小さなナスにそっくりな花は「イヌホオズキ」。
空き地のところどころに咲いていた。
葉がホオズキに似ているけれど役に立たないからとこの名前が付いた。
植物で「イヌ」と付いているのは「(本物に比べて)役に立たない」という意味と、否(イナ)が犬(イヌ)に転嫁したという説がある。
イヌサンショウ、イヌタデ、イヌマキ、イヌエンジュ、イヌシデなどにその「イヌ」が付いている。
でも、それなりに何かの役に立っているものもあるんじゃないかと思うけど・・・(イヌエンジュなどは木工芸品材として評価が高いのだけど)
「イヌホオズキ」に話を戻すと、ホオズキとして役に立たないどころか、ナスとしても役に立たないから別名は「バカナス」。
酷い名前だと思う。
ソラニンやサポニンという有毒物質を含んでいるので食べるのもダメ。
でも何とか一つでも役に立つことがないのか探してみたところ、薬草として使えることが分かった。
全草を乾燥したものを龍葵(りゅうき)とよび、解熱や利尿に用いるらしい。
役に立つことがあったので「イヌホオズキ」という名前は返上できないかな?
秋になると実は黒くなる。
学名: Solanum nigrum
英名:black nightshade
別名:バカナス
科名・属名: ナス科 ナス属
原産地:南アメリカ
よく似ている花に、北アメリカ原産の「アメリカイヌホオズキ」がある。
その違いは、「イヌホオズキ」は花色が白のみ、花弁が少し反り返るが、「アメリカイヌホオズキ」は薄紫色の花もあり、花弁は反り返らない。
写真は花弁が反り返っているから「イヌホオズキ」。