映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

山田洋次「息子」

2008-07-28 06:47:01 | 映画(日本 1989年以降)
映画を見るピッチが以前に近づいてきた。「ロッキー2」「007」なんて映画でのウォーミングアップもうまくいっている。
飲み会もできる限り避けようとしていることもあるし、父にかかわる諸手続きもあともう少しのところまで来ているからであろう。

山田洋次監督「息子」を見た。
三国連太郎扮する岩手の田舎で農家を営む父のところへ、三国の妻の一周忌で3人の子どもが集まる。長男は東京でサラリーマンをして、浦安のマンションを買って所帯を持ってすんでいる。長女浅田美代子は岩手で嫁に行っている。次男永瀬文敏は東京で職を転々として落ち着かない独身。
話は主として三国、永瀬を中心に展開される。
永瀬は居酒屋の店員をやっていたが、あわずに尾久の鉄工所に働き口を見つける。そこではいかりや長介や田中邦衛が働いていて、個性的な社会を支える低所得者層をうまく演じている。永瀬はつらそうなのですぐやめようと思うが、配達先の事務員に美しい和久井映見を見つけ仕事への張りを見つけ続ける。
三国の一人暮らしを見かねた親族は千葉の長男のところへ行くことを勧めるが、三国は今のところで一人で住むといって譲らない。三国は上京して千葉の長男のところへ行った後、心配な三男坊のところに寄ろうとするが。。。。。

いかにもありそうな登場人物像で、不自然さがない。それぞれにエゴを持っているが、社会の中に流されている。でも三国が東京に行った後に岩手の自宅に戻った後の幻想的な場面はなんかつらいものがある。
なぜか三国が「ありがとう」を連発する。うちの父も死ぬ前ずいぶんと連発していたなあ。

山田洋次監督の作品はあたりはずれがない。
「フーテンの寅さん」「家族」「たそがれ清兵衛」みんな素敵な映画である。
根底に「やさしさ」に通じるものが流れている。ある意味それは松竹の伝統なのであろう。いつか監督のことを語ってみたい。監督は私の高校の大先輩でもあるし
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