映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

歩いても歩いても  阿部寛

2010-05-16 07:57:26 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
なんか奇妙な題名である。映画を観てしばらくして、家族の団欒時にいしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」のレコードをかける画面がある。その中で有名なサビ「歩いても~歩いても~」と歌詞が流れてくる。
どうもそのメロディが題名の基本になっているのかな?と思った。
祖父が亡くなったとき、はじめて身内を亡くした内孫の自分はとてもショックだった。そのとき流行っていたのがこの曲である。子供ながらこの歌が妙にしみた。そんな思い出もある。

「歩いても歩いても」はある家族の帰郷の一日を描いた作品である。
大きな起伏がなく、内容が家族の会話に集約される。
でも全てのセリフが味わい深い作品だ。


阿部寛と夏川結衣夫妻には子供が一人いるが、現在失業中。彼が夏に実家に泊まりに戻る。
実家は開業医であったが、年老いた医師の父原田芳雄は、妻樹木希林と二人で暮らしている。
本当は息子に後を継いでもらいたかったが、15年前に長男は他界、次男阿部寛にはその気はなかった。今でもそのことで父と息子にわだかまりがある。妻は漂々と余生を楽しんでいる。
そんな帰郷の日を描いていく。

最後に語られる話を言っても、映画の性質上問題ないであろう。
息子夫婦が帰郷したあと、数年たって原田芳雄が亡くなり、妻が後を追うことになっている。その墓参りのシーンである意味を持たせて映画が終わる。
自分も父母は一昨年亡くなって、同じようなパターンになった。
そんな話を聞きながら、自分に照らし合わせた。
この映画はストーリーを楽しむというよりも、この帰郷の話を自分に照らし合わせてみて
何かを振り返るといった感じである。

父子の異様な確執
母が息子にこっそり語る嫁の話、母のぴんとはずれたような会話
妻と夫が次の帰郷について語る話など
同じようなことってあったっけ

原田芳雄も阿部寛そして樹木希林もうまいなあ。
派手さのない映画だけど、妙にひきつけられる。

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