映画とライフデザイン

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映画「名探偵ゴッド・アイ (盲探)」 アンディ・ラウ

2014-06-27 20:20:47 | 映画(アジア)

映画「名探偵 ゴッド・アイ」は香港アクション映画の巨匠ジョニートー監督が、香港映画の大スターアンディラウを主演に迎えて撮る2013年の作品だ。

この2人の組み合わせならということでdvdを手に取った。原題:盲探 英題:BLIND DETECTIVEということでわかるように、この探偵は目が見えない。日本では「座頭市」なんて盲目の凄い刺客がいるが、盲目の探偵なんていうのは聞いたことがない。単刀直入に「盲目」の言葉を使ってもらえれば、もっとわかりやすかったが、さすがに原題に近いのは日本ではやりづらかったのであろう。

ジョニートー監督作品は大好きだ。なるべく映画館で見るようにしている。六本木だけの公開だったようだ。「奪命金」はそれなりに楽しめたが、今回は探偵モノというより、コメディといってもいい。直近は冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」「スリなど比較的スタイリッシュにまとめた作品が多かったが、今回は若干テイストが違う。
香港映画の天下の二枚目アンディラウも盲目の設定になると、さすがにいつもとちがう。天才的推理能力を持つが妙にお金に細かい探偵で振る舞い自体が笑える。一連のジョニートー監督作品だけでなく「インファナル・アフェア」のアンディラウの妻役を演じたサミー・チェンとのやり取りも掛け合い漫才のような絶妙なコンビぶりである。

探偵のジョンストン(アンディ・ラウ)は盲目ながらも、その卓越した想像力により“名探偵ジョンストン”と呼ばれ事件を解決し懸賞金で生計を立てている。

しかしこの日はかつての同僚刑事シト(グォ・タオ)に手柄を横取りされ懸賞金を取り損ねてしまった。シトの部下でジョンストンに憧れる女刑事のホー(サミー・チェン)は、子供の頃に失踪した少女シウマンの捜査を依頼。ジョンストンは彼女をアシスタントとして捜査を開始。しかし、自分勝手な彼と想像を超えた調査にホーは振り回され身も心もズタポロにされるが、恋心と想像力の鍛錬によって懸命に付いて行く。

一方、少女失踪の傍らでジョンストンが懸賞金目当てに始めた迷宮入り事件の捜査を手伝う事になったホーは、彼の教えにより想像力を駆使し、二人で犯人(ラム・シュー)を追い詰める。この捜査を機にジョンストンとホーの距離は少しずつ近づいていく。失踪事件は少女だけでなく、女性連続失踪事件へと発展。事件は思いもよらぬ方向へと転がり始める。 (作品情報)

香港の街を舞台にしていて、チムサーチョイの繁華街など見慣れた風景が多い。
人より車優先と言われる香港の路面電車の隙間をホーが堂々と歩く姿がカッコいい。
それに加えて、マカオと珠海へのロケも映す。この映像はごきげんだ。
ジョニートー監督はマカオ好きである。マカオのナイトクラブに行くと、珠海出身の若い女性が横につくことが多い。映画に珠海が登場するのは珍しい。主人公2人が立ちまわる処に大陸の猥雑な感じが伝わり悪くない。

笑えるシーンが多い
1.マカオのバカラのシーン
マカオのカジノに盲目探偵のジョンストンと女刑事のホーの2人が向かう。そこで出会うのはラムシュー演じる犯人だ。同じバカラ卓に座って勝負する。
ホーが奇声をあげながらカードをめくる。いかにもマカオのバカラ、気合の入れ方が違う。
それに対して犯人がめくろうとするとバカでかい声をホーが出して、気合いを失せさせる。犯人がプレイヤーにかけると、ホーはバンカーにかけて、ツキのない犯人の反対側にギャラリーが大量に張る。この気合溢れるバカラの鉄火場はいかにもマカオのカジノで中国人金満家が大金をかける姿だ。2人のパフォーマンスは実に楽しい。

2.真犯人の出産(ネタばれ)
盲目探偵のジョンストンと女刑事のホーがしらみつぶしにつぶした結果、犯人が推測される。ところが、その犯人は妊娠してる。それなのに大暴れ。彼女をつかまえようとしたら突然破水し始める。こうなったらホーは産ませるために全力を尽くす。そこは修羅場だ。うーんと叫ぶ彼女から子供が生まれる。しかし、犯人の息は途絶えようとしている。
これだけでは終わらない。意外な展開に進む。

あとはアンディラウの振る舞いの1つ1つがおかしい。
座頭市のように杖をつきながら、歩いていくが、頭脳は鋭い。脳裏の映像に犯人像が浮かぶ
女刑事ホーが犯人に刺されて、危うく死にそうになる時に、ジョンストンが盲目なのに運転する。途中までホーが方向を指示するが、途中から息が絶えそうになると、ナビゲーターなしに盲目のまま運転するしかない。
こんなシーン見たことがない。
ジョニートーが昔のスタイルに戻ったアイディアに満ちあふれた映画である。

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