日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

安立美術館

2021-03-22 07:00:00 | 国内旅行

島根県安来市には日本中に知られている有名な足立美術館」がある。

でも、20年くらい前にはまだあまり知られていなかったのじゃないかな。

というのは、その頃購読していた新聞記事に、「日本にある美術館で、日本人よりも海外の人の方が知っている美術館」ということで取り上げられていたことがあった。

当時は全く知らない名前の美術館だった。

なぜ海外で有名なのかというと、アメリカの日本庭園専門誌の「日本庭園ランキング」でずっとトップを維持している美術館だったのだ。

だから、美術館よりも日本庭園の素晴らしさで海外に知られていた。

そのために安来市という小さな場所なのに海外から多くの観光客が押し寄せているということだった。

 

この美術館は、昭和45年に安来市出身の実業家、足立全康氏が収集した美術品をを展示してある。

特に横山大観の作品は質量ともに日本一になっていて、その他にも竹内栖鳳、川合玉堂、平山郁夫などの絵画や北大路魯山人らの陶芸作品など、2000点以上の収蔵作品があり、それらを季節ごとに入れ替えて公開しているので、いつ行っても違う作品を見ることができる。

しかも、創業者の足立氏は美術品だけでなく、庭造りにも関心が強かったため、その庭は「庭園も一幅の絵画である」というこだわりを持って造られた庭になっている。

 


春、秋の両方に行ってみたが、それぞれの季節を象徴するような絵画が展示されていた。

展示数も多く、ゆっくりと見てまわると結構時間がかかった。

展示物の写真は撮れなかったが、素晴らしい庭の写真は自由に撮ることができた。

 

 

「生の額絵」と名付けられた場所からの眺めで、ここは以前テレビCMでも使われたことがあった場所なので、知っている人は多いと思う。

この風景に、自分なりの額縁を付けてみた。

 

やはり、見る人によってそれぞれの額縁のイメージがあるので、ちょっと違うと思われるかもしれない。

 

館内にはこういった風景を絵画のように眺める場所が数ヶ所あった。

その他にも和室の床の間の壁をくり抜いて、外の庭園を掛け軸の絵のように見せかけていた「生の掛軸」や「侘び・寂び」の枯山水と苔庭、横山大観の名画を再現した「白砂青松庭」などもあった。

 

[枯山水と苔庭]

苔でできた島に石の橋を渡してある。

橋を造ると水が流れていると思われるが、ここは水を使っていない、見せるだけの橋が見どころ。

 

[白砂青松庭]

奥にある滝は、元々あった「鶴亀山」という自然の山に造られた落差15mの人工の滝で、「鶴亀の滝」と名付けられている。

この場所は横山大観の「那智乃瀧」という作品をイメージして作られたらしい。

また、砂と松の木で日本の海岸の風景を見立てているということだった。

 

[池の庭]

 

 

どの松の木を見ても、真っ直ぐなものはなく、自然のままの様子が表現されていた。

 

ありのままの自然を上手に使い、そこに日本庭園の良いところすべてを凝縮したような庭で、海外の人たちに絶賛されるのも分かる気がするような場所だった。

 

 

コメント
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