映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

アザーズ ニコールキッドマン

2011-02-06 17:24:02 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
映画「アザーズ」は英国チューダー調の古いお屋敷を舞台にしたスリラー映画だ。トムクルーズが題材を買い制作にあたる。当時妻だったニコールキッドマンが主演した。屋敷の中の部屋から、奇妙な物音が聞こえ家族が混乱していく姿を描く。殺人が次々におきるというような血にまみれた映画ではなく、サイコスリラーというべき恐怖心理の妙に入り込む作品だ。



第2次世界大戦末期の英国、主人公ことニコール・キッドマンと、アレルギー体質のため太陽光線を浴びることのできない娘アンと息子ニコラスは、チューダー様式の広大な屋敷の中で親子3人で暮らしていた。夫は出征した後帰ってきていない。そんなある日、老婦人と言葉を喋ることのできない女性、庭師の老人の3人が、屋敷の使用人として招き入れられる。
ある時、子供の泣き声がするのに二コールが気づく。息子が泣いていると思って駆けつけると何もない。娘かと思うとそうでもない。どうしたのか?と不安に思うニコールキッドマン。その後も屋敷の中で、他人の足音や話し声が響き渡り、ショパンのピアノソナタが聞えるという現象が頻繁に起きはじめる。誰かが勝手に侵入しているのではとニコールキッドマンはおびえるのであるが。。。。



ヒッチコックの「レベッカ」も同じように急勾配の切妻屋根のチューダー様式の洋館が舞台となった。あの作品は白黒であった。しかも、怖い使用人がいて不気味だった。今回はカラー作品、あえて子供を太陽アレルギーの設定にすることで、部屋の中を暗いままにする。その方がスリラーのムードが出るからであろう。子供を操りながら恐怖感におびえさせようとするが、さほど怖くはない気もする。脇役たちにあまり恐怖感をいだかなかったせいであろう。

ニコールキッドマンは2001年のこの作品くらいから主演が目立つようになった。まもなくトムクルーズと離婚し、それと同時に美しさにどんどん磨きがかかっていった気がする。90年代初期のころは若い魅力はあるけれど、ちょっとアカぬけないように自分には見える。そんな美しくなっていく彼女を見るだけでもいい気がする。
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ダウト 偽りの代償  マイケルダグラス

2011-02-03 22:23:44 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
マイケルダグラス主演というだけで見た法廷サスペンスだ。
日本未公開の映画が増えている。商業的に無理と思えるときはそうなるのか?コメディに目立つが、マイケルダグラス主演法廷サスペンスであれば、以前であれば絶対に上映されていた。時代の違いか?
でもこの映画は日本未公開となったのがうなづける程度の内容だったかもしれない。ストーリー的に逆転劇があるけれど。。。



若手ジャーナリストことジェシー・メトカーフは、裁判に強い連戦連勝の検事ことマイケル・ダグラスが証拠を捏造して無実の被告人を刑務所送りにしているとよんでいた。ジェシーは証拠を掴むためマイケルダグラスの部下ことアンバー・タンブリンに意図的に近づき、恋仲となった。
そんな中、ジェシーはマイケルをつぶすため殺人事件をでっち上げ、自らが容疑者となる。逮捕後初公判でその旨を法廷で話すが、陪審員はじめ法廷の面々は信じない。恋仲になった彼女も彼の意図を聞き、複雑な心境となる。やがて不利なまま裁判が進むが。。。。

DNAがからんだ冤罪事件は日本でも起きた。足利事件はいまだ大騒ぎだし、検事の証拠捏造は天下の地検特捜部でも行われた。まさに日本でもタイムリーな話題だ。この映画で、化学分析のオタクが登場する。そこのシーンだけはおもしろい。おそらくは生物遺伝子学的分析や、画像処理を見破る科学的レベルは上がっているのであろう。でもここでは単なる脇役だ。

裁判に勝ち続ける弁護士というのはよくある題材だが、検事というのはめずらしい。そういった意味ではもっといい映画になったのに。。。。
何か軽いなあ?!この映画
ストーリーの逆転劇はあったり、ヒッチコック的ドキドキ劇もあったりするんだけれど物足りない。

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映画 さんかく 高岡蒼甫

2011-02-02 19:27:47 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
映画「さんかく」は凡作の多かった2010年の邦画ではベスト3に入る作品だと思う。

倦怠期を迎えた同棲カップルの部屋に、気まぐれな妹が転がり込み、恋の三角関係に発展していくラブコメディーだ。高岡蒼甫が主演となり、同棲相手と彼女のかわいい15歳の妹に翻弄される男をコミカルに演じる。AKB48のメンバー小野恵令奈の妹がなかなか可愛く適役であった。同棲相手の田畑智子も好演だ。
よくありそうな話であるが、映画として非常に練られた印象を受けた。
脚本の巧みさと吉田監督の力量を感じさせる。


改造車を乗り回す釣具ショップに勤める30歳の主人公こと高岡蒼甫と、29歳化粧品販売員こと田畑智子は同棲して2年。特に高岡は田畑との関係にマンネリを感じてきていた。そんな二人のアパートに、田畑の妹で中学三年生のこと小野恵令奈が夏休みを利用して転がり込んでくる。小野は、下着同然の部屋着姿でうろついたりして挑発して主人公を翻弄し、彼も小野に惹かれていく。
夏休みも終わりに近づき、小野が実家に帰る前の晩、いなくなるせつなさで高岡は思わず小野を抱きしめてしまう。さらにその夜、眠れずにトイレに立った主人公と小野は自然とキスを交わすのだった。実家に帰ってからも、毎日のように彼女のことで頭がいっぱいになっていた。そんな時ちょっとしたケンカをして腹を立てた高岡は「別れる」といって家を飛び出してしまう。フラれた彼女こと田畑には別れるつもりはなく、逆にしつこすぎて迷惑がられるが。。。。


ロリコン好きにはたまらない小野恵令奈のふるまいである。同じような状況であったなら、普通の健康な男であれば、同じように狂ってしまったかもしれない。とはいうものの15歳である。同じ年の娘を持つ自分としては複雑である。ただそのロリコンの気持ちをあえて前面に出すのが監督の目的としてあったのではないか?
同棲相手のふるまいにちょっとしたことでひねくれたりヒステリーを起こしたり姿や、友人の紹介というだけでマルチ商法に引っかかっていく姿なんていかにも普通の女性にありがちな感じである。それに加えて、後輩イジメで反感を食らうようないやな奴で、自分勝手なダメ男の主人公のキャラもよくありがちだ。登場回数は少ないが、主人公の後輩役とのやり取りを通じて、主人公のいやな奴ぶりを浮き上がらせていた。いずれにせよ、男女間の心理はよくわかって書かれたシナリオと感じた。

途中弱い、非現実と感じさせる部分もあるが、最後にかけてのムードの出し方は絶妙のうまさであった。
少しづつセリフを減らしながら、その思いを画像の中の表情で表現しようとする意図を感じた。
ラストに脱帽!!

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プレシャス

2011-02-02 19:05:02 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
太った黒人の若い女性が印象的である。
映画「プレシャス」のジャケットを見て、太っていることで屈折した若い女の子の物語と思っていた。その想像以上にむごい人生を歩む女性の話であった。母役のモニークがオスカー助演女優賞をもらったというのは確かにうなずけられる強烈な黒人女性の役だ。ちょっとむごすぎる。感動が残るというよりは、ハーレムの中でスラム的な人生を歩んでいた人たちの悲惨な姿に驚かさせる作品だ。



1987年のニューヨークのハーレム。17歳の黒人少女クレアリース・プレシャス・ジョーンズことガボレイ・シディベは、夢想癖のある太った女の子だ。ある日学校の校長から呼び出された。「妊娠していると聞いたけど」それではこの学校からは退学だといわれた。自分の父親にレイプされて、子供を妊娠していたのだ。彼女は12歳のときにも妊娠し、出産していた。父親は行方をくらまし、母親メアリーことモニークは生活保護を受けている。何も仕事をしないばかりでなく、プレシャスを、強烈に虐待している。
プレシャスは代替学校“イーチ・ワン・ティーチ・ワン”を退学した学校の校長にすすめられて行ってみた。そこには自分と同じように悲惨な境遇にある仲間たちがいた。女性教師ことポーラ・パットンと出会い、先生は辛抱強くプレシャスを理解しようとしてくれた。少しずつ生まれ変わっていったのであるが。。。。

虐待シーンのむごさがこの映画の見せ場だ。なんせ母親は性格破綻している女性である。自分が生きるために、娘や子供を虐待してでも生き延びていこうとする人間だ。まあよくもここまで破綻したもんだと思わせる母親である。母親は徹頭徹尾プレシャスにつらく当たる。レイプとはいえ、夫を実の娘に奪われたという最悪の嫉妬が横たわっている。プレシャスはそのいやらしさを日常受けとめながら生きていく。娘はかわいそうだ。見ていくうちにプレシャスを応援したくなるそんな映画である。黒人中心の映画らしく、ソウルミュージックやゴスペルの音楽がいいセンスをしていた。



そこに加わるのが、代替学校の教員ポーラパットンである。黒人美人女優としてのキャリアを積みつつある彼女の姿は素敵だ。あとソーシャルワーカーとして、主人公と母親の相談を受ける女性の顔を見て、どっかで見たことあるんだけど、だれだったかな?と映像を見ながら考えていた。


そしてクレジットでびっくりした。マライア・キャリーであった。普段の派手な姿とは対照的な役である。一歩抜けた金持ちになってしまったマライアらしく、こういった慈善的な話に惹かれるのであろう。
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トゥルーロマンス 

2011-02-01 21:13:26 | 映画(洋画 99年以前)
『トゥルー・ロマンス』は暴力的ラブストーリーである。トニースコット監督だが、脚本はクエンティン・タランティーノである。ストーリーおよび映画の構成はいかにもタランティーノの匂いがぷんぷんする。暴力描写のすさまじさには目を背けたくなるシーンも数多くある激しい恋愛映画だ。

デトロイトのコミック・ブック店で働く主人公ことクリスチャン・スレイターは、映画オタクでプレスリー好きの若者だ。誕生日の夜、映画館で千葉真一のカンフー映画3本立てを観ていた彼は、いきなり派手な身なりの女性ことパトリシア・アークェットに声をかけられた。彼女は隣の座席に座って話かけてきた。映画館を出るときには意気投合した。その後、彼女は、主人公の店のボスから頼まれたコールガールであることを明かす。それでも、恋に落ちた二人は、翌日結婚した。主人公は、元ヒモであることゲイリー・オールドマンに話をつけに行くが殺されかかり、逆に相手を殺してしまった。あわてて持ち帰ったスーツケースには、大量のコカインが入っていた。コカインはイタリアン・マフィアのもので、二人は追われて逃亡するだが。。。。。

90年代映画の最高傑作とも評されるタランティーノ監督『パルプ・フィクション』の前に発表されている。一部の暴力描写は「パルプ」を上回る。ドキドキしてしまう。恋人役の女性が男の居場所を教えろとマフィアにリンチを受けるシーンのすさまじさは大げさかもしれないが、映画史上屈指の激しさだ。脇役で大物俳優デニスホッパー、ゲイリーオールドマン、クリストファーウォーケン、無名のころのブラットピットなどが出演している。世界で一番映画を見ているともいわれるタランティーノが意識的に俳優を選んでいるのでは?と感じさせるところがある。

主人公の若者がコミック・ショップに勤め、千葉真一主演の映画を観ているシーンなどは、脚本家であるクエンティン・タランティーノ自身の履歴とダブらせている。千葉真一のカンフー映画はブルースリーの「燃えよドラゴン」がとてつもない大ヒットとなった後で、東映でいくつか上映されていた記憶がある。自分は見ていないが、タランティーノが大ファンというのはあまりにも有名だ。アメリカでかなりの人気だったらしい。「キルビル」にはまさに千葉真一が出ている。「ワイルドスピード3」が日本で撮影されたときに、やくざの黒幕を千葉真一が上演していた。「サニーチバ」という響きは悪くない。

最近、デンゼルワシントンとのコンビが多いトニースコット監督も、このころは目のちかちかさせるあのうっとうしい画面ではない。何よりもタランティーノの影が強い。
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