僕の菜園日誌

家庭菜園40%、水彩画40%その他雑記20%の生活ブログです。ごゆっくりどうぞ。

サツマイモ

2005年05月15日 | ライフ
物を捨てられない世代の人がいる。うちの父がそうだ。
ひと昔前の家電製品なら少々調子が悪くなっても全部直していた。

もともとバスの整備士だった。しかし違う能力をかわれて観光バスの営業課に配属代えになった。
その後、営業所長として成績の悪い営業所にあちこち定期的に転勤を言い渡された。
おかげで私は小学校を3校、中学校を2校通った。
高校は1校ですんだがその間に父は1年間単身赴任をした。

その後、私が学生時代の帰省先は東京江戸川区だった。
数年間、東京営業所の所長だった時期があるからだ。
東京ディズニーランドの花火が実家のベランダから良く見えたのをおぼえている。

父は昭和11年生まれのねずみ年で、満州で生まれた。
小学生の夏休みにたまたま本土のおじさんの家に遊びにきていた。
そこでサツマイモを植えたそうだ。
「僕はこのサツマイモが大きくなるまで家(満州)には帰らない。ここにいる。」
父の母親と妹だけは満州に帰ったらしいがその直後に終戦をむかえ、ふたりとは生き別れになってしまった。
今でもその消息はわからない。サツマイモが縁で父は助かった。
私の母から聞いた話である。

その父が定年後にパソコンを始めた。
パソコン暦は私よりむしろ長い。一太郎やロータスを昔は使いこなしていた。
今でもワードやエクセルはお手の物である。しかしなんせマシンがふるい。
一度も買い換えていないのである。
おおよそ10年前のIBMのアプティバではないだろうか。OSは98。
それに最新版のセキュリティソフトをインストールしている。(おいおい)
電源を入れると異様な音が響く。
待つこと5分以上。やっとピカピカ光っていたHDのランプが消える。
父は慣れた手つきでその愛着あるマシンをあつかう。
ものを捨てられない世代である。

父も趣味の野菜作りをやっている。まだまだ元気である。
家から車で40分。山の中に彼の畑がある。
今年もサツマイモを植えるのだろう。
園芸屋ではもう早々にサツマイモのつるが売られている。
私はこの時期になると決まってその「父とサツマイモの話」を思い出す。
胸が熱くなる。
今年も炎天下のした、サツマイモをたくさん、たくさん、植えようと思う。

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3 コメント

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切ない・・・ (モネ)
2005-05-16 05:16:18
サツマイモが大きくなるまでいたおかげで、日本に残れたのですね。

でも家族とは生き別れ・・・切ない。戦争って残酷ですね。



Cezanneさんの、お父さんへの尊敬と愛情が伝わってきました。

エッセイみたいです。
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風邪? (Cezanne)
2005-05-16 18:17:25
おやじとサツマイモとの縁は私自身の方が感慨深いものになっているのかもしれません。

本人はそんなそぶりは一切見せませんのでね・・・。私が毎年それをみて思うだけです。



ところでこんな時期に風邪を引いてしまいました。日本は最近朝夕肌寒かったりするのです。

今日は休日で畑をやる予定だったのですがひどくなるといけないのでおとなしくしています。

風邪といえば子供からよくもらいます。この冬はウィルスの超豪華フルコースでした。

インフルエンザB、それにA、そのほかにも2度ばかり風邪をもらいました。

とにかく子供からはよく風邪をもらってしまいます。

妻はその点強いです。ほとんどひきません。だからわが家は助かっています。

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お大事に (モネ)
2005-05-16 19:16:08
風邪はしんどいですねぇ。

私もイタリアから帰るときに引いた風邪が

すっきり直らずにずっと咳き込んでます。チビ達も。

Cezanneさんちは奥様が強いんですね。それは大切!

インフルエンザを2種類もやっちゃうなんて、大変でしたね。

こちらも、朝晩は寒く、昼間は汗ばむほどだったり、

日によっては一日雨で肌寒かったりします。

風邪は万病の元だから、しっかり治してくださいね。

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