山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

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「障害者総合福祉法」(仮称)の骨格提言はどうなっていたか

2013年09月01日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第86回目。

 民主党政権時に、「障害者総合福祉法」(仮称)制定に備えて骨格提言がまとめられた。以下のとおりである。
     
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【引用始め】

http://www.asai-hiroshi.jp/doukou.html
   
「障害者自立支援法に関する動向

  2011.1.15作成/ 2013.7更新

 「障害」をどのようにとらえ、
 障害をもつ人の「福祉」をどのように考えるかということが
 基本的には大切なわけですが、

 人の暮らしという視点でいえば、どのように暮らすか、
 どのように暮らせるかということは
 障害の有無には関係なく誰にとっても重要なことだと思います。

 実情を無視した法律を施行すれば当然無理や混乱が生じます。

 障害者自立支援法による新事業体系への移行が
 なぜ順調に行かずに現在に至ったか
 についての思慮ある政策であってほしいと思います。
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◆新法「障害者総合福祉法(仮称)」の骨格に関する提言
  
 平成23年8月30日、障害者自立支援法に代わる
 新法の骨格に関する提言がまとめられました。

 平成23年8月30日に、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第18回)が開催され、
 障害者自立支援法に代わる新しい法律の素案となる
 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言
  ―新法の制定を目指して― 」が、
 部会構成員の合意によりまとめられ、9月5日に公表されました。

  ― 提言の趣旨 ― 

 提言の「はじめに」、提言をまとめるにあたっては、
 2つの文書を指針に検討作業を行ってきたということが記されています。

 その1つが、平成18(2006)年に国連が採択した障害者の権利条約で、
 もう1つは、平成22(2010)年1月に国(厚生労働省)と
 障害者自立支援法訴訟原告ら(71名)との間で結ばれた基本合意文書であり、
 これらの文書は、障害者総合福祉法(仮称)の骨格に関する提言をまとめるに際し、
 基本的な方向を指し示す重要な役割を果たしたということです。

 そして提言では、新しい法律が目指すべきこととして
 次の6つの目標を最初に掲げています。

<障害者総合福祉法が目指すべき6つのポイント>
 
(1)障害のない市民との平等と公平
 障害は誰にでも起こりうるという前提に立ち、
 障害があっても市民として尊重され、誇りを持って社会に参加するためには、
 平等性と公平性の確保が何よりの条件となります。
 障害者総合福祉法がこれを裏打ちし、障害者にとって、
 そして障害のない市民にとっても新たな社会の到来を実感できるものとします。

(2)谷間や空白の解消
 障害の種類によっては、障害者福祉施策を受けられない人がたくさんいます。
 また制度間の空白は、学齢期での学校生活と放課後、卒業後と就労、
 退院後と地域での生活、働く場と住まい、家庭での子育てや親の介助、
 消費生活など、いろいろな場面で発生しています。
 障害の種別間の谷間や制度間の空白の解消を図っていきます。

(3)格差の是正
 障害者のための住まいや働く場、人による支えなどの環境は、
 地方自治体の財政事情などによって、質量ともに大きく異なっています。
 また、障害種別間の制度水準についても大きな隔たりがあります。
 どこで暮らしを築いても一定の水準の支援を受けられるよう、
 地方自治体間の限度を超えた合理性を欠くような格差についての是正を目指します。

(4)放置できない社会問題の解決
 世界でノーマライゼーションが進むなか、わが国では依然として
 多くの精神障害者が「社会的入院」を続け、
 知的や重複の障害者等が地域での支援不足による
 長期施設入所を余儀なくされています。
 また、公的サービスの一定の広がりにもかかわらず
 障害者への介助の大部分を家族に依存している状況が続いています。
 これらを解決するために地域での支援体制を確立するとともに、
 効果的な地域移行プログラムを実施します。

(5)本人のニーズにあった支援サービス
 障害の種類や程度、年齢、性別等によって、
 個々のニーズや支援の水準は一様ではありません。
 個々の障害とニーズが尊重されるような
 新たな支援サービスの決定システムを開発していきます。
 また、支援サービスを決定するときに、本人の希望や意思が表明でき、
 それが尊重される仕組みにします。

(6)安定した予算の確保
 制度を実質化していくためには財政面の裏打ちが絶対的な条件となります。
 現在の国・地方の財政状況はきわめて深刻であるため、
 障害者福祉予算を確保するためには、給付・負担の透明性、
 納得性、優先順位を明らかにしながら、
 財源確保について広く国民からの共感を得ることは不可欠です。

 障害者福祉予算の水準を考えていく上での
 重要な指標となるのが、国際的な比較です。
 この際に、経済協力開発機構(OECD)各国の社会保障給付体系
 の中における障害者福祉の位置づけの相違を丁寧に検証し、
 また高齢化などの要因を考慮した上での国民負担率など、
 財政状況の比較も行われなければなりません。
 当面の課題としては、OECD加盟国における平均並みを確保することです。
 これによって、現状よりはるかに安定した財政基盤を図ることができます。

【引用終わり】

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 以上のように、「障害者総合福祉法(仮称)が目指すべき6つのポイント」は、重要なことを指摘したものである。
 それも、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会構成員の合意のもとでなされた提言であった。
 この趣旨が、今回の「障害者総合支援法」に盛り込まれている。
 共生社会に向けた取り組みを図っていく。
 難病に対する理解も進んだ。
 地域移行をさらに推進していく。
 厳しい財政事情の中でも財源の確保に努める。
 法の理念を実現するのは、あくまでもそれに関係する人々の努力と工夫によるところが大きい。
 障がいにあった、地域の事情に合わせたきめ細かな対策は、そのつどうっていかなければならない。
 (ケー)


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