今日もワシクリへ撮りに行ってきました。
2レ EF8182+24系【北斗星】 (8:52) 2009/10/29 東北本線栗橋~東鷲宮間
9582M 183系10両 (8:57) 2009/10/29 東北本線栗橋~東鷲宮間
配8146レ EF81139+485系モハユニット (15:06) 2009/10/29 東北本線栗橋~東鷲宮間
(クリックすると別アングルの拡大画像をご覧いただけます)
24系訓練の直前に下っていく列車でいつも撮れなかった5561レ。
全車が緑タキで統一され、今日は20両と圧巻でしたが、ちょうど曇ってしまい…
5561レ EF210-125+緑タキ (16:07) 2009/10/29 東北本線東鷲宮~栗橋間
日に日に日暮れが早まる今日この頃
空港ターミナルの平面形態(4) の続き。最終回です。
第6章
前回最後に示したトレースデータ一覧を、“分類化”いわゆる“タイポロジー”して、その特性を把握します。本来であればカタチを数値化して分類せねば意味がないのですが、今回は見た目で7つにタイポロジーしました。 ①直線タイプ
フィンガーや分離ピアの一部がおもに分類されるタイプで、直線的に伸びるエアサイドターミナルが特徴的。直線的に搭乗口が並んでいるため、搭乗口を確認しやすい利点があります。日本では関西空港や中部国際空港がこれに該当します。 ②曲線タイプ
世界視野で見ると僅少な形態です。このタイプは、駐車場からランドサイドへの距離が均等なメリットがある一方で、デザイン的には左右対称が多いです。新千歳空港は同じ形態の国際ターミナルをとなりに建設中です。 ③図形タイプ
上空から見ると図形っぽくなっているのがこれに分類されます。このタイプは図形で言う“辺”が多いため発着便数が多く、比較的最近に開港し増築を視野に入れている空港がこれに該当します。クアラルンプール国際空港も「X」字のターミナルを南西に増築中です。 ④放射タイプ
道路や新交通システムでもって複数のターミナルが円を描くように配置された形態の空港がこのタイプ。各ターミナルはおもにフィンガーで構成され、全体で見ると放射型のように見えます。9個中7個がアメリカで、もちろん日本にはありません。 ⑤不定形単純タイプ
土地形状を優先で造ったと思われる単純な形態を持つターミナルが分類されます。また、増改築を行なった形跡も容易に確認できます。世界的にはこのタイプの空港が一番多く分類されました。福岡空港も国内・国際で別々のデザインコンセプトゆえにこれに分類されます。 ⑥不定形複雑タイプ
不定形でありながらも立地条件やターミナルの繰り返される増改築の様子が明白なタイプ。面積に対して周長が長いのも特徴である。また、図中のヒースロー空港周辺は複雑なターミナルビルの影響で常に渋滞しており環境劣悪化も問題になっているそうです。 ⑦特例タイプ
このタイプはあらかじめ利用者数、発着便数を見込んで、さらにデザインも意匠的に造られた“完了形”な空港が該当します。ジャカルタとキングハーリドは王族専用のターミナルも兼ねた凝ったデザインの空港。北京国際空港はオリンピックのために造られた世界最大の空港です。 ←世界75空港、各地域の平面形態の割合
現状では、世界では不定形の空港が実に多いですね。放射タイプを不定形とするのなら、世界の空港はカタチがごちゃごちゃしているのが半分、図形っぽいのが半分といったところでしょうか。
地域別で見ると放射タイプは北アメリカがほとんどで、不定形、図形タイプはほぼ全世界で見られるということです。また、曲線タイプはアジアにしかないことも、ある意味おもしろい発見かもしれません。
第7章
さて、以上のことを踏まえて各統計と形態との関連性を検証します。
ここでは利用者数と発着便数と平面形態をお見せいたします。 ←利用者数・発着便数における平面形態の割合
利用者ベスト30の空港だと、放射タイプ27%、図形タイプ23%、複雑タイプ20%と続きます。検証の観点では、それぞれ全く違う特徴があっても割合はほとんど変わらないのでカタチと利用者数の関連性はとりわけないと言っても良いのかもしれません。発着便数もほぼ同様の結果で、こちらもカタチと発着便数の関連性はあまりないのでしょう。もちろんこの結果は見た目での結論で、実際はいろいろな問題もあるのだと思います。
本研究では開港年での平面形態も調査しています。1925年頃は全体の半分近くが(現在のところ)不定形ですが、1985年以降になると不定形の空港はほとんど造られていません。まぁ、当然のことを示したまでです。
また、統計の人気空港ベスト10に平面形態をあてはめてみると約6割が直線や図形タイプであることもわかりました。予想通り、カタチが明瞭な方が利用者も使いやすいのですね。
第8章
まとめますと、古い空港はカタチがごちゃごちゃしてる反面、最近の空港は図形的であったりデザインに凝っていたりと完了形に近いカタチをしています。それでも特にカタチによって利用者が少なかったり発着便数が多かったりという得意不得意はないことがわかりました。はい、大きいことはそれだけです…。
これらを数値で完ぺきに分類できれば、それこそわが研究室のテーマであり、すばらしき卒業研究になるのでしょうが、まぁそれはこの研究に興味を持った後輩たちが頑張って引き継いでくれることでしょう(笑)
参考文献(詳細略)
・関西空港調査会発行『エアポートハンドブック2007』
・ネット上の各種統計
・日本建築学会大学学術講演梗概集
・国際図学会論文
・先輩方の論文など
※最後までご覧いただきありがとうございました。