先週、「交通安全展覧会」なる奇妙な展覧会が開かれた。
主催者は「ミャンマー交通安全協会」とあるが、実態は交通警察の主催である。
展覧会の会場には交通警察官やら、治安警察官やら、軍人などがウヨウヨいて、一般来場者はもしかして自分一人だけではないのかと思えるほどだった。
なんか場違いの所に来てしまったかなと思った。
交通安全に関する展示会ではあるが、道路行政、バス行政、タクシー行政、運輸、船舶、鉄道など広範囲の展示やミャンマー製ジープ、トラックなどの展示があってそれなりに面白かった。
でも、なぜかワイン工場の展示があったり、鍋、やかんなどの金物、即席ラーメンまで販売されていて何の展示会なのかわからなくなった。
この展覧会で何よりびっくりしたのは、交通事故や鉄道事故の本当に生々しい写真パネルがたくさん展示されていたこと。
車同士が正面衝突した事故ではぺしゃんこになった車の中で内臓が飛び出してぐったりとしている人の姿が...
とてもブログでは紹介できない悲惨な写真が「これでもか」というほど展示されていた。
日本ではこんな写真の展示はあり得ないだろうが、見学した人は交通事故の怖さを思い知ることになり、それはそれで十分な効果があるだろう。
ぜひ、乱暴な運転を繰り返しているバスの運転手たちに見せたいものだ。
ところで、なぜ自分がこの展示会にわざわざ行ったかというと、ミャンマーに「交通マナー」や「交通規則」に関する教本、マニュアルがあるのか知りたかったからだ。
結果は残念ながら、そのような本はなかった。
このような展示会を開くことも意義はあると思うが、それよりも先に運転マナーというものを教育してほしいと思う。
いつも頭にくるのは歩道を歩いているとき、小さな路地に入る車が減速もしないで目の前へ突っ込んで来ること。
これは危なくてたまらない。
日本では右折や左折の車が横断歩道を横切ろうとするとき歩行者がいる場合は、歩行者を優先させないといけない。
無理に突っ込んで歩行者を退かせば道路交通法の違反になる。
雨の日、路上にぬかるみがあり車が通ると泥がはねてしまうが、歩行者に泥をはねることはこれも道路交通法の違反になる。
ミャンマーではそんなことお構いなしで、歩行者が気をつけないと泥だらけになってしまうのだ。
以前、市内バスに乗って運転席のすぐ側に座っていたとき、前方にお婆さんが横断歩道を渡りかけていたのだが、バスは減速するどころか逆にエンジンをふかしてお婆さんを脅かし、その音に驚いたお婆さんが後方に腰を抜かしてひっくり返ると、「あはは..ひっくり返ってやんの」と車掌と一緒に大笑いしている運転手を見た。
ミャンマーの運転教習所では運転マナーなど何も教えていない。
まずは、運転マナーの教本を作成して、教習所で教えてもらうように運動するしかない。