5月末わが家の東側の外壁にキアゲハらしき蛹(さなぎ)がぶら下がっていました。わが家のそのまた東側には僕の菜園がある。菜園の西端の一番目の畝が人参。彼女は(僕は勝手にメスだと思っている)そこで孵り、無事に終齢幼虫まで育ったのでしょう。最後の蛹(さなぎ)への変態をむかえる場所が人参の頼りない茎ではちと不安と思ったのか?彼女はそこから遅い歩みで最適の場所を探しながら長旅を続けて「まあ、ここなら・・・」と辿り着いたのがわが家の外壁だった様です。
僕は後になってこの蛹(さなぎ)に気がついたのですが、彼女がここにたどり着いた時からいち早くそれに気づき、僕よりも先に日々観察をはじめた人間がいたのです。意外にもそれが家内であるとは・・・。今日の冒頭の写真を納めたのは実は家内なのです。今日は彼女の撮った観察画像をご覧ください。
さて、その幼虫は最初、幼虫の姿のままで蛹(さなぎ)のポージングをとり、
さながら電柱に上って作業をする人のように腰にローブを回し自らの体をその重みでぶら下げる。次に
緑・だいだい・黒の迷彩スーツを脱ぎ、蛹(さなぎ)に変態。下にスーツが丸まって脱ぎすてられています。その後ひたすらぶら下がるだけ。夜になるとすぐ上の窓には明かりが灯り、それに群がる虫を狙ってヤモリが何匹も出現する。・・・よく無事でいられたものだと感心する。
蛹(さなぎ)のままで12日間。
13日目の朝、幸運にも羽化する
その瞬間の画像を妻がとらえた。幼虫からはとても想像できない姿。
まだ羽根が濡れている。完全に乾ききるには1時間も2時間も時間がかかるだろうと妻は昆虫図鑑の知識でそれを知っていた。この冒頭の画像を撮影後、家内は家事をするために一度家に入った。それから1時間後、彼女の姿は突如消えていた。ショックの妻。鳥に食われたのか、それとも無事空に羽ばたいていったのかそれはわからない。
翌日僕はフェンネルにぶら下がっている別の蛹を見つけてやった。妻はそれをプラスチックのケースに入れて室内で飼っていた。羽化する瞬間を見逃してもその後、室内だから鳥に襲われる心配はない。が、ショック。その蛹は別の生き物に寄生されていた。小さな羽虫が蛹の身体を突き破ってウヨウヨ羽化したとのこと。
キアゲハが無事に成虫になり畑を飛び回るまでの確率はどのぐらいだろう・・・。完全無農薬栽培でこれだけのニンジンが無事に収穫できる。キアゲハへのおすそわけどころが大盤振る舞いをしても良いと思う。キアゲハの幼虫はよく見ると
愛らしい姿をしている。そう見えてきませんか?