ドーナツ畑の風に吹かれて

おかわり自由のコーヒーを飲みながら、廻る季節をながめて、おもったこと。

絶対運命黙示録

2005-05-22 04:35:55 | 日記
 丸二日間かけて、「少女革命ウテナ」全39話を友人と二人で見た。全部、見た。
 長い、長い戦いだった……! 念願だったのだけどな。ウテナは見ないわけにはいかないでしょう、と。すげぇ作品だった。意味がわからん。そのあまりのわからなさ加減が心地よいほどだ。この、生理的嫌悪以上本能的恐怖未満みたいな雰囲気はなんなのだろう。絶対的にグロい。テーマがグロい。のに、皮膚一枚隔てた向こうに快感があるこの感じ。ああ。これは、もはや理屈では説明不可能で、「考えるな、感じろ!」というのがファンの間では原則だったらしい。確かに。テーマは、いくつかありそうだけど、理不尽に交錯していて、多分ノリだけで作っちゃった部分も多々あるし、もうどうしようもない。抗いようがない。心の目で見ろ! フィーリング!
 テーマは、多分、思春期の終わりとか、大人による子供時代への復讐とか、女の悲劇と逆襲とか、理想と現実の残酷とか、とにかく世界のグロテスクな根底を大体網羅してる感じなのだとおもう。それを一言で表すと「少女革命」なのかしらね。全部見ると、このタイトルがなんだかすごく説得力あるんだよなぁ。たまに強烈に感情移入してしまうエピソードが出ていてのけぞった。
 そして、音楽がすごい。もう、理屈とか通用しない次元。寺山修司の弟子が作ったらしい。超納得。

 なによりも素敵なのはウテナ上映会を決行する仲間がいるということだとおもった。
 友人の家で酒を飲みながら、見た。そして語った。10年前のアニメを蔦屋で大人借りして楽しむ仲間がいることの素敵さ。いつまでもそんな風に楽しめる大人でいたい。そんな風に楽しむ仲間のいる大人でいたい。


 ウテナを見ている間は、卒論も就活も忘れられて幸せだった。

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