映画とライフデザイン

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映画「アルマゲドン・タイム」

2023-05-14 07:46:57 | 映画(洋画:2022年以降主演男性)
映画「アルマゲドンタイム」を映画館で観てきました。


映画「アルマゲドンタイム」はユダヤ系のある12歳の少年の思春期物語である。ジェームズグレイ監督自らの体験を織り込んで作品をつくりあげたようだ。アンソニーホプキンスやアンハサウェイなど一流どころの俳優が出演していて、おもしろそうかと選択する。

1980年代前半公立の学校に通う12歳のポールグラフ(バンクス・レペタ)は、教育熱心の母親(アンハサウェイ)と厳格な父親(ジェレミーストロング)と兄の4人家族だ。母方の祖父アーロン(アンソニーホプキンス)が心の拠り所だ。いたずら好きのポールは黒人の少年ジョニーと気が合いつるんでいる。ジョニーは祖母と暮らしているが、実質ホームレス状態だ。悪さががバレて大目玉。結局、兄が通う私立学校に転校することに。それでも、別の学校に移ってもジョニーとの腐れ縁が切れない。

退屈な映画だった。
一流の出演者がそろったので、それなりの水準かと感じた。でもがっかり。表だったクレジットにはないが、ジェシカチャステインも出演している。同じように少年時代の思い出を中心に青春を語ったスティーブンスピルバーグ監督「フェイブルマンズ」とは大違いだ。この主人公にはまったく感情移入できない。いたずら好きなのはわかる。でも、何をやっても懲りない少年だ。ここまでいくと単なるバカだ。そんな話には付き合いたくなくなる。

人種差別の問題が言及される。グラフ家もユダヤ系の家族だ。裕福であっても至るところで差別を受けている。それ以上に、黒人少年ジョニーとの落差がひどい。ジョニーもやる気がなく、落第している。この年齢での落第は日本ではありえない。ポールが私立学校に移った後でも、同級生から前の学校で一緒だった黒人と付き合っていることに呆れられる。80年代前半であっても、アメリカの人種差別のレベルはひどかったのであろう。ポールと一緒に悪さをしても、結局黒人少年のせいにされてしまう。


クレジットトップのアンハサウェイは活躍場面がなく終わってしまう。アンソニーホプキンスの祖父役は悪くない。でも、印象付けようとしたセリフは心に残らない。あとは、私立学校に多額の寄附をしたドナルドトランプの父親とトランプの姉がスピーチする場面がある。トランプの姉役はジェシカチャステインで驚く。社会的な優位性をかちとるスピーチだ。レーガン大統領の当選をTVで見てグレイ家では核戦争が始まるといっている。いずれも見どころのつもりだったろうけど、リベラル性を強調するジェームズグレイ監督の悪趣味だ。


結局つまらない話が続いて終了してしまう。
ちょっと選択をミスった。こういうこともあるだろう。

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