映画とライフデザイン

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冷たい雨に撃て、約束の銃弾を  ジョニートー

2011-01-23 20:19:05 | 映画(アジア)
香港好きの自分にはたまらない傑作である。
「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」(原題:Vengeance 復仇)は香港のフィルムノワールの巨匠ジョニートー監督の昨年の作品だ。娘の家族を襲撃殺した犯人たちを追うフランスから来た元殺し屋の男の話である。
ジョニート-は「ミッション」「エグザイル」と香港アクション映画ファンにはたまらない作品を残したが、自分の目からするとこの映画の方がはるかに素晴らしい。このブログで絶賛した「スリ(文雀)」のスタイリッシュな映像に魅せられた自分としては、そのスタイリッシュなタッチを強く残しながら、現代香港マカオの風景の中に香港マフィアたちが美しく溶け込む映像を楽しんだ。
後半にかけ若干だれるところがあるが、最高だ!



マカオの高級洋風住宅が画面に映る。中国人夫、フランス人の妻と二人の子供の団欒のシーンだ。
チャイムが鳴り夫が玄関先に行くと、いきなり何者かに襲われる。
娘の災難を聞きつけ、フランスからその父親ことジョニー・アリディがくる。ジョニーの愛娘のみ重体ながら死を免れた。そして、娘の家族を殺害した犯人は3人で、そのうちの一人の耳を娘が銃で打ち抜いたことを知る。地元警察から見せられた現場写真をみて“Vengeance(復讐)”と書くのだった。
そのころ、アンソニー・ウォン、ラム・カートン、ラム・シュの3人は、組織のボスことサイモン・ヤムから殺しの依頼を受け、ホテルの一室でターゲットを仕留める。その時廊下ですれ違ったジョニーアリディに、手にしていた銃を見られてしまう。その事件が明らかになった後、警察はホテルにいたジョニーにマジックミラー越しに並ぶ容疑者から真犯人を見つけるよう依頼する。ジョニーは犯人を見つけたが、「ここにはいない」と証言した。そして釈放された犯人を尾行する。合流したアンソニーウォンら3人に「仕事を頼みたい」と告げるのだった。ジョニーはフランスで経営するレストランと邸宅を提供するという。
その後3人とジョニーは、銃の調達を請け負う男から、香港の海鮮街で店を営む男たちの情報を聞きつける。香港に向かった4人は、耳を負傷した男たちを探し出し、夜の公園で激しい銃撃戦を展開、ジョニーは肩に銃弾を撃ち込まれるが。。。。。



復讐に次ぐ復讐でどっちが味方か敵だかわけのわからなくなる展開は、香港ノワールの典型的なパターンだ。しかし、以前の香港映画のパターンと思ってみると、この映画の素晴らしさに感嘆するであろう。ジョニートー監督は、前作「スリ」で殺しを中心にした映像から脱却した。香港セントラルのコロニアル風ロケーションを舞台に、実に美しい映像を見せてくれた。今回はその延長である。前作の最終場面で傘をさして、華麗にスリの技を競う場面があった。今回も香港の町のど真ん中で同じように主人公およびアンソニーウォンとその仲間3人を雨の中思いっきり泳がせる。傘をさす群衆の様相が、ヒッチコックの「海外特派員」の名場面を思わせる。
香港ノワールとはいえ、殺しに次ぐ殺しという観点で見ない方がいい。殺し屋3人の個性も見せどころ。「スリ」と同様にデコボコのメンバーをそろえる。アンソニーウォンは安藤昇に似ている気がする。



香港らしい夜の薄汚い街かどで得体のしれないムードを醸し出す。また街の映像だけでなく、珍しく砂浜の映像を映す。名作「慕情」を思い起こす。アバディーンを中心に水上生活者の映像を映すのが20年以上前の香港映画によくあるパターンだった。その匂いを思い起こさせる。マカオに関してもグランドリスボアホテルを中心にした大きく変貌したマカオの映像を中心にして、サナド広場や外人居住地も映す。ばくち場裏手の雑踏やストリートガールの呼び込みもある。そんな現代マカオ風俗を見る楽しみもある。



本当にご機嫌な映像が続き満足した。
でもやっぱりマカオのあの異常な夜のネオンの輝きは実物で見たいなあ!


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