2021年9月27日(月)晴れ。
さわやかな青空と風。秋だ!

人々はもう忘れているが、戦後の日本には多くの深刻な公害被害に苦しんだ歴史がある。
その一つ、西日本一帯で1968年に発生した食品公害「カネミ油症事件」で、国は今年8月から、認定患者の子や孫を対象にした初の健康調査を始めている。調査票での症状聞き取りや検診の受診を求め、患者に認定するかどうかを判断するという。いまだに公害は終わってなかったんだと愕然とした。
この事件は、カネミライスオイルという米ぬか油を使って揚げ物を作っていた西日本一帯で健康被害が広がった。サラダ油よりコレステロールが減ると宣伝されていて人気があったようです。
原因は何だったのか?
製品を作る過程で脱臭を行う作業では、PCB(ポリ塩化ビフェニル)が使われており、加熱されたPCBからはダイオキシンが発生するのですが、これが漏れ出して製品に混入したとされています。
どのくらいの患者がいたのか?
被害を訴えていたのは1万4千人ほどいるけど、2017年度までに患者として認定された人は2,322人しかいない。被害者の多くはすでに亡くなっていることもある。
裁判も長い。地裁で勝訴しても高等裁判所や最高裁でどうなるかわからない。裁判だけでも苦しみそのものだ。因果関係を証明しなければならない。困難を極める。
鳥の大量死からはじまり、黒い吹き出物ができる人が続出した。手足のしびれだけでなく内臓疾患なども多様な症状の患者がいたという。黒い赤ちゃんまで生まれたことは衝撃だった。
患者側には早期の実態把握を求めてきた人たちや差別や偏見を恐れ周囲に患者と伝えていない人もいる。
国によると、認定患者の子は推定約300人。国は調査票の10月末までの回収を目指しているという。
別に特別なものを買って被害にあったわけではない。肉体的な苦痛と精神的な苦痛がある日突然、自分が悪いわけでもないのに襲ってくる。