「 桜人(さくらびと)~終章しづ心なく~」
作詞:紀友則、西行 作曲:さだまさし
編曲 さだまさし/Strings 渡辺俊幸
<アルバム「美しき日本の面影」より 2006.9>
1. 桜人~序章 春の夜の月~
2. 桜桃(さくらんぼ) 3. さよなら 4. 献灯会
5. 向日葵(ひまわり)の影 6. 鉢植えの子供 7. 悲しい螺旋 8. 愛の音
9. 大晦日(おおつもごり) 10. 天然色の化石2006 11. サクラサク
12. 桜人~終章しづ心なく~
作詞家を見てください!作詞:紀友則/西行ですっ(笑)。つまり「古今和歌集」と「新古今和歌集」が出典なんですね。ちなみに西行の
「願わくは 桜の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ」
はこのBlogの06-3-18に採り上げた事もあり、その偶然にもちょっと驚きです(笑)。この曲はこれらの歌にメロディを乗せているのですがとても素晴らしいです!ちなみに1曲目は藤原道真/藤原俊成女・・etcの歌に曲を乗せています。素晴らしいです。
今回のさださんのアルバムは、近年の中では傑作と言いきれるでしょう。正直言ってここ数年のさださんのアルバムにはちょっと「まったり感」みたいなものも正直感じるものもあったりして・・・(^^;、佳曲ももちろん多いのですが、でもちょっとだるい感じの曲もあったりして、アルバム全編を俯瞰して"大傑作"とはなかなか言い切れないようなもどかしさも感じていました(あくまで私個人の感想ですがネ・・・(^^;)。でも今回の作品は、例えばグレープ解散直後に発表したソロ・アルバムなんかに近い感じかなぁ。それぞれの曲に"締まり”を感じる名曲揃いです。購入直後から”リピートモード"突入です(笑)。
さださんには演奏家、コンポーザー、(歌)詩人や小説家などの沢山の側面がありますが、今回は歌人モードの印象が強い感じです。特に5曲目「向日葵の影」なんかは、全編短歌ベースの歌詞でそれに曲をつけています。さださんは歌人としても天才ですっ!そうそうこの曲、ある亡くなった知人に捧げた、実話を元に書かれています。 私はこの曲、スタバでコーヒーを飲みながら、イヤフォンで、さださんの曲解説を読みながら聴いていたのですが、途中から大泣きしてしまいました・・・。普段なら、ちょっと位なら目の縁をこすったりしてごまかせるのですが、今回は涙が頬を伝わるほどだったのでちょっと隠しきれませんでした(^^;。きっと周りの人からは変なヤツと思われたことでしょう・・・(笑)。それほど美しく悲しい曲です。
実は私の中ではここしばらく名句・名詩がマイブームなのですが、言葉数が少ないほどどうして感動が大きくなるものかとあらためて驚いているところなんです。例えばこの曲でしたら、最初の歌詞
"送り火を 焚く軒先に 妹背鳥(せきれい)の 短く鳴いて 庭を飛ぶ影"
とか
"向日葵(ひまわり)の 花の僅かに うつむける 影を眺むる 影に声なし"
う~・・・ん、なんて切ない悲しさなんでしょう・・・。涙が出てきます・・・。先の詞は「短く鳴いて」があまりにも切ないです。後者は「影を眺むる影に声なし」。大切な人を失った時の喪失感がひしひしと伝わって聞く人の心を貫きます。バイオリンの音色はレクイエムそのもの・・・
※余談ですが、最近の世に氾濫している歌の歌詞には丁寧に状況や心情をなぞるものが多いわりに感動できないものが多いです。それはきっと、リスナーに自由な解釈をさせる「余白」を殆ど与えていないせかな、と思いました・・・。
それはともかく、こんな短歌/詞/詩も含め、今回のさださんのアルバムには、カタカナ語は数点(1点?)しか出てこないで"美しき日本"が全開です。でももちろん偏愛的な思想に基づいた愛国心ではなく、日本の風景と日本人の心情の美しさを謳う名アルバムになっています。近年のさださんのアルバムの中でも特に傑作です!
老若男女これを聴け!
です(笑)。内容は私が保証しますっ
(でも自己責任でねっ<おいおい(笑))
今回も"日本の宝"鈴木智雄氏が参加されてサウンド的にも美しいです。そうそう、さださんが敬愛するあのPaul Simonが先般60才を過ぎてなおな、なんと
ブライアン・イーノと組んだ野心的なアルバムを出して驚きました!願わくばさださんも、いつまでもお元気でそんな風に頑張って頂きたいものだとしみじみ思っております(^^)。だってさださんは今や
滅び行く"美しき日本(の心)"を惜しむ人々の
最後の"心の砦"なんですから・・・
(>さださん、そんな風に勝手に思っておりま~す・・・(^^;)
<<続報!!>>
06.10.2
-メルマガより引用-
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大好評アルバム『美しき日本の面影』から、
『向日葵の影』がNHKラジオ深夜便「深夜便のうた」に決定!
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このアルバムでひときわ美しいギターの音色と命の尊さを印象づける
『向日葵の影』が、NHKラジオの深夜放送番組「ラジオ深夜便」
10~11月の「深夜便のうた」に決定しました!10月中旬に発売されるこ
の番組の月刊誌には『向日葵の影』のメロディ譜も掲載される予定。
ラジオで『向日葵の影』が放送される時間は、下記URLの月刊誌「ラジ
オ深夜便」の中の「深夜便のうた」情報として掲載されていますので、
ぜひチェックしてみてください。
↓NHK「ラジオ深夜便」
http://www.nhk.or.jp/radiodir/shou/shinya/shin.html
↓月刊誌「ラジオ深夜便」
http://www.nhk-sc.or.jp/radio/
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前からこの曲のことは聴いていたんですが、最近時間が出来たので聞いてみることにしました。
詩もそうですが亡くなった親戚のことを思い出し涙が流れました。
さださんはもうチャートで評価されるアーティストではないし、そもそも私は今のヒットチャートにあまり大きな意味を見いだせませんので<オリコンさんゴメンナサイ(^^;、静かに広くこのさださんの世界が広がることを願っておりま~す。ではまた。
「さよなら橋」に出てくる「五月闇」
このことばは、アルバムを聴くまで知りませんでした。
この一言で情景をそして心情を想像することが出来る。
なんてすてきな国の言葉でしょうか。
ほんとうに老若男女に聞いてほしいアルバムです。
もしかしてそれは「Music Fair」では・・・?なら私も見ましたよ~。あの番
組、本当はこのBlogで取り上げた夏川りみさんの曲が目当てで見ました(^^;)。
でも、もちろん番組全部とても楽しかったです。
ちなみに、別に改めて言うほどではありませんが、私がこのBlogで書いている
ものは全部自前で買ったCDばかりです(笑)。たまぁ~に私を業界関係者と思
いこまれている方がおりますので一応書きますが、私には業界に知り合いは全
くおりません(笑)。それと、アフィリエイトも私の場合はあまり好きじゃあり
ませんのでそういう利害関係も全くありません。完全にフラットな、自分の気
持ちだけで書いております。以上、念のため・・・
もちろん音楽の好みは千差万別ですので、私の好みを押しつける考えは毛頭あ
りません。またそもそもそれは無意味な事ですが、でも逆にこうやって少しで
もBlogをご参考にして頂けたらとても幸せです(^^)。ありがとうございました。
先日、某TV番組でこのアルバムの事を話されているのを聞いて、そして1曲歌われたのを聞いて、これは是非買わねば!!と思っていました。
そして、管理人様の想いを読んで、ますます買おうと思いました。
早く聞きたくなってきました。
もちろん、自己責任で買いますね(笑)。