映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「タイピスト!」 デボラ・フランソワ

2013-09-20 20:04:32 | 映画(フランス映画 )
映画「タイピスト!」を劇場で見た。

まさに今年一番の「元気が出る映画」だ。
映画に躍動感がある。ストーリーには意外性がなく、予想通りに進んでいるのであるが、おもしろい!

1950年代のフランスでは、社会進出しようとする女性たちの間で一番花形の職業は秘書だった。田舎から出てきたローズ(デボラ・フランソワ)もそんな一人で、保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリス)の秘書となる。ドジで不器用すぎるため1週間でクビを宣告されるが、ローズにタイピングの才能を見出したルイは、彼女にある提案をする。当時秘書の中で、タイプライター早打ち大会で優勝することはステイタスとなっており、一大競技として人気を誇っていた。ルイはローズと組んで、タイプライター早打ちの世界大会で優勝を目論んでいた。

地方予選に出場したローズは、初めて触れる試合の空気に飲み込まれあえなく敗退。ルイは1本指ではなく10本の指を使ったタイピングをするよう矯正し、難解な文学書のタイプやジョギングなどのハードなメニューを課して、ローズを特訓する。

その甲斐あって地方予選を1位通過したローズだが、全仏大会には2連覇中の最強の女王が待ち構えていた……

田舎娘が都会に出て、徐々にアカぬけてくるストーリーは「マイフェアレディ」を思わせる。タイプを打つのは1本指だ。それでもかなり早いのであるが、大会を勝ち抜くのは無理だ。
そこで家庭教師でもあるルイは彼女にジョギングをさせて体力をつけさせるだけでなく、ピアノの練習を通じて10本指の鍛練をさせるのである。こういう上昇過程が楽しい。


最近のフランス映画ではこの映画のような鮮やかな色彩設計が目立つ。
「アメリ」のように色合いだけでウキウキさせる。

主人公だけでなく、その周りを取り巻くメンバーの衣装も鮮やかでインテリアが抜群にいい。
早打ち競争自体は地味な戦いだけど、50年代のリズミカルなポップスと色彩設計の巧みさで気分を高揚させる。


「ロッキー」のようなスポーツ根性物語の躍動感を持つ。実に個性的なライバルを登場させるのも肝心。
その存在を見て主人公を応援したくなるような気分にさせられる。
お見事!

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