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道州制、易姓革命、外国人参政権には反対です。伝王仁墓に百済門を作るのは場違いであり、反対です。

「道州制」や「廃県置藩」より、「官僚主義」の改善を

2008年10月17日 | 領土・道州制
産経:【正論】早稲田大学教授 榊原英資 「この国のかたち」変えるには
道州制は望ましくもないし、また、実現可能でもないだろう。まず、日本を半独立国的な数個の地域に分けることが可能だろうか。(中略)日本の歴史上、いくつかの地域に分裂した時期はほとんどなかった。
≪江戸幕藩体制にヒント≫
日本の地方分権は平安時代からの荘園、そして江戸時代に完成されていった藩という形をとっていった。
ミニ国家の集合体にするかの如き「道州制」への批判には、激しく同意。「県民ショー」がエンターテインメントになるほど、日本は多様性に富んでいるが、あくまで日本という枠組みである。さて、藩をベースに考えるのは、小選挙区を300にしたアイデアと同じである。筆者的には、古代の国制と県がほぼ近い枠組みである事に、もっとしっくりくる。

榊原氏は「廃県置藩」を提唱している。今さら封建制ではないのだから、「藩」にはちょっと違和感がある。藩は半独立的政治単位だから、「ミニ道州」同然であると言っても過言でない。その体制は、日本の近代化と同時に終わったものである。中央集権に問題があるというが、問題なのは「官僚主義」であって、そのまま分割したところで、官僚主義が金太郎飴方式に分割されて増殖するのが落ちである。

何か問題があると「規制強化」を言われるが、実際には必要書類が増えるだけで、問題解消にはつながらなかったりする。また、表面だけ繕うものだから、かえって内実が悪化する、といった具合である。そうした無策や無様(ぶざま)のために、色々な問題が生じ、いつのまにか悪化してきた。

追記:榊原氏のコラムは民主党小沢氏とタッグを組んだものであろう。

産経:小沢民主党代表、道州制に否定的 国と基礎的自治体の2層構造に 2008.4.22
小沢一郎代表は、25日発売の榊原英資早大教授(元大蔵省財務官)著『政権交代』(文藝春秋)での榊原氏との対談で、地方制度や政府などの抜本改革の構想を披露した。小沢氏は地方分権に関し「今は国と都道府県と市町村、地方ではそこに国の地方分局が加わって、4層構造だ。これは2でいい。1つは中央政府、あとは基礎的自治体に全部やってもらう」と述べ、「中央政府」と、同党が主張する全国で300の「基礎的自治体」の2層構造に再編する考えを示した。
国と基礎自治体の2層構造では、確かに幕藩体制に非常に近い。まあ人口30万~50万人の都市国家の連合体にしようという議論だと理解してもいいだろう。1万人とか100万人といった単位ではない。

もちろん小沢氏は小選挙区を念頭に置いて言っているんだけど。

#藩や基礎自治体といっても起源的には、守護、国人、惣村、それから荘園が混在している(この問題はいずれ

2層構造論は殆ど革命主義だと思う。物事はただすっきりすればいいものではないと思う。人体アナロジーで言えば、細胞が直接人体を構成するのではなく、細胞>器官>人体である(比喩論はあまりよくないが)。

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2 コメント

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Unknown (民す党)
2008-10-17 13:24:08
榊原英資氏の考える「藩」がどういうものかは分かりませんが、「藩」のあった地域は、長い間の歴史・文化の同一性・一体感を生む領域ですので、分からない訳ではありません。
交通手段の高速化や、行政の広域化・効率化を考えると、「藩」よりも違う次元で、広域化した行政もありかなと思います。
しかし、地方主権という言葉には違和感があり、地方分権という名前に隠して、地方の分離独立化をするようなことには大反対です。
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2層構造論 (worldNote)
2008-10-17 14:20:25
榊原氏の論は「道州」のような地方単位は大きすぎるという事で、「藩」はサイズとして、伝統や地理にも即しており、相応しいというものですが、それはサイズの問題で、実際の所は「道州制」をミニサイズに置き換えて議論を継続するもののように思われます。

道州制論も3層構造で、県制を組み替えるのが基本ですが、2層構造にしようというのは、民主党小沢氏の議論なんですね。
(以下、本文に追記)
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