映画とライフデザイン

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映画「シチリアーノ 裏切りの美学」 マルコ・ベロッキオ

2020-09-02 19:48:27 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「シチリアーノ 裏切りの美学」を映画館で観てきました。

「シチリアーノ裏切りの美学」愛の勝利を ムッソリーニを愛した女眠れる美女という傑作でメガホンをとったマルコ・ベロッキオ監督の新作である。愛の勝利を ムッソリーニを愛した女はイタリアの独裁者 ムッソリーニが共産主義者だったころから支えた女性との関係を描いた作品である。ムッソリーニ自らの演説も混ぜた編集、感情を揺さぶる音楽をふくめ 撮影、映像コンテすべてにおいてすばらしい作品だった。今回もそれに期待して映画館に足を運ぶ。


マフィアの鉄の結束を裏切った男に焦点をあてて、実際の抗争とマフィア幹部を裁く裁判を80年代から約20年にわたって追っていく。 日本の傑作といわれる「仁義なき戦い」などの実録もの映画は、裏切りに次ぐ裏切りの連続をスピード感をもって描いている。 ここでは深作欣二監督作品のようなスピード感こそないが、 イタリア人独特の情熱的なパフォーマンスや日本ではありえない大人数の被告人が檻の中から罵声を発する裁判の形式自体に圧倒的迫力を感じる。


1980年代初頭、シチリアではマフィアの全面戦争が激化していた。パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は抗争の仲裁に失敗しブラジルに逃れるが、残された家族や仲間達はコルレオーネ派の報復によって次々と抹殺されていった。ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やすファルコーネ判事(ファウスト・ルッソ・アレジ)から捜査への協力を求められる。


麻薬と殺人に明け暮れ堕落したコーザ・ノストラに失望していたブシェッタは、固い信頼関係で結ばれたファルコーネに組織の情報を提供することを決意するが、それはコーザ・ノストラの ”血の掟” に背く行為だった。(作品情報より引用)

1. 主人公ブシェッタと ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
よくぞまあ、人相の悪い主人公を選んだものだ。結婚は3回目、パーティがあると前妻との子供も一緒に加わる。 女好きで、刑務所の中でもやりまくりだ。 両方のマフィアのグループの間に入ろうとするが、うまくいかないとわかるとさっさとブラジルに行く。

そこで麻薬で捕まって当局から拷問を受ける。2台のヘリコプターに乗って、片方には拷問で負傷している ブシェッタ、片方には吐かないとヘリコプターから海に落とすぞとばかりに妻クリスチーナを吊るすシーンがすごい。

2.裁判
大きな裁判所の法廷である。その法廷の片隅に檻に入っている被告人が大勢いる。なんじゃこれ?中からは大きな声で裏切り者にたいして罵声が飛ぶ。傍聴席にいる被告人の妻たちも叫びまくる。すごい迫力だ。この連中も人相が悪い。裁判長もそのパワーに負けじと対抗する。ブシェッタとボス的存在だったピッポ・カロ2人並んで証言する。裁判と言うより罵り合いだ。兄貴は会ったことあるけど、本人には会っていないよと。もうその時点でブシェッタの兄貴は暗殺されている。でもとっておきの証拠があると、写真をおもむろに差し出す。


3.印象に残るシーン
あるターゲットがいる。その男に狙いを定めてブシェッタは待機している。相手は自分が狙われていることに気づくと、生まれてまもない赤ちゃんをおもむろに抱く。すると、ブシェッタは撃てない。年数を経てもずっと狙っている。公衆の面前ではいつでも子どもと一緒だ。そうやって時間がたち、その子どもが結婚することになる。ようやく1人になりブシェッタはピストルを手に取るのだ。いつまでたっても追い続ける執念がみなぎっていた。




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