婚姻届を埋めている彼の背中を眺めながら、別の人とこうやってこれを書くつもりだったんじゃなかったっけ、と、今世紀最大の不思議な気持ちにつつまれる。その別の人とこうやって婚姻届を書いたことなんてあるはずないのに、懐かしい光景を眺めているような気にすらなった。
とはいえ、そんな感傷に浸る時間はもうおしまい。証人欄も埋めてもらって、あとはお互いにハンコをおして、役所に提出したら、旧姓のハンコは燃えないゴミになる。12時間後にやってくる引越しトラックに積み込むために箱詰めだってがんばらないといけない。もう考える時間はおしまい。
前に進むのだ。
とはいえ、そんな感傷に浸る時間はもうおしまい。証人欄も埋めてもらって、あとはお互いにハンコをおして、役所に提出したら、旧姓のハンコは燃えないゴミになる。12時間後にやってくる引越しトラックに積み込むために箱詰めだってがんばらないといけない。もう考える時間はおしまい。
前に進むのだ。