


○フライ、ダディ、フライ
 主演が岡田くん&堤で主題歌がミスチルという、見るしかない映画。
 堤のだめっぷりがものすごかった。魂を感じた。そんなおやじのがんばる姿はなんだか爽快感。自分もがんばらなきゃならないなぁ、と思わせてくれる。
 おやじが戦っている相手は、世の中の理不尽、なのだとおもう。おやじの叫びに思わず涙してしまった。叫ぶくらいしかできない時がある。凡人だもの。ぼくら、平凡な大人だもの。
 おもった以上におもしろかった。ご都合主義的な展開はあるし、岡田くんは無駄にかっこよく描かれすぎな部分もあったが、映画をとんとん進めていって余計な事に煩わされないため、と取ればまあ気にならない。見た後、自分の中に異様に活力がみなぎる(それが持続するかどうかはまた別の話だけど)ので、元気がなくなったらまた見たい。

「スター・ウォーズ エピソード3」 伝説の終わりの記録

2005-07-11 01:40:13 | 映画三昧
 スターウォーズが楽しみすぎてまったくなにも手につかないような状況に陥った。まったく、わたしはなんの前触れもなく正気を失うので困ったものだ。たしか「ロード・オブ・ザ・リング」の時もそうだった。「東京タワー」の時もそうだった。最初から見たいとは思っているのだが、公開が近づいてくると、ある時突然見たさがマックスになって、人としてどうなのという風になってしまう。今回も、なんだか挙動不審になって旧三部作を一生懸命見返したりしてしまった。これはもう初日に見なければ気が済まない……! という衝動を抑えきれず、某氏を巻き込んで公開初日の新宿プラザに突撃することとする。本当は日中、ダースベイダーの格好をした人やライトセイバーを持った人たちに囲まれて見たかったのだけれども、某氏の都合が合わないということで、どうにか自制。某氏がバイト終わった後、オールナイト上映に行くことにする。
 それにしても先走って、上映の2時間前くらいに現地入り。某氏はわたしの好きにさせておくのが最良と判断したようで、黙ってつきあってくれた。ほとんど誰もいやしねーロビーにて、マックをもしゃもしゃ食べながら(某氏の夜ご飯)、待つ。壁の向こうから、どがーん、ぴゅーんぴゅーんてな感じのおなじみの効果音と、ジョン・ウィリアムズでしかありえない音楽と、ウーキー族の雄たけびが聞こえてくる。
 上映一時間前くらいになってぼちぼち人が集まり始める。0時15分からの回なんて、見終わった後電車ないのに、よくこれだけ人が集まるなーと、自分のことは棚に上げて思った。
 結局、約1000くらいある客席は7割がた埋まった。この時間でこれはちょっとすごい。さすがにコスプレした人なんかはいなかったけれども、始まりと終わりには歓声と共に拍手が……。ただお祭り騒ぎしたいだけの酔っ払いが騒いだだけかもしれないけれど、映画見るのに拍手が出るっていうのは、いいなぁ、とおもった。それだけの映画なんだ、スター・ウォーズは。

 
 感想としては、CGの扱い方が新三部作の中で一番こなれているように感じた。冒頭の宇宙での戦闘シーンは圧巻。このシリーズはいつも冒頭に気を使ってる感じがとてもいい。
 アナキン君がダース・ベイダーになるという結末を観客の誰もが知っているという状況で映画を作ることは、案外大変なんじゃないかなぁ。結末を知っている映画をここまで楽しんで見ることができるというのはすごいとおもった。ひたひたと近づいてくる悲劇の予感がたまらなかった。そして、どんどんエピソード4とつながっているさまざまなこと。やはり旧三部作ファンの方が、感じるところが多かったのではないかな。
 アナキン君がダース・ベイダーになってしまうまでの心理描写について、強引なんじゃないかみたいな意見もいろいろあるようだけど、わたしはこんな感じなんじゃないかなと素直に納得した。多分。ダークサイドっていうのはそもそも理不尽な代物なんだ、と。
 アナキン君がベイダーの仮面をつける時、悲しげな音楽が使われていたのが印象的。大々的に物々しく帝国のマーチを流したりするのかなーと思っていたから。ベイダーの誕生は共和国にとっての悲劇であったし、本人にとっても悲劇だったんだ、と思わせてくれた。あと、もっと前のシーンになるけれども、ジェダイの人たちが不吉な予感について話し合っていた時(かなりうろ覚え)に静かな音楽が使われていたのもうまいなぁとおもった。いつもだったらいかにもまがまがしく不吉な音楽を使っていたのではないかと。いい意味でいつものスターウォーズらしくない雰囲気のシーンがいくつかあって、それが、これがシリーズの最後なんだ、特別なんだ、という緊張感を生んでたように思う。
 ルークとレイアが誕生してから、エピソード4の時代までの20年間、オビ=ワンとヨーダはずっと息を潜めて待ってたんだなぁ、と思うと、なんか泣けてくる。エピソード4・5・6が今までとぜんぜん違う作品に見えてくる。ああー。
 戦闘シーンもすごかった。映画史上最長の剣術シーンとルーカス自身も語っているようだけど、すごかった。ぜんぜんあきなかったし。+悲壮感で、もう文句のつけようがない。
 役者としては、オビ=ワン役のユアンさんがよかったようにおもう。アナキンとパドメは、二人の愛情がなんだか稚拙に見えてしまって、もう少しがんばれたんじゃないかとちょっと残念。パドメさん、エピソード1の時が一番きれいだったような。うーぬ。ルーカスはラブストーリーが苦手なのだろうか? と思ってみたものの、エピソード4・5・6でレイア姫が反発しながら結局ハン=ソロに引かれてしまうところとかはそんなに違和感なく描けてるとおもうんだけどなー。アナキンとパドメの関係は、わたし的にシリーズ最大の難点って感じ。物語のキーポイントであるだけに惜しい。

 あと一回は見る。もしかしたらそれ以上劇場に足を運んでしまうかもしれない。わたしが生まれる前からの伝説のクライマックスだもの。子供の頃、ヒマになるとスターウォーズのビデオを繰り返し見ていた。もはや、わたしの体に染み付いているスターウォーズの空気。それが、終わるのだ。いやー、もう。
 スターウォーズの世界観は、なんか、種族の違う人たちが普通に一緒に生活してる感が好きだった。人間も、そのほか奇妙な形した生き物たちも、ドロイドも、なんか自然に分け隔てない感じが、好もしかった。
 ルーカスは作らんって言ってるけど、せっかく用意してあるなら、エピソード7・8・9も我々に見せてほしい。子供と一緒に映画館に行くさ。

やっと映画が見れた。

2005-07-07 02:37:27 | 映画三昧
 ある意味、大作ばかりであります。

○宇宙戦争
 こんなにどうしようもないタイトル見たことない。ので、まったく期待せずに親にくっついて見に行った。
 これはタイトルがいけない。SFではなくパニック映画だと思って見ればとてもよく出来ているとおもう。最初から最後までパニック。パニック以外の要素(宇宙人の正体だの、どうやって宇宙人をやっつけるの!?だの)は素敵に排除。ストーリーなどいらない、パニクれ! ということなのかもしれない。トムが宇宙人をばったばったとなぎ倒したりはしない。見せ場なし。逃げるだけー。というわけで、非常に不評みたいなんだけども、さすがはスピルバーグで、パニックという部分はしっかりツボを押さえているし、きちんとパニック気分を満喫できる。映像や音のタイミングも絶妙だし。見るほうの心構えの問題ではないのか。これはどうも原作付で、しかもリメークらしいから、ストーリー等々の穴についてはスピルバーグのせいではないのかもしれない。
 個人的に、9.11を思い出した。そういうの、狙ってる部分もあるのかもしれない。あと思ったのは、現実離れした宇宙人のどうしようもない破壊力は確かに怖いが、もっと怖いのは人間だ、ということ。パニックになった人間は、けっこう淡々と描かれていたけど、宇宙人よりよっぽど人類の脅威だとおもった。トムだって、主人公のくせに人殺しをするのだ。
 もしかしたらそういう映画なのかもしれない。
 まあ、なんといっても一番の見所はダコタちゃんのかわいらしさなのだけど。

○電車男
 ついに見た。電車男。
 前半は、2チャンネルのノリを生かしてて、スレッドの雰囲気をうまく活用してるし、大変おもしろかった。けれども、ストーリーが進むにしたがってただの映画みたいになってしまっていた。持ち味台無し。前半がよかっただけに非常におしい。どうにも、きれいにまとめすぎてる感がむなしい。まあ、このあたりが限界なのかもしれないけれど。
 わたしはどちらかといえばヲタク寄りの人間だから特におもうのだけど、全体にあふれる電車男へのあたたかいまなざしがあたたかければあたたかいほど、一般人の中のヲタへの差別意識が浮き彫りになる構造、どうにかならないものか。アキバは確かにあーゆー街で、ヲタクはきもいのかもしれない。しかし、ヲタを取り上げて平気で「きもく」描けてしまう一般人的思考の方がこわいのではないか。なんて。過敏すぎるかもしれないけれど。2ちゃんを見ている人たちがみんな問題を抱えていたり、電車男ががんばって脱ヲタして彼女できたんだからオレたちもがんばろうよてな具合にみんなが前向きに生き始めるとか、そういうことやると途端にこのストーリーは生暖かくなるというかなんというか。ヲタクでも、人間だもの。あくまで同じステージの上で生きてるっていうことを、これは電車男に限らず、そういうのを扱う作品であるならばきちんと描いてほしい。

世にも不幸せなプールさー

2005-06-07 01:19:24 | 映画三昧
 はやく、エピソード3が、見たいよぅ……!


○イン・ザ・プール
 原作を読んだ者ならば、伊良部医師→松尾スズキというキャスティングに身もだえしたであろう。をを、ぐっじょぶ。
 なんか、案外普通のいい話風味につくってあって拍子抜け。違うんだ、伊良部は、もっと、すごいんだ……! まあ、映画だけ見れば、小さく病める現代人たちのちょっといい話って感じで、よいとはおもう。現代人のかなしみ、でも案外気楽に生きていけるんじゃないかな、という。
 あとでテレビ版も見たけど、やっぱ松尾スズキは偉大だとおもった。阿部寛もがんばってたけど。


○クローサー
 前評判が悪かったわりによかった。舞台を映画化したわりには、映画のよいところが生かされていてよかった。うむ。二組の男女が行ったり来たり。人間の欲望ってどうしようもないね! 浮気する方が自然なの? ねぇそうなの? やや薄ら寒い気持ちにもなったり。大人の恋愛、なんて、多分ないんだろう。むしろ、大人の方がなりふりかまわない分性質が悪いね。
 でも、ナタリー・ポートマンがかわいいからいい。

○レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
 こじんまり感。すごくよくできていただけに残念。もっと尺があればもっとおもしろく仕上がってただろうに。明らかにストーリー端折った感。細部が凝ってただけにすごく残念。ぜひ連ドラでやってくれ。
 それにしても、若くてかわいい子は性別に関係なく、目の保養になっていいなぁ。超癒される。

四月の映画

2005-05-13 23:18:56 | 映画三昧
おお、せめて見た映画のタイトルくらいは記憶しておきたいものだ。それにしても幾ら使ったんだろう。
 記憶の断片小説。


○ローレライ
 日本映画の悪い見本。役者は豪華なので、そこんとこは見飽きない。この人たちで3本は映画作れるなと思いながら見る。綾波ソナー。

○エターナル・サンシャイン
 「マルコビッチの穴」を作った人たちのおかしくってかなしくってって感じはけっこう好きなのだ。でも、わたしは厳密には失恋をしたことがないので、失恋ってこういうものなのっていう肝心なところがよくわからないのだったりする。

○ディープ・ブルー
 そりゃあ確かに海の生き物たちはすごいけど、夜中にたわむれにNHKつけるとこういうドキュメンタリーやってたりするよね。1000円払うべきだったろうか。まあ、大画面の威力とかはあるけれども。こういう映画で一番重要なのは音楽だとおもう。というか、映画において一番重要なのは音楽なのではないかとおもう今日この頃だ。そういう意味でこの映画はちょっと残念だったな。

○Shall we Dance?
 作りがかなり忠実、でもところどころアメリカナイズ。リチャードはなにやったってかっこよくなっちゃうんだよ。バラとか持って様になっちゃうんだから。この映画のアメリカでの評判が気になるなぁ。メガネリチャード激しく萌え。

○コンスタンティン
 ブラック・キアヌがかわいい。天使とか悪魔とかそういう世界観が好きな人はきっと好き。わたしはとても好き。続編作れそうな終り方だったけど、続編できたら嬉しいなぁ。

○真夜中の弥次さん喜多さん
 好き勝手やり放題映画。好き嫌いははっきりキッパリわかれるであろう。わたしは好き。長瀬の男っぷりと七之助の女っぷりは見物。二人の手をつなぐ姿はなんだかおそろしく良くって、男女じゃあこういう恋愛は不可能かもしれないとしみじみ思ったわけだ。こんなにまっすぐ相手のことを想うなんてさ。人前で恥ずかしげもなく大人げもなく号泣するような。
 前半のどうしようもない展開は、後半ちょっとだけイイコトを言うための隠れ蓑というかめくらましだったのではないかとおもう。愛の物語、だよね?

○キッチン・ストーリー
 北欧映画。ある独身男性と、独身男性のキッチンでの動きを研究のために一日中椅子に座って監視しているおじさん。この設定だけで1時間40分ひっぱる。期待通り、観察されてるおじさんと観察しているおじさんとのあいだに友情が芽生えていくわけである。小さく笑えるほのぼの映画。

○舞台よりもステキな生活
 子供嫌いの劇作家が、近所に越してきた子供と触れ合って徐々に心を開いていく。設定を聞いただけでストーリーが最後までわかる系なのに、細部がなかなか凝っていておもしろく見れた。

○阿修羅の瞳(ビデオ)
 素で泣いた。向田邦子は本当にすごい。

○きょうのできごと(ビデオ)
 原作は既読。学生映画、みたいな感じ。特にどこがいいって感じでもなかったけど妻夫木くんと柏原弟が出てたからいいか。

○ヴァイヴレータ(ビデオ)
 学生映画っぽい。というのは、なんか、病んでる感じが。それにしても寺島しのぶ力。なんかすごくすごい。男主人公が本当に優しくて、あんなに優しい男は映画の中ですら始めて見た、とおもう。一度でいいからあんな優しい人と付き合ってみたい。

○コーラス
 筋はどこかで見たような感じ。よく出来てはいたけれど。とにかくあの男の子の歌がすごい。歌だけ歌ってればいいのではないか。