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映画「教授のおかしな妄想殺人」 ウディ・アレン

2016-06-26 12:58:32 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「教授のおかしな妄想殺人」を映画館で見てきました。


ウディアレンの新作は、前作「マジックインムーンライト」の主演女優だったエマストーンと再びコンビを組むという。いつも通り映画館に向かう。ホアキンフェニックス演じる大学教授とエマストーン演じる女子大生が恋に落ちる話にサスペンス的な要素を持たせた映画である。


軽快なテンポでセリフを話すチャーミングなエマストーンウディアレンの好みなんだろう。いかにもウディらしい脚本のセリフがいつも通りセンスが良く、ホアキンフェニックスはウディのような早口ではないけど、少し変わりものの大学教授を巧みに演じる。
感銘を受けるといった作品ではないけれど、ミステリーだけに最後までスクリーンから目が離せない映画である。

並外れた変人と評判の哲学科教授エイブ(ホアキン・フェニックス)が、アメリカ東部の大学に赴任してくる。若い頃は政治活動やボランティアに熱中し、世界中を飛び回ったエイブだが、今では学問にも恋愛にも身が入らず、慢性的に孤独な無気力人間になっていた。

そんなある日、たまたま立ち寄ったダイナーで迷惑な悪徳判事の噂を耳にした瞬間、エイブの脳裏に突拍子もない考えがひらめく。それは誰にも疑われることなく、自らの手で判事を殺害するという完全犯罪への挑戦。すると、あら不思議、奇妙な“生きる意味” を発見したエイブはたちまち身も心も絶好調となり、ひたすら憂鬱だった暗黒の日常が鮮やかに色めき出す。一方、エイブに好意を抱く教え子ジル(エマ・ストーン)は、まさか彼の頭の中におかしな妄想殺人が渦巻いているとはつゆ知らず、ますます恋心を燃え上がらせていくのだが......。(作品情報より)

作品情報が肝心なところに触れないこんな紹介になっている。
でもあえて言ってしまうと、教授は自分でシミュレートした殺人を実際に試みるのである。


ウディアレンのミステリーは、末梢神経を刺激したり、血をみるような激しいものはない。ここでもいつもながらのウディらしい会話を楽しむ物になっている。「マッチポイント」で昔の映画であればありえないラストに持っていったウディアレンだけに最後までどういう結末にもっていくのか想像させないうまさがある。


ロケハンティングもうまい。緑あふれるキャンパスなどバックの風景が美しく、2人が歩きながら会話する姿をカメラを引っ張りながら撮っていくドリーショットの手法もウディ映画の定番のようにここでも見られる。見慣れた映像が展開するのを見ているのは妙な安心感がある。

1.女教師との不倫
鳴り物入りで異動してきたエイブ教授を意識する女性は多い。でも数年前に離婚した後は女性不信で下半身もどうにもならない。化学の中年女教授がワインをもって家を訪ねてきてエイブに押しかけ女房のようにちょっかいをだす。女性からの強いリードでベットに入るがうまく機能しない。


これと限らず、男性に積極的にいい寄る熟女って、最近はキャリア中年女性に目立つようになってきた。以前は英雄色を好むといわれたが、こういう熟女は何を好むと言ったらいいのだろう。それにしてもこの女優はそういう積極女性をうまく演じている。このミステリーの進展に大きくかかわっている肝の女性だ。

2.女子学生との不倫
美人女子大生ジルに対して、エイブ教授はレポートにユニークな意見が書かれてあるねと声をかける。インテリに知性をくすぐられたので、ジルは舞い上がる。ちょっと変わった男だけど、確かに哲学の道には詳しい。一気に彼女は引き寄せられる。


ジルには大学生の彼氏がいる。それでも、教授への想いは募るばかりだ。こんなかわいい女の子に言い寄られ我慢できる男は、男色家以外はいないだろう。腹が出ているホアキン・フェニックスがそんなにもてるかい?てな感じだが、エマストーンが中年知識人に惹かれる女の子をウディアレンのリードでらしく演じている。そうしていくうちに事件が起こり、取り巻く環境が一転する。謎解きが進むにしたがって、エマストーンのパフォーマンスに味が出てくる。

3.センスのいい音楽
ラムゼイルイストリオの64年の曲ジ・イン・クラウドが繰り返しバックでかかる。バックががやがやしたライブ録音の曲だ。いいねえ。



自分の世代だと、アースウインドアンドファイアモーリス・ホワイトと組んでファンキーなフレーズを奏でていたラムゼイ・ルイスの曲が脳裏に浮かぶ。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (ここなつ)
2016-07-08 12:59:17
こんにちは。
ウディ・アレンの作品にしてはイマイチのような気もしていましたが、
>ラムゼイルイストリオの64年の曲ジ・イン・クラウドが繰り返しバックでかかる。バックががやがやしたライブ録音の曲だ。いいねえ。
私も、これ、すごく良かったと思います。音楽でかなり得をした作品だと思います。
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